先週、Philip Bloom 氏のサイトに衝撃的な記事が公開されました。そのタイトルは「Why I love the RED Epic and why I don’t have one anymore(ボクが RED Epicを愛した理由、そしてなぜ今では所有していないか)」。
▶ Philip Bloom | Why I love the RED Epic and why I don’t have one anymore
内容は、Bloom氏が RED EpicMを購入するに至った経緯と、そこから期せずして始まってしまった愛憎劇です。以下、写真なし文字のみ、若干ムカムカしながらのご紹介なので、イヤな気持ちになりたくない方は、読むのをやめといてください。< (_ _)>
まず、Bloom氏は今年の夏に EpicMを自腹を切って購入します。サードパーティ製の周辺機器を含め、8万ドル(およそ620万円)かかったそうです。氏曰く、文句ナシに今までで一番のカメラ!(一番高い!という意味でも)で、画質、機能、外観、解像度、そのすべてが気に入り、その後、さっそく幾つかの仕事に実戦投入!
ところが、現場で “技術的な問題” が起こって撮影不能になる事態が2回も発生し、修理のために RED社に返送する羽目に。この時点では、EpicM は扱い的にはまだ β機ではありました。
修理に際し、RED社は懇切丁寧に対処してくれ、代替機を貸し出してくれました。代替機は代替機で音声のトラブル等が生じたりもしましたが、幾つかのプロジェクトはこれで無事撮影。でも、Bloom氏の EpicMに起こったトラブルは、REDのラボで調べても原因不明のままだったそうです。ということは…
いつまた同じ症状で撮影が中断するかわかりません。
Bloom氏はプロとして、仕事で使うのはやめました。
と、ここで最初の問題が起こります。
REDUSER.net 上に集う “RED信者” たちの中から、そんなのオマエの責任だ!と言い出す輩が現れたのです。曰く、β機である EpicMで仕事すんならバックアップ含めて最低2台は用意しろ!と。内容は「ごもっとも」と言えば、ごもっともなんですが、Bloom氏曰く『すまん。でもオレそんなに金持ちじゃない。ていうか、今ココにある EpicMだって支払い終わるの来年だし』。
続いて Bloom氏は、11月3日の Canonのハリウッドイベント等も経て、それまでの自身の RED体験に基づいた1本の記事を公開しました。タイトルは「スカーレットを買うべきか、買わないべきか、それが問題だ」。
▶ Philip Bloom | To buy a Scarlet or not to buy, that is the question…
読んでみればわかりますが、これは決して REDをディスる内容ではなく、むしろ非常に公平かつニュートラルな Scarletというカメラについての解説記事であり、これから RED道に入ろうか?という人々にとって役に立つことはあっても、決して「REDなんてやめとこ!」という結論が導き出されるような批判ではありません。ましてや、Bloom氏ご本人は EpicMに続いてこの Scarletも先陣を切って購入予約していました。
ところが、これがまたもや、REDUSER.netに巣くう信者たちの不興を買います。いや不興を買ったなどという生やさしい表現では飽き足りません。公然と Bloom氏を蔑む内容の書き込みで祭り状態になり、しまいには「どうせ SONYから金もらって書いたに違いない!」というような根も葉もない侮蔑までが飛び出します。
事ここに至って、Bloom氏も黙殺していられなくなり、RED社の “かなりポジションの高い人” に「なんとかしてくれないか?」と直訴します。この RED社の人(のちに、Jim Jannard総裁本人であった事が判明)は、REDUSER.net の信者たちを一蹴して黙らせてはくれたものの、返す刀で Bloom氏のもとへ罵詈雑言満載のメールを送り始めます。
その言い分は、EpicMは β機であることを了解した上で購入して貰っている。ついては、すべての不具合は RED社にレポートすることのみが “許可” されており、ブログを含むメディアで一般公開するのは “契約違反” である。
対する Bloom氏側の反論は、EpicMの購入に際し、かような「契約」はおろか「口頭での約束」だって交わした覚えはない。実際、どこにそんな契約書があるのか?あるなら見せて欲しい。というか、届いた製品パッケージにはマニュアルすら入ってなかったんですけど? だいたい製品の不具合を口外してはならない!などという時代錯誤はなはだしい言論統制を強いた上でなければ販売できない製品を「β機だから」という一言で片付けつつ、どこのカメラよりも高い金をふんだくるとは一体なにごと?
