FCP-Xが 64-bit化されたことに伴い、既存のフィルタが全滅しましたが、それに加えて FCP-Xからは、プラグイン・フィルタがすべて “Motion 5 のプロジェクト” になってしまいました。
…ココ、自分が理解するのに時間がかかったので、もう少し詳しく書いてみます。
Final Cut Pro7までのプラグイン・フィルタには、「Fxスクリプト形式」と「Fxプラグ形式」の二種類があり、それらとは別に Motion 4 で作成したプロジェクトを「マスターテンプレート」として Final Cut Pro上から呼び出して使うことができました。
これが FCP-Xでは、まず「Fxスクリプト形式」が廃止され、同様に「マスターテンプレート」という概念もなくなりました。さらに「Fxプラグ形式」が 64-bitで動作する「Fxプラグ2形式」へと進化しました。…が、この「Fxプラグ2形式」という新しいアーキテクチャは、実は中身が「Motion 5 プロジェクト」そのものでした、というわけです(合ってますかね?)。
プラグインフィルタのカテゴリである「トランジション」「エフェクト」「ジェネレータ」「タイトル」のすべては、これすなわち Motion 5 のプロジェクトそのものであり、各々の効果を設定し、無数の可変パラメータを埋め込んだ状態(=これを「Rig(リグ)」と呼びます)で “公開” すると、FCP-Xのエフェクトブラウザ内に表示され、プラグイン・フィルタとして使えるようになります。
また、この「Rig」の概念が導入されたことで、1つの Motionプロジェクト内にあらかじめ “複数の初期設定” を内包することが可能となり、今までは Motionプロジェクトの弱点であった画角や解像度の違いをダイナミックに吸収できるようになりました。つまり、1つの Motionプロジェクトで、SDから 1080pHDまで、4:3 から 16:9 まで対応可能になったのです。
…という背景を理解した上で、本日のお題へ。
● 12 Classic Generators for Final Cut Pro X
実は先週から今週にかけて、あちこちのベンダーさんから FCP-X対応を謳う無料のプラグイン・フィルタが公開され始めています。
たとえばオンライン・トレーニングで有名な、Ripple Training さんからは、Motion界の大御所(というか、Motion 1.0 の開発者の一人)である Mark Spencer氏が監修した「12 Classic Generators for Final Cut Pro X」が無償公開されました。これは、FCP-Xになって、なぜかプリセットから消えてしまった「カラーバー」や、あるいは色や書体を細かく調整できる便利な「カウントダウン・リーダー」を含む 12種類のジェネレータの詰め合わせパッケージです。
▶ Ripple Training | 12 Classic Generators for Final Cut Pro X
<12 Classic Generators for Final Cut Pro X のインストール方法>
上のリンクからダウンロードしたディスクイメージを開くと、下図のようなインストール手順が表示されます。ここから先は「Motion 5を持っているかどうか?」によって、インストール方法が異なります。
➡ Motion 5 をまだ持っていない人は
まず、STEP 1 の右にある「Motion Templates」というフォルダを、自分の HDD内の「ムービー」フォルダ(user/movies/)にコピーしてください。
コピーした「Motion Templates」フォルダの中に「Generators」というフォルダがあります。その中(user/movies/Motion Templates/Generators/)に、STEP 2 の右横にある「RT Classic Generators」フォルダをコピーしてください。
➡ Motion 5 をすでに持っている人は
STEP 2 の右横にある「RT Classic Generators」フォルダを、自分の HDD内「ムービー」フォルダ >「Motion Templates」>「Generators」フォルダの中にコピーしてください。
インストール完了後、FCP-X を起動すると、エフェクト・ウインドウの「ジェネレータ」タブ内に12種類の新規プラグインが現れます。おぉ!これは便利、便利!
…と、喜んだのも束の間、あ、あれ…?
カラーバーをタイムラインにドラッグした途端に、FCP-Xがクラッシュ(泣)。以降、何度 FCP-Xを起動し直しても、タイムライン上に配置したカラーバーに触れるだけでクラッシュを繰り返し、使い物になりません。また、エフェクト・ウインドウ内にあるカラーバーのプラグインをスキミング(マウスでなぞる)すると、プレビューが青くなって表示されません(ん?青?)。
● DSLRLog2Video
日本時間の昨夜遅く公開された、独・Pomfort社製 DSLRLog2Video プラグインは、Technicolor CineStyleピクチャースタイルを使って撮影された素材を REC.709 標準カラースペースに復調する LUT(ルックアップテーブル)の FCP-X対応版です。
こちらも、おぉ!これは便利便利!とインストールしてはみたものの、一つ前のエントリでご説明した通り、このプラグインを素材に適用すると、プレビュー画面が青色の表示に変わってしまい、使い物になりません(お。これも青?)。
ことココに至りまして、以下の三つが脳裏に浮かびました。
① ひょっとするとこの問題は環境依存型のトラブルかも知れない。
(こんな問題が起こるのは、うちだけだったりして?)
