最近、気になった短信x5題(その弐)

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相変わらずバタバタが止まりません。ちっとも更新できず、大丈夫ですか?などと安否を気遣うお便りまで頂いてしまう始末。でも、まだ暫くはきちんとした更新ができそうもありません。なので、前回に続いて短信(という名の長い記事)にて失礼します。

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❶ Cinema EOSの4Kイベントに行って来ました

これは本日(あ、もう昨日か)の話なのですが、Canonさん主催「Canon 4K Experience」という Cinema EOS4Kカメラの展示会に行って参りました。会場となったのは東京・六本木ヒルズのTOHOシネマズ。え?なんで映画館で? というと、ココのデジタル4Kシアターで、Cinema EOS 1D C、及び C500で撮影された4Kのサンプル映画が見られますよ!という寸法なのでした。

上映された作品は二つ。良い意味で TVドラマ的な、EOS 1D Cの4Kシネマ、「The Ticket(監督:Po Chan女史/撮影:Shane Hurlbat氏)」と、EOS 500の4K 60fpsをふんだんに活用した「Man and Beast(監督:Dante Ariola氏/撮影:Jeff Cronenweth氏)」。
どちらも、しばらく前からすでにネット上で公開されていたので、もうご覧になった方も多いかも知れません。かくいうボクも「The Ticket」はすでに見ており、不遜にも「ふ〜ん?」などと思っておりました。

でも、やっぱり PCモニタで見るのと4Kシアターで鑑賞するのは、次元の違う体験なんですね(笑)。正直、あまりに美しくてブッ飛びました。特に初見だった「Man and Beast」は、ストーリー、演出、作画、三拍子揃って素晴らしく、本当にヤバかったです。
…ていうか、これを撮った Jeff Cronenweth氏って、「Fight Club」以降のデビッド・フィンチャー組の DPさん(「ソーシャルネットワーク」「ドラゴンタトゥーの女」でアカデミー賞ノミネート)ではありませんか。さすがっ!

PCモニタで見るのは… と云ったばかりですが、まだ見ていない方は、それぞれのメイキングも併せて、是非ぜひご覧になってみてください。すんげぇ完成度です。
Canon USA : Media Gallery



どちらも字幕が出ませんが、「The Ticket(上写真)」は見ればすぐにストーリーがわかります(そこが良い意味で万人向け、TV的)。

「Man and Beast(下写真)」の方は、幼い頃、重度の吃音に苦しんだ動物学者、Alan Rabinowitz博士の半生を綴ったノンフィクション。ナレーションのセリフが多く、英語が聞き取れないとストーリーが見えないかも?なので、要約を書いておきますね。



ある日、お父さんに動物園に連れていってもらった Alan少年は、檻の中に佇むジャガーを見て思います。どうして彼らはこんな檻に入れられてるんだろう? 物思いに沈む息子を見て父が「どうした?」と尋ねますが、少年の口からは声が出ません。そんな、相手が人間だとどもってしまって発声できない Alanは、しかし動物が相手なら自分の夢や希望をつぶやき、話しかけることができるのでした。Alanはクロゼットの中で飼っている動物たち=小さな友人たちに約束します。

「いつか自由に話せるようになったら、僕は君たちのような “声なき者(=動物)” の代弁者になるよ」

決して息子の治療を諦めなかった両親のおかげで、成長した Alanはどうにか吃音を克服し、科学の道を志します。やがて生物学、動物学を修めたAlanは、あとを絶たない密猟、密輸により絶滅の危機に瀕した動物たち、特にネコ科の野生動物を保護するための仕事に就き、中米のジャングルにフィールドワークに出かけます。足跡をもとに、担当の地域に生息するジャガーたちの生態と消息を記録する Alan。

ある日、今まで見たこともない大きな雄のジャガーの足あとを見つけた Alanは、思わず密林に分け入り、時を忘れてしまいます。日が暮れ始め、これはまずいと引き換えそうとしたまさにその時、手を伸ばせば届きそうな至近距離に一頭のジャガーが現れました。幼い頃の動物園以来、目と鼻の先のジャガーと対峙する Alan。彼はゆっくりと腰を落とし、ジャガーに話しかけます。「いつかの約束を果たしに来た。もう大丈夫だよ…」
ジャガーは博士をじっと見つめ、そして…

