▶ Light Craft Workshop “Fader ND”
▶ Singh-Ray “Vari-ND”
これらのNDフィルターでは、二枚重ねになっているフィルターの片方を回すことで、減光量を1/2〜1/400まで可変調節できます(Light Craft Workshop製Fader NDの場合)。
うおっ!これは便利だ!と飛びつきそうになったところで、例によって「ちょっと待った!」。撮影時には当然のことながら、レンズを交換します。しかも、レンズはそれぞれフィルター径が違います。ということは、これもあの “ニコンFマウント → キヤノンEFマウント・アダプター” と同じように、レンズの本数分、買わないとイケナイのでしょうか?(泣) …ていうか、そもそも減光量可変式のNDフィルターって、どういう仕組みで可変減光できるワケ?
と、調べてみたところ、どうやら原理はかなり劇的に単純で、さよならGY-HM100の稿で書いた「円偏光フィルター(CPLフィルター)」を2枚重ねてあるだけらしいのです。
▶ Make Your Own Variable Neutral Density Filter
こちらのDavid氏は上の記事よりさらに詳細に分析・実践していて、彼の原理解説によると…
▶ Making a variable ND filter with circular polarizers
・自然光は直交する2つの方向(垂直と水平)にランダムに振動している。これに対して、どちらか一方にのみ振動している光を偏光という。偏光フィルターは、直交する垂直あるいは水平の光の成分のうち、片方の光を吸収することで、垂直か水平、どちらか一方向にのみ振動する光だけを通すフィルターである。
・2枚の偏光(PL)フィルターを重ね、それぞれに垂直方向と水平方向の光を吸収させれば、理論的に光を完全に遮断することができる。この状態で片方のフィルターを回転させると、直交からズレた角度分だけ光を通すことができる(これが減光可変NDの原理)。
ところでココに一つ問題が。最近のデジタル一眼はフォーカスや露出計測に使うセンサーの直前に偏光フィルターを用いているため、普通の偏光(PL)フィルターを2枚重ねて使うと、そのカメラ内部のフィルターと干渉して計測できなくなってしまうのだそうで。これを避けるために生まれたのが円偏光(CPL)フィルターとのことです。
・円偏光(CPL)フィルターは、普通の偏光(PL)ガラスのうしろに「1/4波偏光層(quarter wave retarder)」を設け、垂直か水平の一方向だけの光を通過させると同時に、その偏光を円形拡散光として送り出すことで、センサーの誤作動を防いでいる。
(中略)
・結論として、普通の偏光(PL)フィルターではなく円偏光(CPL)フィルターを2枚向かい合わせにして重ねれば、デジタルカメラの計測センサーと干渉しない可変式NDを簡単に作ることができる。ただし、かなり高品質なCPLフィルターを使わないと、黄色や青などの “色かぶり現象” が起こる。
なるほどなるほどなるほど。途中を端折りましたが、これで理屈がわかりました。こりゃ試してみない手はないでしょう!?(笑) …というわけで、早速すでに1枚持っているSchneiderの4x4角形CPLフィルターを追加でもう1枚購入しました(購入先はいつものB&Hです)。
実際に試してみた結果、SchneiderのCPLフィルター2枚重ねでは、「極限まで減光しようとすると、最大値少し手前で強烈な青の色かぶりが出る場合がある」ことがわかりました。が、現実問題、そこまで極端に減光する必要が生じることはまずありません。それを除けば、まったく問題なく可変NDフィルターとして機能しています。
実際、二つ前の稿に掲載した新宿中央公園でのテスト撮影では、全篇かなり陽の光の強い昼下がりに撮影しましたが、すべてのカットを「絞り開放(F2)」+「1/50秒のシャッター速度」で撮影できました。
13 Comments
raitankさん、すみません。
フィルターの表裏を反対にしてみたら可変されました。
ご迷惑をおかけしました。
いつもサイトを拝見させていただいています。
KENKO(ケンコー) カメラ用フィルター SQ 100mm角 サーキュラーPL(円偏光)
というフィルターを2枚購入し、raitankさんのように可変NDとして活用しようと考えていたのですが、フィルターを2枚重ねて、1枚を回転してもガラス面などの反射が変わるだけで、明るさは変化しませんでした。
何故なんでしょう?
アドバイスをお願いします。
Light Craft Workshop で”Fader ND”のセットを購入しました!
早くて安かった(スーパー円高で)です!!
