GW以降、バタバタしておりまして、記事を作る時間が全くとれません(汗)。「おぉ!」と思って用意していたネタが幾つもあるのですが、このままでは時機を失して没になること必至。もったいない…。ということで、短信形式でまとめて5つ、ご紹介。
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❶ 5D MarkIIと 7D:映画「Avengers」の撮影に使用される
この4日から全米で公開が開始された Marvel Comics今夏の超大作にして、キャプテン・アメリカからマイティ・ソー、アイアンマンから超人ハルクまで、“反則!” とも言える歴代スーパーヒーロー総出で(だけど、DC Comics系のスーパーマンやバットマンは不在で)地球を守る一大 “満艦飾” 映画「アベンジャーズ」。
http://www.youtube.com/watch?v=VHeO0AAidRM
オープニングの3日間だけで、なんと 2億740万ドル!という歴代ダントツNo.1の興行収入を記録して、現在、話題沸騰中のこの映画、実はアクション・シーンの撮影には 5台の 5D MarkIIと2台の 7Dが使われていたのだそうです(へぇ〜!)。
▶ 映画.com:「アベンジャーズ」2億ドルの歴代新記録で首位デビュー
▶ EOSHD : Canon 5D Mark II and 7D used to shoot action sequences on The Avengers
主に大がかりなスタントシーンで、アクションの現場を至近距離から撮影する際に使用されたということで、やはりどこにでも設置できる小ささと、破格の安さ(壊れても痛くも痒くもない!)が採用の理由なんでしょうね。
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❷ Triggertrap Mobile App
英・Triggertrap社が開発した Triggertrap Mobile Appは iOS上で稼働する一眼カメラ用のリモコン・アプリ。これに、専用のドングル(ハードウェア・キー)と各社カメラ用の専用ケーブルを組み合わせると、iOS端末上から撮影をコントロールすることができます。
対応する撮影モードは、定番の「タイムラプス(微速度撮影)」や 「HDR(ハイ・ダイナミックレンジ)撮影」に加え、iPhone、iPadに内蔵されたマイクや振動センサー、GPSを利用して、「音が鳴ったら撮影」「揺れたら撮影」「顔認識したら撮影」「移動したら撮影」「磁気を感じたら撮影」などの各モードを用意。
さらには、今までのリモコンでは実現不能だった
• 「Eased Timelapse」・・・撮影間隔を早めたり遅くしたり(Ease in / Ease out)自在にコントロールしながらの微速度撮影モード
• 「Distance-lapse」・・・設定距離を移動するごとにシャッターが切れるモード(車内にカメラを固定しておくと、一定速度で走行したかの如き風景が撮れる!)
など、スマートフォンならではの多彩なコントロールが可能となっています。
例えば 5D MarkIIなどと一緒に使う Canon純正のタイマーリモートコントローラー(TC-80N3)が実売¥13,000程度することを考えると、アプリ、ドングル、ケーブルがそれぞれ$9.99ということで、合計$29.97(約¥2,400)で一式揃う手軽さもちょっと魅力的かな〜?と。
ボクは個人的にあまり微速度撮影とかしないのでアレですが(笑)、もし、どなたか試された方がいたら、使用感など教えてくださいな♪
▶ Triggertrap
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❸ Adobe Premiere Pro CS6は CUDAに加え、Open CLもサポート
ビデオ編集環境を、基本、FinalCut Studio系で揃えてしまったボクは、先ごろ発売が開始された Adobe CS6シリーズには、正直、あまり積極的な興味が湧きません。ただ EOSHDさんによれば、新しい Premiere Pro CS6は、GPUアクセラレーション機能が拡張され、従来から利用可能だった CUDAエンジンに加え、新たに Open CLエンジンにも対応したとのこと。
▶ EOSHD : MacBook Pro editors rejoice – new Premiere Pro CS6 supports OpenCL for renderless timeline not just NVidia CUDA!