この Bloom 氏のクレームに対して、マジキレしたRED社からの最後通牒は…
金返してやるから、カメラ一式送り返せ! ボケっ!
そして、REDUSER.netから Bloom氏の登録を抹消したそうです(ガキですか?)。
すっかり嫌気がさした Bloom氏曰く「信じられない思いで」この申し出を受け入れ、EpicM及びサードパーティ周辺機器一式をすべて返却すると同時に、発表と同時に注文していた Scarletの予約もキャンセルするに至ったということです。
…って、あぁヤダヤダっ!内容があまりにも “あんまり” で、先週の記事公開時には読んでいて気分が悪くなりました。ホントは採り上げるつもりなんてなかったんですが、反面、コレって英語圏の業界人以外が知らないで良い類の情報なんだろうか?という思いが(例によって日本では他にどこも報道しないし?)。
また、本日現在、RED の Jim Jannard総裁から Bloom氏に対して正式な謝罪表明の書き込み(多分に信者たちに向けた火消し的意味合いが強い短文ではありますが)が公開されたので、まぁ一件落着ではあるのかな〜?と思い、上記の如く経緯をまとめてみました。
▶ REDUSER.net | The Case of Philip Bloom…
REDと言えば、「We reserve the right to refuse service to anyone with a bad attitude.(態度の悪いヤツに REDは売らねぇ)」というスローガンが有名で、ボクなんかも「カッチョええなぁ!」と思っていたんですが、これって洒落っ気ではなく “全力で本気” だったんだ!(゚Д゚;) という事がわかって超興ざめ。さらには得体の知れない狂信的な “信者たち” を従えて、勘違いはなはだしく客を選ぶその姿勢ときたら…
いや、怖いのでこの辺でやめておきますが(爆)、日本では RED正規輸入代理店である西華産業さんからサービスを受けることで、こういう血の気の多い人たちと直接やり取りせずに済むのは、実はかな〜り幸運なのかも?ですね。
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28 Comments
まあREDは買うなってことですかねー。レンタルしろと。レンタルだったらレンタル機材屋さんが責任取ってくれますしね。逆に言うと持ってるからって気軽に「REDで撮影できます」「RED貸します」とかいう商売はすると超危険だってことかな~
僕のような仕事ではますます縁遠い機材だなーと今回のこの件で痛感します。じゃじゃ馬だから覚悟してね、、、と上から目線な態度。。REDは日本の機材と対局にありますね。だからこそ人気なんだろうけど。
にしても、買い取るから黙れっつったのはJIM御大だったんだ。。。
Jim御大に関するニュースは、以前から度々採り上げてますが、一度目が「Canonをディスってたしなめられる御大」で、二度目が「御大、Arriとの全面戦争を宣言」で、今回が三度目の正直ですからね。間違いなく、血の気が多くって闘争心むき出しな人、なんでしょうねぇ…(笑)。
ヨーロッパ人のアメリカ大陸や中東・アフリカの侵略の経緯を見ればねぇ,彼等が「自己正当化」の権化な事は自明です。だからこそ凄い仕事もする訳で。
海外のホテルや商店で,日本人は「サイレントキラー」と言われる事があるそうで,
サービスや製品に納得がいかないと,文句もいわず黙って去って二度と来ない・仲間内に「あそこは問題外」とお達しが廻る,というのがあります。西華も対応が欧米か!って時がよくあると聞くので,そういう対応で良いのでは無いでしょうか?REDに限らず特定の機材が無いと撮れない映像って,そもそも底が浅いものだし。
深いっすねぇ、田中さん。アングロサクソンの大侵略時代にまで思いを馳せますかー!?いや恐れ入りました(笑)。
ボクは全く「サイレントキラー」ではなくって、よくあちこちでテーブルひっくり返しながら生きてきたくちですが(爆)、でも、還暦過ぎてなおモヒカンの Jim 御大より一回り以上も年下だってのに、もうすっかり元気が出なくなっちまって、ひっくり返す前にテーブルが持ち上がりません。< (_ _)>