② 二つの相互に関係のないプラグインで同じ症状が出ていることから、個々
のプラグインの問題ではない可能性が高い。
③ 今や FCP-X プラグイン、すなわち Motion 5 プロジェクトである。
…であるなら、Motion 5 で開いて直せんじゃないの?(笑)
結果。簡単に直っちゃいました(笑)。 …ので、以下に手順を記しておきます。
ステップ1
FCP-Xのエフェクトウインドウ内で、動作しないプラグイン・フィルタを右クリックし、「Motionで開く」を実行。
ステップ2
Motionに切り替えたら、設定には一切手を触れず、そのまま「ファイル」>「別名で保存」を実行。
ステップ3
テンプレート名は任意の名前に変更し、またカテゴリはオリジナルと同じままにして「公開」する。
ステップ4
FCP-Xのエフェクトウインドウ内に、今保存したフィルタが現れるので、そちらを適用する。
たったこれだけで「カラーバー」も「DSLRLog2Video」も、どちらも正常に動作するようになりましたとさ。めでたし、めでたし!(んーー、本当にめでたいんだろうか?(笑))
で、この “トリック” を発見してから今まで検証しているのですが、なぜ Motion 5 で開いて「別名で保存」すると直るのか?理由がわかりません。
しかも、一旦直ると「別名で保存」した方ではなく、元々のオリジナルも普通に使えるようになります(これまた意味不明)。なのに、『じゃ、オリジナルだけ残して「別名で保存」したコピーの方は捨てても良かろう?』と削除すると、またプレビューが青色画面になり、使えなくなります。
【゚Д゚】ハァ? …い、意味がわかりません(泣)。
皆さんの環境では如何でしょうか? 求む情報!(泣)
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10 Comments
長文お許しください。
はじめまして。僕もFCP-Xの情報を探していたらたどり着きました。
日本語だとまだまだ情報が少ないですね(汗) そしてかなり不評ですね(笑)
僕は完全ホビーユーザーなので「iMovie-X」のノリで楽しんでますが(笑)
さて、フィルタの件ですが、残念ながら(?)僕の環境では普通に動いてしまいました。
ただ、なぜ動かないのか、解決に繋がりそうなものを探していたところ、あれ?と思ったことがあるのでコメントさせていただきます。
ダウンロードしたフィルタ(12 Classic Generators for Final Cut Pro X等)の.motnファイルが、たぶんXMLかなんかだったりするんだろうな〜と思ってテキストエディタで開いてみたところ、案の定XMLファイルだったんですが、その中の素材(メディアファイル)のパスがおそらく「フィルタを作った人」のパスのままになっているようでした。
そこで、よろしければ以下の方法を試してみていただけますでしょうか。(念のためバックアップはお忘れ無く)
1.「Motion Templates」の中に入れたフィルタの中で、.mothファイルと同じ場所にある「Media」というフォルダの中にファイルが存在するフィルタを探す
2.1の.motnファイルをテキストエディタ等で開く
3.検索で「file://」という文字列を探す
4.おそらく「file://localhost/Users/知らないユーザー/Movies/…」というパスが見つかると思います
5.4の「知らないユーザー」のところをすべて自分のユーザー名に変更する
6.保存する
上で書いたように僕の環境では再現しなかったのでこれで直るかどうかはやってみないと分かりませんが、怪しいところと言えばそのくらいだったので、お時間があるときにでも。
ちなみに、「Media」フォルダの中が空っぽのフィルタは参照メディアがないということなので、.mothファイル内にも「file://」の記述がありません。もしかしたら、うまく表示されないのって「12 Classic Generators for Final Cut Pro X」の中ではカラーバーだけじゃないですか?
もし直ったとしたら、たぶんMotion5はパスのところを自動で修正してくれるけど(だから別名で保存で直った)、FCP-Xは「そんなファイルはねーよ!」と青い画面を出した。別名で保存するとオリジナルのほうも直るというのは、別名で保存した方もメディアファイルのファイル名が同じなのでキャッシュを拝借した。とかそんな感じじゃないかなぁと思います。
これで解決できれば幸いです。
が、これが問題だとしたらメーカーの人がこのパスを直す方法が無いのでどうしたもんだか…という気もします。
※追記
と、ここまで書いて気づきましたが、もしかしたらパスのところ
「file://localhost/Users/知らないユーザー/Movies/…」
を
「file://~/Movies/…」
に書き換えてもいけるかもしれません。
「~(半角チルダ)」は「自分のホームフォルダ」を指すので、誰でも自分のホームフォルダを探すことになります。
ぶっ飛びっ! Yuzyさん、すんげぇ情報、ありがとうございます。一読、これでボクが遭遇した一見オカルトな現象の意味がすんなりと得心できました。また、実際、「12 Classic Generators for Final Cut Pro X」のフィルタ群の中で、青プレビューが出るのは「カラーバー」だけでした。もう〜そのまんま!