グラフィックカードに搭載された GPUに各種の計算を肩代わり(並列処理)させることで、CPUリソースを消費せずにコンピューティング・タスクを高速化する。
GPUアクセラレーションには NVIDIA社の「CUDA」や DirectXの「DirectCompute」など、各社の独自アーキテクチャがあります。ただし、のちに独自規格を嫌った Appleが中心となって、よりオープンな「Open CL」が提唱され、ATI社などはこちらを採用。ところが、NVIDIAは CUDAに Open CLを含めることで巻き返しに成功し… と、GPUアクセラレーションと言えば、常に NVIDIA=最先端のイメージがあります。
ただ、ずっと以前、NVIDIAカードに泣かされた経験があるボクは、一も二もなく ATI(Open CL)派。長らく使っている MacPro(2009)でも、標準だった NVIDIAの GeForceを ATIの Radeonに換装しています。
そういう理由から、昨年、満を持して登場した FCP-Xがダメな子であることが判明した際も、『GPUアクセラレーションなしはキツいし、かといってビデオカードを NVIDIAに換え直すのもヤだし…』と、Adobeに乗り換える気が起こりませんでした。今回のアップデートで、少なくともこの心理的障壁は取っ払われた格好です(笑)。近い将来、Adobeの Creative Cloudに申し込むことになる筈ですので、そうしたら、遂に Final Cut Proに別れを告げる日が来る… のかも?
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❹ NHKの単板式8Kスーパーハイビジョンカメラ
AV Watchさんにて、すご〜く地味に紹介されていましたが、NHKさんがスーパーハイビジョン(SHV)用の小型カメラヘッドを発表したそうです。画素数が約 3,300万画素(7,680x4,320)ということで、面積比にして現行フルHD解像度のなんと16倍の、いわゆる8Kカメラですね。
従来、RGB各色ごとに撮像素子が必要だったものを、新たにカラーフィルタを搭載して単板センサー化することでプリズムが不要となり、従来モデル比で体積 が 1/5、重量 4kgと、大幅な小型・軽量化を実現し、また放送用レンズの他に一眼用のレンズも装着できるそうです。
『限界解像度 3,400TV本以上!』などと書かれたスペックを読むと、やはり TV用なのだなぁ〜とは思うものの、とりあえず5K解像度で進化が止まっている REDよりも早く8K画質を実用化しちゃったワケで、もっと積極的に海外にもリリースを流せばいいのにな〜?と(5月11日現在、海外メディアはどこも採りあげてないようです…)。
▶ AV Watch : NHK、単板式のスーパーハイビジョンカメラを開発 -重量は従来比1/5以下の4kgに。技研公開で展示
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❺ LEICA M MONOCHROM
最後は映像とは関係ないんですが、昨日、LEICAから発表されたモノクロ写真しか撮れないカメラのお話。
…フィルムカメラでは、中に入れるフィルムの種類によって、白黒かカラーか?ネガかポジか?の使い分けができたワケですが、デジタルカメラの時代になってからは、まずネガという概念がなくなりました。そして、色に関してはフィルターで分光した RGBカラーのイメージが基本。白黒のイメージが欲しければ、後処理で色を抜く。
…はずが、この LEICA Mには、カラーフィルターなしの 35mmフルサイズ・センサー(23.9x35.8mm、5212x3468画素、1800万画素)が搭載されています。もともとセンサーが感じる光の情報はモノクロですから、余計な分光フィルターを通さないぶん、このMで撮れる写真はキレが良い!ということのようですが、果たして本体のみ$6,678(約¥540,000)という大枚をはたいて、わざわざ “白黒イメージしか撮れない” カメラを買う人が一体どれくらいいるのか?興味津々です。
▶ Film and Digital Times : LEICA M MONOCHROM
ちょうど先日、モノクロ映像しか撮れない A-Cam dII Panchromaticをご紹介したところで登場したモノクロ専用のスチルカメラということで、『ひょっとして、そういうトレンド、吹いてるの?』と、目についたのでした。
…などとツラツラ書いてきたら、なんのことはない、公開するまでに4時間もかかっちゃって(泣)。ちっとも「短信」じゃないやん。う〜ん。 >自分
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10 Comments
avengersのメインカメラはALEXAみたいですね、それでレンズがパナビジョンのアナモのプリモ&ズームという面白い組み合わせ?
