もういちいち揺れたからとTVをつけもしませんが、東京でも未だに毎日余震が続いていますね。阪神大震災の時もヒドかったけれど、今回はまた輪をかけて心身にこたえました。昨秋撮影で訪れた時にB級グルメの名物「油麩」が気に入った宮城県登米市も、全壊/半壊家屋が240棟以上だとか。そして、あの絶望的な津波。本当になんともはや…(泣)。
被害に遭われた皆様、今なお現場で闘っている皆様に、心からお見舞い申し上げます。
地震、津波による甚大なる被害に続き、先週はずっと原発から目が離せない一週間。なにかスッキリしない東電と政府の発表に日夜やきもきしつつ、なによりあれだけ「安心安心」と連呼しておきながら、やっぱり原子力はアブナイんじゃん!と腹を立てたりしていました。
…ところが、その後、こんな情報を発見してしまい、現在は怒りの矛先をどこに向けたら良いものやら、たいへん困惑しています。
▶ ゆらゆら三乗:50Hz
また、1971年に設営された第一世代の原子炉である福島第一原発以降、数々の安全基準へ対応しながら進化してきた、現行・第三世代の原発なら、たとえテロリストが飛行機で突っ込んでもビクともしない構造になっている、という情報もあり。
▶ Gizmodo Japan:災害にビクともしない原発は可能?
実際問題、今回の大震災でも、福島第一原発より東北電力の女川原発のほうがずっと震源に近く、また津波も高く激しかったそうですが、“第2世代” の女川原発のほうは地震発生後に普通に冷温停止していたりします。
▶ OK Wave:女川原子力発電所の状況は?
こうなると、やはり一番マズかったのは過去50年間 “中途半端に原発を推進” してきた日本国政府ということになりますが、その張本人たる自民党は、なんとも無責任な!というかナンというか、今回の震災発生を受けて今さら『原子力政策を推進していくことはなかなか難しい状況になっている』とか言い出しているようで。
▶ asahi.com:「原子力推進、難しい状況」 谷垣氏、政策転換を示唆
やっぱ、この人たちに国を任せちゃイケナイんだねぇ…。
と、柄でもない政(まつりごと)の話はこれくらいにして。
東日本大震災は、大地震+津波+原発事故と史上最大規模の複合災害だったこともあり、世界中の注目を集めています。ボクが出入りしている幾つかのHDSLR関係サイトでも、発生後すぐに義援金支援の動きが起こって感激したり…(泣)。
また、中にはメーカーから製品を集めて募金協力者にプレゼントするキャンペーンまで開催してくれた、Philip Bloom先生のようなエライ人も(泣)。
▶ Philip Bloom:Please help the Japan earthquake fund…awesome fundraising draw prizes. Yet more prizes added!
そんな中、英・ガーディアン誌の特派員として被災地を訪れ、現地の状況をいち早く撮影した映像ジャーナリスト・Dan Chung氏の “作品” が、ちょっとした論争を巻き起こしています。
Vimeoへのアップ後、現在までに8万回以上視聴されているこの映像は、一見してわかる通り、5D MkIIによるDoF表現を多用し、スライダーでカメラを滑らせ、さらには悲壮感漂うBGMを流しています。こうした演出に対するバッシングに近い非難コメントと、Dan氏を擁護するコメントが相次いで寄せられているのです。
今、現場での撮影が許されているのは映像作家ではなく報道カメラマンのはずだ。
災害は依然、現在進行形。まだドキュメンタリーを作る時期じゃない。
“報道” してくれるのは大歓迎だが、 “作品” を発表するのは勘弁してくれ。
やり過ぎを非難するとこうしたコメントに対して、Dan氏は沈黙を守っています。
ただ、実際にこの映像を使って配信されたガーディアン誌のニュースでは、ピアノのBGMもないし、特段目立ったところはないんですがねぇ。
▶ guardian.co.uk:Miyagi tsunami aftermath: ‘We lost everything in a split second’ – video
問題の核心はズバリ!ピアノのBGM… なんでしょうな、やっぱり。
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3 Comments
はじめまして。いつも拝見させていただいております。
この記事はたいへん参考になりました。Inspireされ、以下で引用させていただきました。
http://sapporosouth.blog95.fc2.com/blog-entry-22.html
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
T.Yoshi さま、初めまして。ご連絡をいただき、ありがとうございました。ただ今、拝読させて頂きましたが、私がこの記事を書いた際に感じていた「違和感」の本質が見事に描き出されていて、思わず膝を打ちました。スーザン・ソンタグ女史の言葉、そしてジョージ・ロジャー氏の言葉、どちらも「そ、そうですよねぇ…」と共感度が高く、今回の震災時映像に対するバッシングに対して一切の反論をしなかったダン・チャン氏の思いを垣間見た気がしました。
素晴らしい分析をお知らせいただき、ありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございます。
とてもよい視点を提供していただきました。
チャン氏の思いは想像するしかありませんが、「どう感じるか、それは見る人に任せるよ」と言われているような気がいたします。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。