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❷ EOS C300メニュー・シミュレーター

Cinema EOSの話題が続きますが、Canon USAの Digital Learning Centerサイトに、「EOS C300 Menu Simulator」という、ちょっと面白いコンテンツが登場しました。その名の通り、PCやタブレット端末上で C300の実機と同じメニュー及びカスタム・ピクチャー機能を試すことができるシミュレーターです。



主に撮影部の助手さんたちをターゲットにしたアプリケーション・ソフトなのでしょうか?特に iPadなどのタブレット端末で使うと、タッチ操作でメニュー階層を辿りながら、なんの機能がどこにあるかを覚えることができますよ!と、書かれています。お試しあれ。
Canon USA Digital Learning Center : EOS C300 Menu Simulator

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❸ ウルトラ HD TV(4K、8K)の規格が策定されたそうです

今夏のロンドン・オリンピック開幕を控え、10年に及ぶリサーチと研究を経て、ITU(International Telecommunications Union:国際電気通信連合)が、遂にウルトラ HD TV(UHDTV)の規格を策定しました。これは EBU(European Broadcasting Union:欧州放送連合)によるカラーTV規格の策定以来の “画期的な出来事である” と報じられています。
negative spaces : ITU sets standards for Ultra HD

策定されたのは UHDTV 4K及び 8Kで、それぞれ ITU-R Rec.709規格である現行のフルHD解像度(1920x1080|200万画素)を、4倍(3840x2160 px|800万画素)と 16倍(7680x4320 px|3200万画素)した画素数をプログレッシブ信号で表示する規格となっています。また、フレームレートは、24p、50p、60pに加え、新たに 120pが追加されました。



今回策定された最高画質規格である8K@120pフォーマットの信号を伝送するのに必要とされる帯域幅は、現行 720p、あるいは 1080i信号の実に320倍(!)に達する見通しで、EBUによれば、この最高解像度が実用化されるのは10年ほど先になるだろう、とのこと。

…YouTubeや幾つかのカメラですでに動いている独自4K(4096x3072|1260万画素)は、どうなるんでしょうね?(笑)

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❹ ARRIが DSLR及びラージセンサー・カメラ向けリグ市場に参入

これは4月に NABで発表されていたのに、うっかり今までお知らせするのを忘れていたニュースです(爆)。
ARRIといえば、言わずと知れた Alexaのような自社開発のカメラや各種シネマレンズは言うに及ばず、フォローフォーカスやマットボックスなどの撮影装置においても精密かつ高品質な “原型” とでも言うべきリグ類でつとに有名ですが、ついに一眼レフ・カメラを含む小型カメラ向けのリグ市場に本格参入です。
ARRI : Pro Camera Accessories

「Ready to Shoot Kit」と題されたページに行くと、すでに EOS C300、Panasonic AF-100、RED Epic/Scarlet、Sony F3らに加え、各社一眼レフ・カメラ向けのカスタム・セットが用意されており、一見してシンプルで使い勝手の良さそうなリグがごろごろと用意されています。特に、まだページには掲載されていませんが、NABで発表されていた、左サイドだけの片持ちにもなるケージは、ちょっと欲すぃ〜!かも。
ARRI : DSLR Cameras

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❺ RED、激昂の理由が判明(たぶん)

5月始めに記事にした「RED、今度は Zacutoに宣戦布告!」にて、我らが Jannard総帥がまたご乱心!というニュースをお伝えしましたが、どうやらその理由… なにが総帥の逆鱗に触れたのか!?という核心が判明したかも?です。

もうすぐ、あと二週間ほどで公開されるはずの Zacuto Great Camera Shootout 2012。今回、俎上に上がったカメラたちは、ARRI Alexa、SONY F65、F3、FS-100、RED Epic、EOS C300、7D、それに 130MbitイントラパッチでハックしたPanasonic GH2と、iPhone(笑)。
そして Zacutoさんが行ったのは、なんと!ブラインドテストだったのだそうです。

…と書いたら、もうおわかりでしょうか(笑)。(^_^;)