http://goo.gl/CNevd
パナビジョンはもうレンズだけに専念するんでしょうか、それにしてもやっぱり4:3フォーマットはいいなぁ、eos一眼にも是非とも1940×1440を・・・とは言わず1920x1920pixの正方形で縦にも横にも使えるカメラとかで。話によるとセンサーを縦使いにすると動体歪み(こんにゃく)も縦に歪むので横パーンや速いスピードで車が横切っても症状が出ないそうです、というか実際にカメラを縦にして振ったら出なかった(笑
あ”、勘違い avengersはノーマルのプリモ&ズームでした(笑
最近のものではジョン・カーターやバトルシップがパナビのアナモですね
おぉ〜、メインは Alexa+Panavisionなんですか〜。自分が扱っている EOSのデータを考えるとにわかには信じがたいですが(笑)、そんなとこに混ぜても使えるんですね EOSったら。やっぱポスプロの技術が偉大なんでしょうか?それにしても、Avengersの快進撃は留まるところを知らないようで。米ではオープニングからすでに3週連続でトップ興収を叩き出してます。早く見たいですな。
正方形センサー、大賛成。これに好みの変倍率のアナモレンズを付けて、作品によって横方向の長さを決めるシステムにしてくれたらなぁ… しかし。実際に縦にして振ってみたんですね?(笑)
raitankさん、いつも楽しく記事を読ませて頂いてます。
本記事とは関係ないんですが、raitankさんが記事中でキャプチャ画像などを用いて説明する際
強調したい箇所をハイライトさせているのを見かけます。↓こちらの画像のように
http://www.raitank.jp/wp-content/uploads/2012/03/customfirm_icon1-585×308.jpg
視覚的に見やすいなぁといつも感心しているんですが、これはPhotoshopで加工しているんでしょうか?
SmdFxさん、はじめまして。(^_^)v お誉めの言葉、ありがとうございます。Photoshopは Ver.1.0E から使ってる、超年季の入ったユーザーでして(笑)。キャプチャ画像に限らず、すべての画像は Photoshopで作成、あるいは補正/調整しております(← もうかれこれ20年、写真の加工や合成がメインのグラフィックデザイナーが本職でして…)。
raitankさん、返信ありがとうございます!
やはりそうなんですね。そういったデザインのエッセンスが随所に感じられます!
あと続けざまに質問で申し訳ないのですが・・
以前raitankさんのフォーラムで「カメラの色空間はAdobe RGBを使う」というコメントを見た記憶がありまして
sRGBではなくAdobe RGBを使うというのは、raitankさんのようにグラフィックのプロの方の間では一般的なんでしょうか?
SmdFxさん、どうも! そうですねぇ、撮影時には “必ず” Adobe RGB色空間で撮影します。たぶん、他のデザイン−の皆さんや写真家の方々も同じではないかと思うのですが…。
sRGB色空間はあくまで TVや Webなどの「表示デバイス用」という認識で、撮影時にはなるべく広い色域を確保するために Adobe RGBを使い、同色域に対応した編集ソフト(Photoshop、Lightroom、Apertureほか)で編集/加工/調整/補正し、一番最後のステップ、つまり TVや Web用データの書き出し時に “sRGBデータに変換して出力する” というのが一般的なワークフローではないでしょうか。
なるほど・・、勉強になります。
動画を扱う上でそういったグラフィックの知識も重要だなぁと痛感してます。
丁寧に教えて頂きありがとうございました!
>英・Triggertrap社が開発した Triggertrap Mobile App
ナイスな情報ありがとう御座います。m(_ _)m
7D用のケーブルは(5/22)みたいですし、ほとぼりが冷めた来月ころwに GH2用の
ケーブルと合わせて買ってみますね。<人柱体質??
ヘッドフォンコネクタから音?でやり取りするみたいなので、Bluetoothレシーバ
と併用できればワイヤレス化も出来ちゃったりして!?。
おぉ、syoushowさんが行ってくださいますか。それは是非ぜひ、レポートをお聞かせくださいませ。(^_^)v
で、そうなんですよね。写真を見ると、なぜかヘッドフォン・ジャックにケーブルを繋いでます。昔のアナログ・モデムみたく、「ぴぴぴーがらがらがら」とか音が出てハンドシェイクしたりするんでしょうか?(笑) その辺りもぜひ教えてください!