ものも丁寧に梱包されていて3日で届きました。
始めて海外のECで購入しましたが、こんなにすんなり行くと思っていませんでした!
”国内と全く変わらないか、むしろ国内よりよい”といった感想です。。
とても助かりました!
そうでした!今はスーパー円高なんですよね。きっと僕が購入した時より、ずっと格安だったはずで、羨ましいです(笑)。
次はぜひ、ニューヨークの B&H もお試しください。ここも海外ブランド機材を中心に日本より遥かに安い上に、アメリカからなのにやはり3日か4日で商品が届くのでビックリですよ!
ちなみに1つ疑問に思ったのですが、こういう海外メーカーで
カメラなどの精密機器を購入した場合、保証ってどうなるかご存じですか?
例えばSONYのビデオカメラ(無論ALL英語版)を買ったとして、日本のSONYで
保証はきくものなのでしょうか??
機器によってはワールドワイドで保証がきくものもあるようですが、基本は「保証なし」だと思います。
他の「海外通販組」の皆さんがボクと同じかどうかはわかりませんが、ボクは今までメーカー保証ってまず使ったことがありません。機器を修理に出したことは何度もありますが、いつも保証期間終了後(笑)。なので、正直なはなし、メーカーの保証なんて、気にしたことがありません。…我ながら性格が大雑把すぎ?(笑)
ちなみに、送られてきた製品が初期不良の場合は、もちろん海外ディーラーでも対応してくれます。が、その場合、ある程度の英語力(と交渉力)が必要になる可能性はあります。
たいていのものが国内よりずっと安く買えてお得な海外通販ですが、このあたりが負わねばならない「リスク」でしょうかねぇ…。
むむ、確かにおっしゃるとおり。。
普通のプロシューマーショップで買ったもので、
保証の恩恵にあずかった事はないですわたしも…
ただ、数年前までは精密機材をあえて高くても、
ビックカメラで取り寄せて、ポイントで5年保証に入っていました。
これはものすごく恩恵にあずかりました。。
あ、でも、そんな数はなかったです…
なるほどやはり肝は英語力ですね。。
でも安いし対応いいし、海外通販はメリットだらけですね(円高時に限りますが)
勉強になります~
はじめまして。突然ですが、
1つご質問があります。
”Schneiderの4x4角形CPLフィルター”同等のものを探しているのですが、
Schneiderサイトでの見つけ方が分からす困っているのですが、
お使いの角形CLPフィルターの型番を教えて頂けないでしょうか?
どうぞよろしくお願いいたします。
私が購入したフィルターは、「Schneider 4X4 CIRC TRUE-POL」というモデルです。
▶ Schneider 4X4 CIRC TRUE-POL
定価が$300と書かれていますが、ニューヨークの B&Hでは一枚$240弱で販売されています!(…が、残念ながら今は在庫切れのようですね)
▶ Circular True-Polarizing Filter (4 x 4″)
これで大丈夫でしょうか??
早速ありがとうございました!
そして角形CPLがこんなにも高額なんだということを
はじめてしりました!勉強になります。
しかしながらどうしても角形CPL2枚を必用なので、
教えて頂いたURLから確認してみようと思います。
重ね重ねですが、ありがとうございました!
いえいえ、どういたしまして。そうですよね、角形フィルターは高額ですね。ちなみに、Schneiderではありませんが、Light Craft Workshopというメーカーからは、角形フィルターx2枚のセット製品が販売されており、単品2枚を買うよりは若干安くなっているようです。ご参考まで…
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▶ Fader ND Digi Pro-HD —-4×4 inch (4mm thick)[FNDDG-4×4]
おおお、すばらしいです!
セットな上にこちらの方が安い!!
raitankさんのように海外のサイトから購入したことがないので、
震えてますが、トライしてみようと思います!
非常に助かります!
Light Craft Workshop は、HDSLR界では世界的な定番である「Fader ND」を開発・販売している香港のメーカーで、ボクもこの2枚セットではありませんが今までに複数の製品を購入して使っています。品質も安定していますし、通販体制もワールドワイド対応でバッチリです。というか、日本国内の “やる気のない” 通販サイトで購入するよりも、ずっと迅速に商品が届きます(笑)。お勧めです。
というわけで、海外通販初トライ、頑張ってください。もし何か迷ったり困ったりした時はご相談に乗りますので、お気軽にご連絡ください!