９月１日付け MacRumors の報道によりますと、６月の Final Cut Pro X発売開始 以来、世界中の プロフェッショナル映像業界に大混乱 を引き起こしている米 Apple が “限定的な方法で” 旧バージョンである Final Cut Studio 3 の販売を再開したことが明らかになりました。
▶ MacRumors | Apple Puts Legacy Final Cut Studio Back on Sale

MacRumors が入手した内部情報では１日午後に米 Apple社内 AppleStore コールセンター担当者宛に旧バージョンの流通再開に関するメモが回ったとのこと。このリーク情報を受けた MacRumors では、さっそく同コールセンター（米国内：800-MY-APPLE）に電話し、型番 MB6427/A として知られる Final Cut Studio 3 の在庫を確認。実際に＄999（エデュケーショナル版 ＄899）で販売されており購入可能なことが確認された、としています。

ただし、あくまでも AppleStore コールセンターへの問い合わせ経由でのみ購入可能であり、小売店店頭もしくは AppleSore等で表立って販売されてはいないとのこと。

上記情報がネットに流れ、一部のユーザー達のあいだで物議をかもした後、今度は Apple製品中心の技術情報サイト、The Loop が AppleStore コールセンターに突撃インタビューを敢行。販売担当者より以下のコメントを引き出した、と主張しています。
▶ The Loop | Apple explains decision to start selling Final Cut Studio again

“As we’ve done before with many end-of-life software products, we have a limited quantity of Final Cut Studio still available through Apple telesales to customers who need them for ongoing projects”

［抄訳］以前から製品寿命の終了した製品で度々そうさせて頂いておりますように、わざわざ電話をかけて下さった主に業務のために同製品を必要とされているお客様に対して、数量限定で旧バージョンの Final Cut Studio をご提供させて頂いております。

う〜ん、以前ご紹介した Final Cut Pro X に関する返金対応 と同じで、表立っては何のアナウンスもアクションもないけれど、是が非でも！どうしても！なんとかして！と念押しでやって来るお客さんに対しては、“現場が柔軟な対応を採れるように配慮した” といった感じでしょうか。

そうした隠密対応自体はあまり誉められた事ではないのかも知れませんが、まぁ “オトナな対応” として理解及び評価して良いのではないでしょうか。少なくとも原則や建前を楯に、もう旧版は絶対に出しません！とシャットアウトするよりは全然マシ。
あとは、この流れがアメリカ国内だけでなくワールドワイドに実現してくれれば、（少々後ろ向きではあるものの）Final Cut Pro X により生じた混乱は実質的に終息するのではないでしょうか。

Final Cut Pro X の発売開始と それが原因で起こった大混乱 以来、何人もの知人や知らない方から、『あのぉ〜 Final Cut Studio は、まだどこかで入手できたりしないでしょうかぁ？(泣)』という主旨の質問がたびたび届いてますしねぇ。ぜひ日本でも、こっそり内緒で対応して欲しいものだと思います(笑)。