さて、前回の「その壱」から半月ほども時間が経過してしまいました。その間、NAB2013 PLAYBACK@System5に参加し、行ってもいない NABの現地発情報をアレやコレや、ご紹介させて頂きました(その際、はるばる愛媛からお越し頂いた ReM・池永様をはじめ多くの読者の皆様ともお会いできました。有り難うございました! (^_^)v)
というわけで NABも終了して早1ヶ月弱。そろそろカビが生えてきそうな、デスクトップに放置されっぱなしの「NABフォルダ」の中身をブチまける作業の続きをば。本日のお題は、ボクが個人的に偏愛して止まない「RED」篇。
▊ DRAGONセンサー出荷開始(か?)
NAB2013の REDブースでは、なんと Dragonセンサー・アップグレード作業の出張実演が見られたそうではありませんか!?
作業風景を撮影した映像を見ると、そこが NABの会場であることなど忘れてしまいそうな… なにやら Björk「All is Full of Love」のミュージックビデオを彷彿とさせる白と黒の世界が展開されていて…。こういう演出(過剰?)が REDらしくってステキ!(笑)
▶ News|Shooter : NAB2013: RED PROVIDES DRAGON MAKE-OVER AND NEW GLOBAL SHUTTER MOUNT
この Dragonセンサー・アップグレードの演出に関して可笑しかったのは、NoFilm Schoolの Joe Marineさんが現場で撮影したフッテージに、なぜか?作業ブースの片隅に潜み(?)iPhoneで熱心になにかを撮影している “あの御大” が捕捉されていたこと(笑)。
▶ NoFilm School : RED EPIC DRAGON & SCARLET DRAGON Specs, Upgrade Pricing, Warranty Information, and Price Drops
…なにを撮ってたんでしょうね?(^_^;)
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▊ RED MOTION mount
RED関連のニュースは NAB期間中、連日流れてきてたんですが、ボク的に一番「わおっ!」と思ったのがコレ。
▶ Planet5D Blog : Red announces Global Shutter and Variable ND add-on
REDには Canon EFや PLなど幾つかレンズマウントがあるわけですが、この “MOTION mount” なる新型のマウントアダプタ−は、なんと内部に「電子式グローバルシャッター」が内蔵されています。こいつを取り付けることでカメラ本体の「ローリングシャッター」をオーバーライドし、アナタの EPICや Scarletが(F55や BMPC4K同様)魅惑のグローバルシャッター・カメラに早変わりっ!
…と云うと、二年前から時々話題になっていた外付けグローバルシャッター、Tessive Time Filterを思い出すかたもいらっしゃるのではないでしょうか。Time Filterが出た時、「会社ごと REDが買収しちゃうんじゃあ?」なんてコメントもありましたが、どうやら独自に開発しちゃったようで(笑)。
しかも MOTION mountの場合、マウント部に内蔵ということで本体とシームレスに結合され、Time Filterのようにマットボックスや別電源も必要としませんし、本体のメニューで制御できるし… オマケに 8xNDフィルターとしても機能するのだそうですよ!?
と書きつつ、実はこの辺の技術的な部分がリリース原文を読んでもよくわからないんですが(汗)、液晶素子の如きものが電気の ON/OFFと連動して透過/不透過を繰り返すことで減光する、そうです。
…よくわからないのは、電子グローバルシャッターも通電で透過/不透過を繰り返すことで実現している筈で、となるとグローバルシャッターと NDフィルターは両立可能なんでしょうか? 今度、RED Japanさんにお話を伺いに行ってきま〜す。(^_^;)
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▊ Proxy Module
HD-SDIケーブルで、Brain、もしくは PRO I/Oモジュールに接続することで、EPIC、Scarletで ProRes、DNxHD、H.264が収録できるようになる追加モジュールですって〜!? これまたビッグニュース!!
…かと思ったのですが、蓋を開けてみれば、これはペケでした(泣)。
▶ Planet5D Blog : Proxy Module – RED
REDは RAW!という大前提は充分理解しつつ、たとえば放送業界には『REDで ProRes収録したい!』というニーズが根強くあり、そこが REDが Alexaのように放送業界に浸透できない障壁にもなっています。REDはこの春、Meizler Moduleという ProRes収録をワイヤレスで実現するオプションを発表しました。
…が、お値段¥163.8万という、純・富豪向け製品。(^_^;)
さらに、Meizler Moduleにしろ今回の Proxy Moduleにしろ、収録できる ProResは、どうやら ProRes Proxy品質のみらしい(?)ことが判明して、お膝元の Reduser.netでも賛否両論の波紋が広がっています。
▶ Reduser.net : NAB13- Proxy Module
というのも、ProRes Proxy… といえば聞こえは良いですが、要は HD-SDI端子から垂れ流しのモニター用信号をそのまま記録するだけってことのようで。つまりはその名の通り、とても完パケることができない RAWデータの「Proxy(代用品)」しか記録できないらしいのです。
REDにしてみれば、『そのために RAWとは云っても重くなり過ぎない圧縮 RAWを用意してるんじゃん!』という事なのでしょうけれど(笑)、そうは云っても『ワークフロー的に毎度の現像処理は荷が重い』というのも偽らざる現場の声なワケで…。
逆に、REDが誇る 4K、5K、6Kのハイスピード映像を含め、RAWだけでなく ProRes4:2:2(HQ)でも収録できるモジュール!なんてものが出たら、天下統一の野望も容易く実現できるような気もするんですがねぇ。やっぱ RED的に、そういうのは許されないんでそか? (^_^;)
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▊ DSMCファン2.0
RED純正・放熱ファンの交換キット。コイツに交換することで、新しいインテリジェント放熱アルゴリズムが有効になります。上用/下用、各$250、もしくはセットで$450。これは小粒な製品なれど、既存の REDユーザー様にとっては、かな〜り実用的な「マストバイ」アイテムではないでしょうか。
▶ Reduser.net : NAB13- DSMC FAN 2.0 Upgrade Kit
従来のファンは「撮影停止中に回転し、撮影中は停止」を基本にしていたものの、内部温度が危険なほど上昇した場合には、たとえ同録中でもいきなりフル回転!して音声さんをブチ切れさせていました。これが、DSMC FAN 2.0ではファン自体が静音タイプとなり、また新たなアルゴリズムによって、ファンは「常に回転」が基本に。内部温度が危険温度域に達するまでの時間が大幅に伸びているそうですよ!?