どのカメラで撮影されたデータかわからない状態で、テスト結果を検分した業界重鎮の皆さんが付けた格付けは、どうやら Alexaと F65が1位、2位を争い、そしてあろうことか、3位がハック済み GH2という結果だったようで…(笑)。
WET PIXEL : Zacuto 2012 Video Camera Shootout., My personal impressions

ま、上の記事に書かれているのは、本国アメリカでの評価ではなくって、同作品のスクリーニングが行われたオーストラリア会場での評価なのですが、それでも Epic、C300、F3、FS100はどれも “似たりよったりで大したことなかった” とか、Technicolor CineStyle入り 7Dは “iPhoneと同率で最下位” なんていう評価を読むと、思わず「マジか!?」と問いたくなります。

そして、さすがにボディ単体6万円で買えるカメラ以下で、大したことねぇーよ!などと言われたら、それは Jannard総帥でなくとも激怒するかなぁ、やぱし。 …と、納得したのでした。(^_^;)

8 Comments

  1. stoneriver71
    Posted 2012/05/26 at 11:24 | Permalink

    raitankさん初めまして!
    と、挨拶はこれくらいにしてw
    ホントにGH2バケモノですね~‼
    今年からGH2道に入ったのですが
    こんな記事を見ると買って良かった
    と、自己満足の世界に浸ってます 爆

    お忙しいとは思いますが、更新楽しみに
    してまーす!

    • Posted 2012/05/27 at 08:10 | Permalink

      stoneriver71さん、ありがとうございます。(^_^)v こんなスッパ抜きの記事が出てしまいましたが、果たして Zacutoさんが最終の Web公開版「Great Camera Shootout」をどういう風にまとめてくるか?も、見ものですね〜〜(笑)。

  2. akira
    Posted 2012/05/25 at 18:51 | Permalink

    是非、4Kシアターで見てみたかったです!

    • Posted 2012/05/29 at 06:57 | Permalink

      そうですよね。あまり深く考えないで出かけたんですけど、4Kシアターで見る機会なんて、ふつうありませんよね? なんだかラッキーだった気がしてきました(笑)。

  3. Neg
    Posted 2012/05/23 at 12:32 | Permalink

    カメラテストの一件ですがそうですか、AlexaとF65が競い合うことに・・・。
    さすがArriとソニーと云ったところでしょうか。しかしそれにハックで追随するGH2というのもなかなか凄いですね。X5を買った身としては素直に喜べませんが・・・。
    画質を決めるのは解像度ではない、ということですね。そういう意味ではAlexaの凄さが分かります。(F65とAlexaということは4Kと2Kの比較だったということですよね?)
    4KのAlexaとか発売されたらどんなことになるんでしょう。それはそれで興味があります。

    • Posted 2012/05/23 at 17:33 | Permalink

      正確には、『画質を決めるのは解像度 “だけ” ではない』ということですねぇ。…っていうか、ハックGH2、化け物過ぎっ!(笑) (^_^;)

    • Neg
      Posted 2012/05/29 at 17:05 | Permalink

      民生機で100Mbpsって化け物ですよねw
      現在大学で動画を扱う機会が増えてるんですが、ビットレートの設定に腐心してます(と言っても大学ではSD画質のほうが使用する機会が多いのですが)。
      そういえばF65の前身のF35ってFHD画質でビットレート880Mbpsだったんですね・・・。先日そのカメラで撮影された映画をFHDのWOWOWで見たんですがその綺麗さに驚きました・・・。ビットレートの重要性を肌で感じた(もとい、目で)次第です。

    • Posted 2012/05/30 at 05:47 | Permalink

      えー?大学では SD解像度がメインなんですか。それもなんかアナクロな感じですね。せめて 720pくらいが「普通」な気がしますけど。

      > 先日そのカメラで撮影された映画をFHDのWOWOWで見た
      あ〜、ボクも昔、岩井俊二監督が F35で撮ったチョコのCF(キットカットだったかな?)を見て感動しました。ビデオカメラでこんな絵が撮れんの〜!?って。やっぱ色深度が高い低圧縮(あるいは非圧縮)なデータ、ってところがミソなんでしょうね。

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