とても興味深い内容でした。ありがとうございます。
ボクにとってRED Epicによる映像一発目はP.Bloomセンセが録ったボート職人のやつだったので、さすがここら辺の人達はもう触ってるんだなぁ、いいなぁと思っていたのですが、なんかその後の個人購入でトラブっていたのですねぇ。
圧倒的なスペックの製品を発表するキャラの濃い会社としてREDはとても魅力的ではありますが、一部ユーザーとの狂信的な関係には時折驚きます。
オペレートに複数名必要な大型撮影機器はさておき、RED Scarlet辺りはワンマンオペレーションも視野に入れているはずなので、あまり企業vs一作家のやり合いなんてのを目にするとコワいですよね。 DSLRのように現場で壊れたからってヨドバシに走るわけにも行きませんし。
RED Scarlet導入は多くの人が検討しているはずなので、今後の展開(社風変化?)に期待です(人気出て売れる分、余計横柄になってたりして)。
freiheitさん、ボクも同じです! Bloomセンセのボート職人さんのドキュメンタリーが最初の Epic映像でした。ポスプロのもろもろを考慮しなかったら、本当に Scarletはワンマンユニットでも使える良いカメラなんですけどねぇ。。。
11月末までScarletのデポジットしようか、ずーーーっと悩んでたくらい
魅力的なカメラを作る(発表する?w)会社なんで、ユーザーにもう少し
優しくてもとも思いますねー
んー面白味のあまり無いちゃんと動くカメラか、理想を詰め込んだ動かないかもしれないカメラ、悩ましいですw
僕はGoPRo2とiPhone4sで頑張ろうかな。。。
いやあ、高野センセには、輝く日本の明日のためにも、やはり Scarletと iPhone4S というエクストリーム系の組み合わせで頑張って頂きませんと!(笑)
なんかもう…海の向こうというか、600万超える機材を自腹で、て時点で雲の上のお話ですね。ウチなんて商売道具(とりあえず現場持ってくもの一式)2カメ分に車入れてもまだお釣がたんまり…orz
断空我渡辺@的にはBloomさんに突っ返された620万の使い道が気になります。
Philip Bloomさんは、大の「カメラ好き」で、AG-AF-100も、NEX FS-100も、F3も持っている上に、さらに EpicMを買ったのに Scarletまで予約していた!っていうんですから、本当に「マニア」ですね(笑)。すでに17年前に家を買ったと書いてますが、御年40歳で独身なればこそできるワザでしょうか。。。(爆)
うーん、なんだか人事じゃない気持ちで読みました。
先日のInterBEEで西華産業の担当さんにスカーレットの説明を受け、FS100と2台体制のワークフローに決め後日リアルに導入する気満々で担当さんにメールをしたのですがまったく返信が帰ってこず、もう一度こちらから問いただすのもなんだか違うなぁと思い、客として見てくれなかったのかなぁとちょっと切ない気持ちだったので代理店なんてすっとばしちゃえという感じで直接REDから買っちゃおうと思っていた矢先にこの記事を読んでしまいました。
おいらはどこでスカーレットを買ったらいいのでしょうかw
(ちなみに一緒に行った知り合いには西華産業さんから連絡が来ていて二度がっくり)
ありゃま、それは切ないですねぇ…。ボクも先日のInterBEEで初めて西華の方とお話しする機会がありまして、raitank blogをご覧頂いている旨伺ったので、きっとこの伸次さんのコメントを見て改めてご連絡頂けるのでは?と思うのですが。。。 > 西華産業様、blackeyes の渡辺伸次様に是非ご連絡差し上げてくださいませ。
単に担当者様の連絡ミスだと思うんですけどねw
でもREDっていまどき面白いメーカーですね。
Blackeyes 渡辺伸次様
御世話になっております。西華産業株式会社 宮本と申します。RED製品の販売責任者をしております。この度は折角RED社ブースに御来場頂き、更にお問い合わせを頂いたにも関わらず、大変申し訳ありませんでした。今後このようなことの無い様徹底いたします。SCARLETに関しては正式に販売を開始いたしました。アクセサリーの組み合わせなど御相談させて頂ければと思います。
