海外からのニュースを拾っていると、ここ一週間まるで洪水のように、連日 EOS C300関連のニュースがスゴイ勢いで入ってきています。特にリグ(撮影用周辺機器)関係は活況を呈していて、今までキッチリと守秘義務契約を守りつつ、密かに C300専用の装置を開発してきた各メーカーが、怒濤のように新製品を発表していることが伺えます。
▶ CINEMA5D : The Americans have gear for the C300, the Germans too
カッチョ良さ!で言ったら、断然、Redrock Micro の「ultraCAGE | Blue」。
▶ Redrock Micro : ultraCAGE|Blue
これにはカスタム塗装色の「コバルト」が設定されていて、それが更にカッチョいいよ〜!という記事は、すでに TKYSSTDの muuさんが書かれているので、そちらでどうぞ。
▶ TKYSSTD : 青の逆襲
老舗の ARRIまでがすでに C300専用のベースプレートを開発済みで、えぇ?ARRIまでパートナー契約、結んでたんすか? (゚Д゚;) ってビックリしたんですが、そんな中、ユニークな売り込み方で思わず笑っちゃったのが、Zacutoの肩載せリグ。
▶ Zacuto @ Vimeo : Canon C300 Accessories
Steve Weiss 社長
「みんな、昔の70年代、80年代にあった βカムとか、Panaの肩載せスタイルのカメラがサイコーだったって言うだろ。
だから、ほら見てよ。ほとんど同じサイズとバランス感だろっ!?
(と、昔のカメラを Zacutoリグに組み込んだ C300に重ねて見せる。で、カメラを持った Jensさんに向かって)
…具合はどうだい?」
Jens Bogehegn さん
「うん、まるでベーカムみたいだよ」
って、あっはっは、面白い面白い!(笑) …って思ったんですが、いえ、お二人とも大まじめなんです。(-_-)
いや、ま、それは良いとして。先のハリウッドイベントではあたかも C300が主菜であるかのように見せかけつつ、実際は C300=単なる前菜、アペタイザーに過ぎず、実はその後に控えた4K一眼以降のほうがメインディッシュではないのか?という推測もそこかしこで語られていたりして、実際、以下のようなビデオインタビューも公開されていますよ!
これは、独・film-tv-video.deによる Canonヨーロッパのかたへのインタビュー映像なんですが、この中で製品ディレクターのコヤマナオキ氏が次のように語っています。
This is just the starting point so at this moment we have only just shown one product. Of course our plan is to extend, we really want to keep developing new products. Some maybe higher range or lower range. You will see more products in the coming three years continuously.
[抄訳]
(C300は)現時点で皆さんにお見せできる一製品、単なる出発点に過ぎません。もちろん我々はこの分野を拡張していきますし、新製品をどんどん開発していこうと思っています。C300よりも上のレンジに属する製品、あるいは下のレンジに属する製品も含め、これからの3年間、ひっきりなしに新製品をお見せしますよ。
当然のことながら、ココでのキーワードは「これからの3年間、ひっきりなしに」であり、C300自体の開発に丸々2年をかけた Canonさんですから、ここで語られている今後「ひっきりなしに」登場する予定の新機種たちも、すでに開発が進行中であることが想像に難くありません。
▶ Cinescopophilia : Canon Higher Range 4K RAW Cameras a 3 Year Mini Roadmap
ボクはいまだに「5D MarkIIの後継はぁ?」と待ち焦がれていますが、ひょっとすると 7Dやその下の機種にまで、それぞれ対応する Cinema EOSカメラが登場するのかも?