さらに「DSLRLog2Video」フィルタでお書き頂いた手順を試してみましたところ、これまたたしかに
オリジナル→「file://localhost/Users/知らないユーザー/Movies/…」となっており、
別名で保存→「file://localhost/Users/ボクの名前/Movies/…」に書き換わっていました。
これだ!これだ!これだ〜!と、大興奮!!!
…したのですが、ココから先、さらにオカルトな現象が。
「DSLRLog2Video」と同じように、「カラーバー」のXMLも検分したところ、なぜか「オリジナル」も「別名で保存」も、ちゃんと「file://localhost/Users/ボクの名前/Movies/…」と、書き換わっており、「んーはて?」と首をかしげながら、とりあえずFCP-Xを起動したところ…
昨夜コピーを作って以来きちんと動作していたはずの「DSLRLog2Video」と「カラーバー」が、オリジナル+コピーあわせて、どちらも青プレビューで使えなくなっているではありませんか!?(爆)。
『なにそれ?新しい展開!?』と、別の意味で大興奮して一旦 FCP-Xを終了し、両フィルタともコピーを削除して再起動。
そして「DSLRLog2Video」をもう一度「Motionで開く」から「別名で保存」して直してやろうと思ったら、なんと!オリジナルのままで、ちゃんと動作してやがるんですコイツ(笑)。
なのに、この時点で FCP-X立ち上げたまま XMLを開いてみたところ、「file://localhost/Users/知らないユーザー/Movies/…」のままなんです。
反対に、やはり青プレビューが出て使えなくなっている「カラーバー」オリジナルのXMLも開いてみたんですが、こちらのパスはちゃんと「file://localhost/Users/ボクの名前/Movies/…」に直ってるんです。
もう涙目です(泣)。
おうふ・・・なんか状態を悪化させてしまったようで申し訳ございません・・・
ということはパスの問題ではないのかもしれませんね。
じゃあなんなんだろう・・・もう少し調べてみますね。
え? いや、Yuzyさんご指摘のポイントは絶対に今回のオカルト現象解明の鍵だと確信しています。ヒントを頂いて感謝こそすれ、悪化だなんて、とんでもございません。どうもありがとうございました!
そう言っていただけてほっとしました(笑)
なんとなく、今回の現象はパスの問題とキャッシュの問題が絡み合っているのかなぁと想像します。パスを直したフィルタを使おうとしても直っていないキャッシュ優先で使っている、あるいはその逆とか。
なので、キャッシュをクリーンにした環境にパスを変更したフィルタを入れればすんなり動くのかもしれません。
推測の域を出ないところが非常に気持ち悪いですが(笑)
はい、問題は「キャッシュかも?」と思い、その後、マシンを再起動して同じ実験をしたりしているんですが、今のところ、違いがありません。システム(あるいはアプリケーション)のキャッシュって、再起動しただけじゃクリアされないんですかね??なにはともあれ、もう少し実験を続けます!押忍!
ちなみにうちの環境だとmotionで保存しなおしてもオリジナルは駄目なままですね。別名でコピーした方は使えそうです。
たぶん、コピーしたものとオリジナルとを同居させた状態で、しばらく放っておくと(その状態でFCP-Xを終了したり再起動したりしていると)、オリジナルも使えるようになりますよ(笑)。なぜか?はわかりません。
なんかオカルトな話ですよねぇ。。。
FinalcutXの情報を求めてたどり着きました。
うちも元々入っている「オブジェクト」の「葉」が駄目でmotionで保存し直したら正常に動くようになりました。とても助かります。
FCPXの気分次第なのかジェネレーター系もいい時と悪いときがあるようでブルーが出ると落ちやすくなります。
環境はiMac corei7、メモリ8Gでやっています。
あと、うちの環境特有なのかわからないのですが、5DのH.264ファイルをイベントブラウザ上で【クリップを同期】を掛けると29.97pの素材がどうやっても23.98pの同期クリップに変換されてしまう現象に悩まされてます。
みなさまはいかがでしょう?
飛来軒さん、こんにちは。やっぱり「青」、出ますか!? わぁ、なんか「ひょっとしてウチだけだったら、どうしよう?」と心配だったので、ちょっと安心しました(笑)。うちの環境特有の問題だったら、こうして情報ページ作っても全く意味ないですもんね。そうですか良かった良かった(って良くないんだけど)。
で、質問に質問を返すのも失礼な話なんですが、飛来軒さんはなぜ 30p(29.97fps)で撮影されてるんですか? というのは、わざわざ無理して(?)一眼で動画撮る人なんて、自分を含めてフィルムっぽさ(映画っぽさ?)を求めてのことだから、24pで撮るよなぁって勝手に思ってたんですが。
あ、そういうわけで、いつも24pで撮っているもので、残念ながら「クリップ同期」の問題はうちでは検証できないんです。ごめんなさい。他のどなたかからの情報を待ちましょう!>どなたか〜!
ちなみに「NoBrand Feel~永遠の楽園~」も、30pなんですか? なんか見かけ的に 24pに見えるんですが(ふしあな?(爆))いやしかし、いい色ですねぇ。今の季節にピッタリの曲!暑そうで気持ち良さそうで、気に入りました!