大変恐縮ですが、ご連絡先を上記メールに頂ければ幸いです。今後とも宜しくお願い申し上げます。
宮本様
わざわざこちらまでご連絡いただきありがとうございます。
こちらのBBSでは登録しているメールアドレスは管理者からしか見れないようなので、もしよければblackeyesHPからメアドを確認していただけると助かります。(BBSへのメアドの掲載はスパムの餌食になってしまうので・・・)
こちらの書き込みはRED記事に対してのネタみたいなものなので、特に西華産業さんにクレームを入れているような内容では無いのでご安心ください。
raitankさま、読者様
BBSにてちょっと違う方向で話が進んでしまったので申し訳ありませんです。
ネタ話ですので軽ーく受け止めていただけると幸いです。
渡辺さま、宮本さま
いや、さっそくご連絡頂きまして、ありがとうございます。>宮本さん
そして渡辺さん、メアドの仕様、そうなのですか。知りませんでした。これから早速、宮本様、渡辺様双方に、双方のメアドをご連絡いたします!< (_ _)>
そして、まったく全然、気になさらないでください。むしろ弊サイトがお役に立てて嬉しいくらいですから〜。。。
とても悲しい気持ちになってしまいますね。。
両者とも「いい映像が撮りたい」という気持ちは同じはずなのに。。
いずれにしても、REDは買えないですが(笑)
僕はCanon EOS 60DとGoProがあれば幸せです。
今持ってる機材でいい映像を作ろう!
と、改めて思いました。
…ですね。きっと頭に血が上りやすい方なんでしょうね。>Jim総帥
ただ、日本の経営者だって、昔はこの手の武勇伝保持者は山ほどいたんですよね。本田宗一郎氏とか(笑)。でも、今やどこも株主に選ばれた雇われオーナーばかりで、ま〜ったく「顔」が見えなくなっちゃって。どちらが企業として魅力的な製品を作ってるんだか?と考えると、一概に「REDは…!」と言うのもアレなのかもなぁ?と、今ちょっと反省中だったりします(爆)。
そう言えば以前eBayにRED一式売りに出てたなぁ。説明読むとどうやら中東の金持ちからの出品らしく、買ったのは良いが使い方判らんかったとか云々…。金持ちは態度が良いのかなぁ(失笑)
やっぱ、金持ちは「態度」不問なのでは?(笑)
…というか、そのeBayに出ていた REDは、落札されなかったのですか? その出品理由が本当だったら、ほとんど新品に違いない筈で、超お買い得だったかも? (゚Д゚;)
落札されてましたよ。ほぼ新品状態で、フルセットで100万位だったかも…
REDさん達こんな殿様状態してたらNikonにやられますぜ(D4の動画機能凄いらしいっすね)
それは、めっけもんでしたねぇ…(笑)。>RED
D4の動画機能… HDMIから非圧縮信号出るかも?な噂のことですか?ボクは到底信じられないので採り上げませんでしたが、ホントにそんなのが出たらいいですね〜。
前にどなたかも仰ってましたがREDってなんだか大人気ないメーカーですね・・・。
批判されたらまずそれを製品に還元すればいいものを、何をやけになっているのか。
日本ではこういう話はなんにもニュースにもなりませんが、だからこそraitankさんのような方が大切なんですよ!
今後とも興味深い記事をよろしくお願いします。アフィリエイトで協力は出来ないですけど…(失笑)
ボクら、みんなメカ好きでリグ好きでスペック好きじゃないですか。で、ややもすると、そういう情報ばっかり追いかけてしまうわけですが、アチラって「顔出し」で「本名出し」が当たり前なので、こうした人間味溢れた(?)情報がごく普通にゴロゴロ転がってるんですよねぇ。…昨日はムカムカしてたんですが、一夜明けたら、まぁ「おとなげ」なんてなくていっか?という気もしてきました(爆)。ドロドロも、また人間臭さってことで。。。
いやぁ、SONYにしといて良かった(笑)
あ、Jimのブラックリストにraitankが追加され・・・(・ω・)
極東第一号(笑)
そ、そこに反応するんですか? (^_^;)