16 Comments
35フルサイズmovie、つまり1DXや5Dの素子の動画専用カメラが出たら,現在存在しない70mm換算のデジタルシネカメラですからねぇ。ARRIやパナビジョンと同列になっちゃう訳で。それこそ歴史的。
うっ。話についていけなくて申し訳ありません。(゚Д゚;) 「35mmフルサイズだと、70mm換算」というお言葉の意味が…。35mmフルサイズ=幅36mmx高さ24mm。一方の 70mm映画(画角比1:2.35)は=幅65mmx28mmではないのでしょうか?(いえこの数字も、今さっきネット検索で調べて知ったサイズなんですがね…(^_^;))
ときに、映画用のフィルムカメラはすべて新規製造が終了してしまいましたね。これからは徐々にデジタルオンリーの新時代へ突入。。。凄いことです。
「ビスタビジョン」でしたね。すいません。オリジナルのビスタはフィルムを横回しにしていたそうで、スチール35フィルムとほぼ同じ面積を使っていた様です,
わわわ、本当だ。今、Wikipediaで確認しました。へぇ〜!x8 って感じですね。しかし、今度は「横回し」の意味がわからない(笑)。いや、意味はわかるんですが、カメラのカタチが想像できませんで。
…で、調べたら、こんな格好をしていたんですねぇ。ビックリしました。
ジョージルーカスがスターウォーズの合成カットを撮影するため横走り8パーフォーレーションのビスタビジョンカメラを使ったというのを本で見たことがあります。
4K4:4:4 12bitは特撮用で使いたいですが今はCG全盛で特撮は過去のテクニックになってしまったようですね。。。
縦使いのムービーフォーマットが基準だから
FS100とかのsuper35mmはAPS-Cとほぼ同じくらいの
横幅になっちゃうんですね。
私などは35mmといわれるとついスチール(当然、横使い)
のサイズを連想してしまいます。
ちなみにフォーマットの王様IMAXは70mm15パーフォの横走りです。
重量のあるラージフォーマットフィルムを
安定的に横走りさせるのは大変な事のようで、
カメラも巨大ですが映写機はもっとすごくて
フィルムを圧縮空気の力を借りて送り、
コマがレンズ前を通過するときにもバキュームで
フィルムを圧着させる機構が備わっているそうです。
理論上12kの解像度を誇るそうで
デジタルオンリーの新時代に踏み出してしまうと
20世紀の技術にはロマンを感じるなぁ…
あああー、そのIMAXの話はそういえばボクも聞いたことがあります。圧縮空気と真空圧着。凄いですよねぇ。大のIMAXフォーマット好き、クリストファー・ノーラン監督が「ダークナイト」の撮影時、IMAXカメラで “手持ち撮影” をするために作ったリグなんてのも、どこかで見た記憶が(笑)。アレ見た時は、ハリウッドでDPなんて絶対やりたくない!(できる筈ない!以前に)と思いました。
それ、私も見た覚えが…
あれ?もしかしてraitankさんのブログで?
あっちの人って想像もできないことやりますね。
この間ちょっと書かせていただいた件のDPなんて
完全なフリーランスなのにRED ONEを個人所有、
12フィートのジブクレーンまで個人で持ってるんですよ!
