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さよならGY-HM100
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話が少々前後しますが、2010年3月10日に「クロマキー撮影」を無事終えたところで、ボクは「GY-HM100+LetusMini」のセットから “ひとつ上” に行くことを決めました。GY-HM100は、2009年の7月末に購入して以来7ヵ月のあいだ色々な撮影を一緒にこなしてきた相棒でしたが、すでに「限界」が目につき始めていました。
いえ、とりあえず自分の “腕” を棚上げしての話なのは百も承知ですが、ボクは弘法大師様ではないので筆を選ばないと駄目なんだよな、と(詭弁)。ホントは、しごく単純に「さらに上の絵を見てみたい、撮ってみたい」という、どん欲な好奇心がムクムクと鎌首をもたげてきただけなんですが。
GY-HM100はとても素晴らしいカメラですが、なにしろ “暗さに弱い” のが致命的。もともと撮像素子が1/4型などという豆粒のように小さいCCDですから、暗さに強いわけがなく、さらにボクの場合は付けた途端に減光するDoFアダプターまで付けているんですから始末に負えません。
いまわの際に「もっと光を!」と云ったのはゲーテでしたが、GY-HM100での撮影中、何度この言葉を噛みしめたことでしょう。公称減光 -1/2ストップを謳う LetusMini ですが、体感上は2ストップくらい落ちているように感じます。なにしろF1.4のニッコールレンズでも、午後の陽が高い時間を過ぎた途端にゲイン(感度)を上げないと撮影が続行できません。そして、ボクはゲインアップで生じるビデオノイズが大嫌いなのです(フィルムの増感による粒子ノイズは大歓迎なんですが…)。
また、当初「ワンマンユニットの機材は絶対に軽量でなければ!」と、基本、カメラひとつでどうにかする事ばかり考えていたボクでしたが、プロが使う機材には “それぞれちゃんと理由がある” ことも学びました。
ひとつは “ハレーションとフレア” の問題。レンズが光源の方向を向いている時に入ってくる望ましくない光が、レンズ内に迷光(散乱光)を発生させます。すると、写真や映像のコントラストが極端に落ちて、絵がおかしなことになります。今まではこのフレアを抑えるために、都度、紙などを使って俗に云う “ハレ切り” して、しのいできました。
また光の表面反射の問題もあなどれません。ボクが定期的に撮影しているものの中に、“山の中にある私塾での児童たちの活動” があるのですが、のどかな自然の中での撮影時、風景が白ちゃけて写る(コントラストと彩度がおかしくなる)ことがままありました。なんだこれぇ?と思っていたのですが、これは空気中の水蒸気が反射して起こる表面反射という現象なのだそうで。こいつを抑えるためには偏光フィルター(PLフィルター)というものをレンズに装着しなくてはなりません。
然るに、このハレ切りとPLフィルター装着を同時に、簡単に実現できるのが、「マットボックス」なのですね。よく映画撮影などでムービーカメラのレンズの前にくっついている、大きな羽のついたこういうヤツです(米・Redrock Micro社製MicroMattebox)。
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これに4×4インチの角形CPLフィルター(円偏光フィルター|独・Schneider社製)を内蔵すると、迷光が回り込むのを抑制できると同時に、風景のコントラストも蘇らせることができるというワケですね。
で、マットボックスを装着すると、今まで普通にマニュアルカメラのような按配で操作できていたレンズのフォーカスリングに指が届かなくなります。そこで今度は、このようなフォローフォーカス(英・shoot35社のCineFocus)という道具が必要になってきます。
↓
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こうやって、どんどん機材が大袈裟になっていくんですねぇ…(と他人事のように)。
さて。新兵器を導入しましたが、肝心のカメラ本体の “次” はどうしたものか?
…と思っていたら、ちょうど上手い具合に(?)以前、一度、GY-HM100+Letus Miniのセットを貸し出したことがあるビデオ制作会社にいる友人が、ボクのDoFセットを買い取ってくれると云うではありませんか。こういう状況を “渡りに舟” と云うのでしょうね(笑)。かくして、ボクの最初のDoFセットはドナドナされていったのでした。
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