もうあと二日。待ったなし!で始まる NAB2013。海外では NoFilm Schoolさんが Fresh DV さんとタッグを組んで会場からニュース配信を行うとアナウンスしたり、はたまた Vincent Laforet師匠がなにやら 5D2以来となる映像制作の “新たなるゲームチェンジャー” を今から24〜48時間以内に発表すると息巻いていたり、俄然、盛り上がって参りました!
…さぁ色々とモロモロと期待に心を躍らせつつ、今日も4題。行ってみましょう。
▊ Duclos Lensesの CN-Eユニバーサル・マウント
希代のレンズ職人、Matthew Duclosさん曰く、Canonのシネマレンズは最高だけど、弱点が2つある。一つは、“Lightweight Zoom” という製品名とは裏腹に立派な重量級レンズであるにもかかわらず、EF、PL共にマウント部が真鍮製であること。真鍮(黄銅、ブラス)は扱いやすい金属ではあるものの軟らかいので、このクラスのレンズを支えるマウントには全く向いていない。またもう一つの弱点は、EFバージョンと PLバージョン共にマウントが固定で、交換が効かないこと。1本 200万円もするレンズなのに、どちらかを選んで購入したらそのマウントでしか使えないなんて、もったいない。
…というわけで Duclosさんは現在、Canon LightWeightズーム用のユニバーサル・マウントを開発中だそうです。
▶ Circle of Confusion : Canon Lightweight Zoom Universal Mount From Duclos Lenses
現在のところ、このモッド(改造)が対応するのは、CN-E15.5-47mm T2.8 Lと CN-E30-105mm T2.8 Lの2本のみ。具体的な改変は CN-Eレンズのトレードマークである、マウント部の赤い金属部分を、Duclos Lenses謹製「サブマウント」にそっくり交換。サブマウントに接続するマウントアダプタ−によって、各種マウント(当初は PL、EF、F、Panavision)に対応する、というもの。
サブマウントの取り付けは専門の技術者が行う必要があるものの、それ以降は必要なマウントアダプタ−をねじ込むだけの簡便さ。また、この Duclosサブマウントをインストール済みの Canon LightWeightズームの販売も予定しているそうです。さらに、この改造によって Canonの正規保証が受けられなくなることに対処すべく、何らかの保証プランを策定中だそうで、この辺りがエライですね。お値段その他、詳細はまだ未定。
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▊ Zunowインペリアル PL-マウント・レンズ
主に各種コンバージョンレンズで有名! …かと思えば、Sony E、FZマウント用のマニアックなレンズを出していたり、はたまた PLマウントのシネマレンズを出していたり。ナゾ〜なブランド、Zunowはでも、れっきとした日本のメーカーだそうな。
▶ Zunow Conversion Lenses
Cinescopophiliaさんが報じるところによりますと、今週末から開催される NAB2013に合わせ、この Zunowより インペリアル・プライム(帝国式単焦点?)なる PLマウント・レンズのシリーズが発表されるようです。
▶ Cinescopophilia : Zunow Imperial Series of Fast 4K T1.5 Prime Lenses Coming to NAB
今回出てくるのは 25mm、35mm、50mm、85mm、各 T/1.5という明るいレンズ群。将来的にはここに 12mm T/2.8、120mm T/2.0が追加されるもよう。当然のことながら全てのレンズは統一された画調になるようキャリブレートされており、4K、もしくは近日中のデビューが予想されている RED Dragon 6Kセンサーにも余裕をもって対応するとされています。して、お値段は? …まだ不明。きっと NABで。
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▊ PrimeCircle XE:Zeiss EFをリモートコントロール
Zeissの一眼用レンズにシネマレンズ仕様の “皮(がわ)” を被せ、純正よりも安価に CP.2シリーズを再現するというコンセプトで、EFマウント版(XT)、Fマウント版(XT-F)の “CINE-STYLE CUSTOM LENSES” を展開している LockCircle社。
▶ LockCircle
同社は今年の NABにて、全く新しい機能を搭載した XTシリーズの発展形を発表するそうです。製品名「PrimeCircle XE」は、50mm、100mmマクロを含む 15mm〜135mmの Zeiss ZE一眼レンズにリモコンを組み込み、Canon EOSシリーズのデジイチと一緒に使用した場合、最大300フィート(約90m)離れた場所から「絞り」、「録画スタート/ストップ」、「ライブビュー On/Off」、「フォーカス」をコントロール可能。
…ただし、「フォーカス」はプルフォーカス(フォーカス送り)ではなく、EOS本体の AFボタンを押した時と同じ、フォーカスサークルでの合焦のみ。
要は EOSの電子接点経由でリモートコントロール・コマンドを送受信するロボット・レンズといった感じでしょうか? そして、こちらも値段ほかの詳細はまだ不明。
▶ Cinescopophilia : Prime Circle XE System: Prime Lenses With Electronic Aperture and Wireless Control
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▊ Zeissの新レンズが iFプロダクトデザイン賞を受賞
最後は、Zeissのレンズx5本が “世界的に最も権威のあるデザイン賞の一つ(by Wikipedia)”、iFデザイン賞を受賞したよ!というニュース。別にデザインで賞を受けたからって写りが良くなるわけではないことは承知していますが、今回の iF受賞は個人的に少々感慨深いものがあるので、敢えてご紹介。
▶ Zeiss : Carl Zeiss wins five product design awards at iF design awards 2013
受賞5製品(上記写真)のうち、Compact Zoom CZ.2 70-200/T2.9と Distagon T* 1.4/55の2本は、Zeissの新時代を予感させる、流線型の新ボディ・デザインを纏ったニューフェイス。
皆さんはこの新しい Zeissレンズのデザインを初めて見た時、どう感じましたか?