ホントですね! あちらのフォーラムとか覗いていると、よく個人ベースの求人広告を見かけるんですけど、曰く「来週末の土日、Boston郊外で撮影してくれるDP募集。要・RED EPICx2」とか書いてあって。おいおい、会社じゃなくてDP個人募集でEPIC2台かよ?と、突っ込みどころ満載です(笑)。それとか、全然売れてそうに見えない結婚式DPの人が空撮用の8翼ジャイロコプター自己所有してたり(笑)。スケール感が違い過ぎて、ついて行けません。。。(^_^;)
今回のCanonさんの根回しは凄いですね。発表から数日でサードパーティーからこんなにも出てくるというのは徹底的なリサーチを済ませていたんでしょうね。Canonの本気が見えた気がします。
4Kって35mmフィルムに匹敵する画質でしたっけ。そんなものがどんどん浸透していくというのは、コレは凄い時代になってきましたね・・・。まあ高校生でFullHDを使えるのも凄い話なんですけど。
上で紹介した Zacutoのビデオの中で Steveさんが言ってますが、発表のかなり前に(守秘義務契約付きで)β機を受け取っていたので、じっくり専用リグを開発することができたのだそうですよ。そういう意味では、もちろん Canonさんの本気度にも驚きましたが、それよりも、各メーカー(や、デモムービーを作ったクリエーター諸氏+スタッフ=数百人以上)がみんな守秘義務契約をきちんと守って、発表当日までなにも具体的な情報が出てこなかった事のほうが驚嘆に値すると思いますねぇ。(´ヘ`;)
なんかさっきの文、読み返すと意味がおかしくなってました。なんというか、5Dを動画に使用した人達からの声をきちんと回収して、今度は発表直後にサードパーティからリグを発表してもらえるように準備してたんですね、って書きたかったんですが。
大概こういう情報ってどこかしらから漏れてくるものですけど、今回は全く無かったんですものね。真面目な方々が参加してくださったんでしょうな。そういう面で、C300は恵まれてますね。
Zacutoのおふたりは、情熱ほとばしる感じといい、きっちり役割を決めた演出といい
漫才みたいで私もいつも笑ってしまいます。
ちょっとアメリカのプロレスの茶番劇を連想してしまいますね、一生懸命さがいいです。
このインタビューでも少し触れていますが
C300の形はやはり3Dリグを強く意識した結果なのでしょうね。
今年の夏、北米から来た監督・DPコンビのアシスタントディレクターを
させてもらったのですが、二人とも3Dが一番の関心事でした。
日本にいると一時の流行に終わるのかなぁ?とか思ってしまいがちですが
向こうの人たちはマジ本気↑です。
もう受けている仕事の半分を超えそうだとか…。
It’s REAL business!とどや顔で言われました。
おまけに2Dのことを、”Fla-D”と呼ぶ始末。
RED ONE2台をミラーで突き合わせたリグの写真を見せてもらいましたが
いくら小さなことは気にしないO型ぞろいの白人のこととはいえ、
そのあり得ないでかさは改善の余地があると思っているようでした。
あっちではリアルビジネス!
カメラメーカーも2台ずつ売れて濡れ手に粟といったところでしょうか?
おぉ、なるほど。3Dリグへの対応という視点は、考えてもいませんでした!…でも、3Dってホントにそんなにビジネスになってるんでしょうか?一時の流行もなにも、日本では丁度たまたまTVの買い換え期に当たった人が店頭で「それしかなかったから」という理由で3D対応TVを買って、でもメガネはいつもTVの上に置かれたままで埃まみれ… ってイメージなのですけど違うんでしょうか?(笑)
さらに言えば、ボクが日常的に購読している動画系ニュースソース約30サイトから流れて来るニュースに占める3D関連の話題って、体感で昨年まではおおよそ15%。でも今はたぶん5%未満といったところです。なので、Real Business !?へぇ〜!(゚Д゚;) と、驚きましたが、でもよくよく考えてみれば、JVCさんなんかの3Dカメラだって「これから」だったりしますものね? …日本でもこれから Real Businessになっていくのでしょうか!? う〜ん、知らなかった…。
C300のポテンシャルもVincent Laforetの砂漠のショートフィルムだけじゃまだわかりませんが、「4Kセンサーからちょうど半分で1080Pを吐き出す」という考え方は偽色やモアレに泣いた多くのデジイチ動画部員には嬉しい内容かと思っています。
4KDSLRの世界が本当に来年スタートするかと思うとドキドキしますね〜。
将来、他人さんの機材を覗く際はカメラ右上で小さく光る赤い「C」をチ〜ラチラ確認しちゃったりして。
お、あちらさんはもうCinema EOS稼働チーム?みたいな(笑)
世間は4K、4Kって騒がしいですけど、Canonさんのはあくまでも “キレイなフルHDを取り出すための4K” ってところが新しいですよね(笑)。(^_^)
freiheitさんの今回のコメントを拝見して思いついたのですが、カメラボディに貼れる「なんちゃってCinema EOS[C]シール」を作ったら、けっこう売れるんじゃないですかね〜? ボクだったら絶対貼るなぁ。…GH2に(笑)。