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▊ RED Rocket-X
REDで収録した R3Dファイルの現像を「劇的に」高速化させるアクセラレータ・ボード、RED Rocketに新型が登場しました。お値段は定価¥81万ですが、今申し込むと「早期割引」が適用されて¥69万、Dragonセンサーへのアップグレードを同時に申し込むと¥54万だそうです(笑)。
▶ yamaq blog : 新しいRED ROCKET-X
▶ yamaq blog : RED Dragon 6Kセンサー登場
リンクさせて頂いた yamaqさんのブログにも書かれている通り、Mac環境でこの製品を搭載しようと思ったら、「DaVinci Resolve環境とはバスの取り合いに」なることが必至です。16レーンの PCI Expressスロットがバ〜ン!と5つくらい用意された MacProが出てくれないものでしょうか?(…ぜったい無理やろね? (T_T))
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▊ RED、Element Technica買収
さて、なんだかやたらと長くなってしまった NABまとめ RED篇ですが、最後のトピックは製品ではありません。NAB会期中に発表されて「えええ〜っ!? (゚Д゚;)」と驚いた、REDによる 有名なリグメーカー、Element Technica社の買収について。
▶ Cinescopophilia : RED Buy Element Technica Now Called RED ELEMENT
Element Technicaが、RED用のリグを作り続けてきたことは知っています。…が、ボクのような外野からすると、たとえば似たような周辺リグを開発・販売している Wooden Cameraが「意匠権侵害」で REDから訴えられる中、どうして Element Technicaは大丈夫なのか?が解らなかったりしていたわけで…(笑)。どうやら以前から仲良しだったのでしょうか?(いやよく知りませんが)
なにはともあれ、REDに買収された Element Technica(技術集団)は、今や怪しい RED Element(赤い集団)になりました(なんか共産系の過激派っぽい?)。そして RED傘下になったとはいえ、元来リグメーカーである RED Element社のサイトでは、あろうことか?REDのシンボルマークと SONY製品の写真が同居するという(現在の両社の関係を知っている者からすると)かな〜り珍妙な事態に。
…ただし、さすがにこれは関係者一党、居心地が悪過ぎたのか?一時は上の画像のようにページ左上にデカデカと掲載されていた RED Elementのシンボルマークは、現在は小さくなって、さらにページ一番下に移動されました(笑)。(^_^;)
▶ Element Technica (Red Element)
6 Comments
RED ROCKET-Xですが、あれ多分x8接続です〜。
んで、現行MacProはx16が2本なので〜、GPUに690とか2枚系のGPUさすと、バス問題はとりあえずクリアっす。
もしくは、CUBIXとかの拡張シャーシ君でx16は何本も増やせるんですよ〜。
4K仕上げだと、ちょっとまだ不安ですがw
HD仕上げ前提であれば、特に問題ないっすよ〜。
あれま! x8レーンで足りちゃうんですか。そりゃまたビックリ〜。(゚Д゚;)
ま、ボクの場合、FCP-Xの Proxy⇄422(HQ)で済ませちゃってて最初から RED ROCKET-Xは対象外なんで、色々とぐだぐだ云ってても所詮は「絵に描いた餅」なんすけどね…。(^_^;)
Element Technica! 買収・・・、た、他メーカーは!?
とホームページ訪れ、ひと安心。
FS七〇〇持ってたら、あそこのライザーリグ
マストバイですよね、かっちょよすぎです(←妄想)。
ニューBMCCといい、カメラ業界がようやくグローバルシャッターづいてきましたね!
ブラボー! といってもまだ2社ですが、先鞭としてブラボー!
ElementTechnica、カッチョいいですよねぇ。…高いけど(笑)。グローバルシャッターは、なんだか「やって来た!」というより「戻ってきた!」ってところがいいですよね。CCD時代以来のカムバックってことで。(^_^)v
とりあえずファンは即買いですね!
DRAGONは興味はあるんですが、撮った映像を見るユーザー側の環境が全然整ってないので来春また検討します(^^;
Dragonセンサーは、まだ絵が出回ってないんですよね。サンプルは?というと、いまだに去年出たトカゲの静止画だけ。Dragonで撮りました!っていう動画が、見事にありません。NAB会場でアップグレードの実演まで見せておきながら、実はまだぜんぜん準備できてないって噂も…。(^_^;)