Zeiss自ら「ファンネル(ロート、じょうご、えんとつ)デザイン」と称している流麗なラインで構成されたこのデザイン、正直、ボクはどうもしっくりこなくて(汗)、以前のゴツゴツしたデザインの方が好み!♡ と思っていました。
ところが、過日、某工業デザイナーの友人M氏とレンズの話をしていたら、ファンネルデザインは ID(Industrial Design=工業デザイン)界では最新のトレンドなのだそうで。つまり、今一番「トンがってる」カタチってことらしい。日本でも、Sigmaが先月リリースした「アートライン」の 35mm F1.4 DG HSMが、この新しい IDの文法に則っていて、「Sigmaは時代をわかってるね」と、M氏。
▶ Sigma Art 35mm F1.4 DG HSM
…吉祥寺の某所でコーヒーをすすりつつM氏の話を聞きながら、いやしくも20年以上の長きに亘ってデザイン業界に身を置いてきた自分の感性が、もはや時代とシンクロすることをやめたらしい事を悟った夜でありました。ひゅ〜〜(と、心にぽっかりスキマ風 (>_<))。
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11 Comments
マウントが固定というのは、はやりこのレンズを買う上で究極の選択を迫られますね。
正規保証が受けられなくても、ユニーバサルマウントへの改造してくれるサービスがあるのはいい事だと思います。
CanonのシネレンズでREDもBMCCも使いたいユーザーにとっては願ってもない事だと思います。
REDは本体のマウントがEFもFも変換対応してましたね。
一生もののシネレンズなら、PLが望ましいです。
主にROM専ですが、コメントさせて頂きます。
それにしましても、ZUNOWとはまた懐かしいブランドが出ましたね。
1953年に50mm f1.1で、当時世界一明るいレンズを設計するメーカーとして一時有名になったブランドです。
旧名は、帝国光学研究所と言って、旧海軍御用達のレンズメーカーであったはずです。
Imperialという名称は、この旧名から取っているのでしょうね。
寛さん、コメント有難うございます。そうなんですか、Zunowは一時は世界一明るいレンズを!? しかも、社名が帝国光学研究所!? なるほど~、なんだか怪しいメーカー?と思っていたら、実はそんな由緒正しいブランドだったなんて。勉強させて頂きました! (^_^)v
sigma35mmいいですよね、、買えてないのが残念ですが、、、
以前テストさせてもらったときはF1.xレンズなのに開放から
色収差やらコマ収差やたら少なく、メチャメチャ驚きました。
比較的新しいL単、ef24iiでも開放あたりはひじょうにビミョー、
この点ではお高い純正をぶっちぎってそうです。
nabはなんだかカメラじゃないけど???、これからgame changerな
発表があると一部でさわがれているようですが、何なんですかね。
じぶんてきには昨日発表があったcanon XA25、はたぶん買えなくて、
なぜかまだ国内発表されないhf G30あたりが
今年のメッケモンといったとこです(笑)。
なんか、こちらに書き込んでる間に発表されてたようです(笑)。
http://vimeo.com/62917185
This short was shot ENTIRELY handheld with the MoVI, a Canon EOS 1DC (at 4K) and a Canon 24mm 1.3 Cine Prime.
そうなんですよ、最近めっきり Sigmaづいている自分に苦笑しつつ、このレンズは格別に素晴らしいです。ただし、プッシュ・オートフォーカスすると「きゅるきゅきゅっ」とか鳴いたりして(笑)。やっぱツメが甘いのか〜?とか思いつつ、気に入ってます。
“ゲームチェンジャー” は… お値段見て、他人事になってしまいました。(^_^;)
ボクも流線型デザイン、好きになれません〜。特に1.4/55の「ビールがおいしく飲めるグラス」みたいなライン…うむむ〜。冒頭のキヤノンさんシネみたいにトンネル掘れそうなゴツゴツギザギザの方がカッコいいです!
Prime Circle、こんなのあるんですね!スゴー!レンズネタ、ホント色々あるんだなぁ。
この55mm f/1.4、「ビールがおいしく飲めるグラス」デザインで、1本36万円くらいになるらしいですからね。超絶にお高いビールグラスです(笑)。
レンズネタはホントに、後から後から尽きることなく
湧いて… もとへ。登場してきますね〜。キリがありません。けど、出てくる度に目を引かれてしまいます。困ったものです。(^_^)vシネレンズにはまだ機能美を追及して欲しいと思うので僕もまだゴツゴツデザインの方が好きです♪
そこが難しいところでして(笑)。ひょっとすると、この “トンがった” デザインの方がより合目的的かつ機能的なのかも知れません。工業デザインのトレンドって、単に外観が新しっぽく見えるかどうか?ではありませんから。外観を愛でて、かつ実際に使用してみないと、わからない。
…というわけで、(Zeissは買えないので)実は上に書いた Sigmaを購入してここ二週間ほど試してみている最中だったりします(笑)。(^_^;)