Final Cut Pro X 登場! …なのだけど。

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NABが開幕してからというもの、購読している海の向こうのHDSLR系ブログやサイトから流れてくるニュースの量がスゴイことになっています。中でもFreshDVは、3〜4人のレポーターが会場内を歩き回っては動画ニュースを撮影/公開し続けていて、日がな一日ここのニュースを追いかけているだけで実際にNABに行ったかのような錯覚を感じることができます。
FreshDV:NAB 2011

そのFreshDVのビデオニュースでも採り上げられていたのが、満を持して発表されたAppleのFinal Cut Pro X。12日に開催されたFinal Cut Proユーザーグループのオフ会(?)で発表された現行Final Cut Pro 7.0の次バージョンは、8.0ではなく9.0でもなく、一気に一桁上がって X(テン)。その心は? バージョン1.0以来コツコツと続けてきた仕様拡張ではなく、白紙の状態から書き起こした新たなバージョンだから!なのだとか。


<Final Cut Pro X の新機能(太字はボクが個人的に感心した機能)>

・ SD解像度から4Kまでの素材が混在可能な編集エンジン
・ 64-bit ネイティブになり使用可能メモリが実質無限に
・ Mac OSのGrand Central Dispatch機能を活用しマルチコアでの処理が可能に
・ H.264、AVCHDを含むすべての素材がトランスコーディング不要に
すべてのタスクがバックグラウンド処理されることでプログレスバーが消滅
・ ColorSyncに基づいたカラーマネージメント機能を搭載
・ メディアの読み込みもバックグラウンド処理される
・ 読み込み途中に編集開始すると読み込み完了時に自動的に差し換えてくれる
・ ログ&トランスファーが実質的に消滅
・ メディアは読み込み時に自動的に手ぶれ補正/ローリングシャッター補正される
・ 同じく音声も読み込み時にクリックノイズやヒスノイズの補正が自動的に行われる
・ ホワイトバランス等の基本的なカラーコレクションもバックグラウンドで自動実行
・ ショットの種類(ロングショット、クローズアップ等)と人物認識機能の搭載
テイク中の任意の部分を選択してタグ付け及びスマートフォルダでの仕分けが可能
・ “マグネティック・タイムライン” により必要に応じ自動的に増減するトラック
・ なにをやってもクリップ間の関係が崩れない完璧なる非破壊編集の実現
・ カットの間をダブルクリックすると現れる “インライン・プレシジョン・エディタ−”
レンダリングは常にバックグラウンド処理されるためレンダリングコマンドが消滅
・ オーディション機能により、クリック一発で異なるエンディング等の編集が可能
クリック一つで別のショットとカラーマッチングが完了
Colorのプライマリー/セカンダリー補正と同等のカラーコレクション機能の実装
・ より直感的なタイムライン上でのキーフレーム設定
・ ネスティング機能の進化形である “コンパウンド・クリップ” 機能の実装
・ マウスカーソルの “スマート化” によるツールパレットの消滅
・ Soundtrack Proから移植された強力な音声編集機能の実装
・ 音声をスクラブすると自動的にピッチ調整
デュアル方式で録音された外部音源とカメラマイク音声との半自動同期機能
・ タイムライン上の波形をドラッグすることで音声編集が可能

これだけ強力で強烈な新機能を搭載して、オマケに iMovie の親玉みたいな?機能までてんこ盛りして、お値段たったの$299ポッキリだよ!6月9日からApp Storeでダウンロード販売開始するよ!

…って、ちょっと待った。今までFinal Cut Studioに同梱されていた ColorやMotion、Soundtrack ProやDVD Studio Proなどのいわゆる “Proアプリ” たちはどこに行っちゃったの? それに、そこまで根本的に書き直しちゃって、今まで便利にお世話になってきたサードパーティ製プラグイン類はどうなるわけ? まさか「使えません」だなんてことになったりしないよねぇ…?(汗)

きっとこれから何らかのアナウンスがあるのだろうけれど、とりあえず一昨日の時点ではこの辺りの説明は一切なし。iLife や iWork がバラ売りになったみたいに、Studio アプリもそれぞれ単体の “アラカルト販売” になっちまうんでしょうか? だとしたら、Final Cut Pro X の$299って特別安くもないような気が(いや Premier が単体で¥79,800だから、やっぱ安いのか?)。

う〜ん。過日 Premire に乗り換えなかったことを後悔してはいないけれど、今回の発表を見ても手放しで安心できるわけではない、というはなはだ微妙な心持ちですな。特にこの、大量の「自動的に○○する機能」の搭載はどうなんでしょうねぇ? 個人的にはたとえ Apple とはいえ、パソコンの自動機能ってどうもイマイチ信用ならないんですが。

…などと思っていたら、およ?今度は Avid が 「Final Cut Proユーザー向けスペシャルオファー」などという不埒なキャンペーンをやってるじゃないですか。なになに?今なら Media Composer が通常価格の60%引きで¥91,350? ほぉ〜これは安いですねぇ…

なにはともあれ上の一覧だけではなんのことやら?よくわからないって人は、こちらのビデオを見てください。これはフランス人の machineurs さんという方が、約1時間の Final Cut Pro X プレゼンの後半、機能紹介の部分だけをダダ漏れならぬ、ダダ撮りした映像です。26分もあって英語音声のみですけど、新機能を紹介しているだけなので見ていればわかります。…というか、ほうぼうで色々なビデオが出回ってますけど、これが一番わかりやすかったです。

video courtesy of monsieur machineurs

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