え〜、例によって短い宣伝。先ほど PRONEWSさんとこの連載「raitank fountain」に新しい記事が公開されました。昨年の春先以降、カメラのレビューのようなもの(extra)ばかり書いていたもので、5月に 「Vol.06 シネマのネクスト・ウエーブ、”Higher Frame Rate” とは!?」を書いて以来、なんと8ヵ月ぶりの純粋なエッセイということになります。今回のお題は、「モノクロームの潮流」。
▶ PRONEWS : [raitank fountain] Vol.07 モノクロームの潮流
昨年末から一ヶ月に亘ってお借りする機会を得た RED Epic Monochromeをいじり倒す過程で自問した、「モノクロって何?」という答えの出ない問いにまつわる二、三の事柄と、デジタル時代のモノクロ収録について綴り、また正月明け早々に20年来の友人たちと千葉の屏風ヶ浦に出かけて撮ってきた拙い作例を公開させて頂きました。
モノクロ。特に写真は好きな人が多いですよね? 一言で云えば、カッコいいんだもん!ということになるんでしょうが、『なぜモノクロで撮るのか?』という命題に対し、報道関係の人が以前仰っていた「どこでも自分で現像できるから」という返答以外に、「なるほど!」と膝を打ちたくなる明快な答えを耳にしたことがありません。
好きなんだからいいじゃん? はい、好きならそれでいいです。ただ、写真はさておき映画に関して言えば、ボクの場合『モノクロ “だから” 好きな映画』って数えるほどしかありません(ウエルズの「市民ケーン」、ブニュエルの「皆殺しの天使」、ジャームッシュの「ストレンジャー・ザン・パラダイス」の3本くらい、かな?)。あとは、別にカラーでも良かったんじゃない?あるいは、断然カラーのほうが良いでしょう!と思っています。
ただボクの場合、貧乏な映画学生時代に、カラーで撮りたくても撮れなかった悔しさに根ざしている部分が非常に大きく(笑)、客観性はまるでないんですけどね〜。(^_^;)
てなわけで、お時間がある時に是非ご覧ください。
▶ PRONEWS : [raitank fountain] Vol.07 モノクロームの潮流
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16 Comments
SIGMAのfoveonで動画がまともに撮れるようになればモノクロ専用機並みのモノクロ画質をカラーも撮れるカメラで撮ることができるんですけど、現状の処理速度では夢のまた夢ですね…
なにか、二日ほど前に Panaさんが「明るさ2倍のイメージセンサー向け新技術」として、カラーフィルターなしでカラー撮影する新技術を発表しましたよね?これが、なんだか難しくて記事を読んでも詳細が全くわからないんですけど(笑)、なんか説明を読んでいると、この技術のキモである「マイクロ分光素子」っていうのが、 Faveonセンサーと “似たもの” に思えて仕方がないんですが…。
▶ AV Watch : パナソニック、明るさ2倍のイメージセンサー向け新技術
数日前にアップロードされた作例の動画を拝見しましたが、コレ赤字で大きく「立入禁止」って書かれてるテトラポッドの向こう側に人が立ってるカットなんていれちゃっていいんですかい!?と余計な心配をしてしまいました笑
日本なんかではカラコレも上手に出来てないドラマや映画作品があふれてます。つまりルックをそこまで重視してない作家が多いということかと以前から僕は思っていたのですが、さらにそれをモノクロにしようとなると、筋金入りの変人(いい意味ですよ?)位しか見向きもしないんでしょうなぁ…。
ところでモノクロの話題で思い出しました。
写真を生業としている(今はREDを借りちゃったりで片足どころか体半分ぐらい動画に浸ってるかもしれませんが笑)raitankさんに1つ伺いたいのですが、日本での個人写真の歴史っていつ頃から始まっているのでしょう?少々個人的な調べごとで「戦前、戦時中、徴兵されなかった一般庶民が個人で家族写真や風景写真を撮影する事が出来たのか」というのを調べてるんですが、上手い具合に情報が見つからなくて悪戦苦闘しております。もし何かこの辺りの情報について知ってる情報があれば教えて頂きたく…場違いは承知の上でお話させて頂きました。もしよろしければご教授願えますか?
何卒宜しくお願い致します。
おぉ、なるほど、「立入禁止」かー。この赤がね、圧縮すると色味が変わっちゃって…。ってこと以外の側面には、まるで気づいてませんでした(笑)。
ところで、ボクは全然まったく「写真を生業」にしておりませんよ。ボクはグラフィックデザイナーです。写真家の友だちは大勢いますが、ボクは彼らに「写真撮って!」とお願いする立場です。だから…ってワケじゃないですが、お尋ねの件に関しては知識も情報も、なにも持ち合わせてはおりませぬ。が、普通に Googleしてはダメなのかな?「Japan Meiji Photograph」とかでひくと、色々出てきますけど…
▶ Japan Meiji Photographの検索結果
あっれ!ナゼでしょう、グラフィックデザイナーからなぜか写真のみ連想してました…そりゃあそれだけがグラフィックじゃないですものね…お恥ずかしい…。
Googleの画像検索ってここまで出てくるのですね。ちょっと頑張ってみます。
ま、一口にグラフィックといっても広うござんす!だけど、ボクの場合は今回の PRONEWS原稿中に掲載したセンサーの拡大模式図とか、ああいう “ポンチ絵” を作るところから始めて、その後に写真の合成を含む「画像処理」に移行したくちです。写真は若い頃から好きでやってましたけど、30代はじめにあの「立入禁止」の向こうで撮影してる凄腕の写真家(笑)に出会って、以後、自分では撮らなくなったんですよー…(遠い目)。
写真家の目からみたモノクロは、やはりノスタルジックな伝統文化に尽きると思います。実はライカのモノクロームが出るずっと以前から中判デジタルバックの世界では当たり前のようにモノクロ製品が存在しています。HasselbladやPhaseOneなど。モノクロデジタルの利点はraitankさんが解説されているとおり、解像度、階調、感度に優れる点です。ただし、ほとんど売れていません。カラー記録しモノクロにするメリットはもちろんあり、フィルム時代にカラーフィルタリングして絵作りしていた処理を現像時にできることです。モノクロで撮ると後処理でカラーフィルターがかけれないためこの点は不利になります。あとモノクロデータはRGBフォーマットで記録される場合はデータは全く軽くなりません。RGBに各データ同じものが書き込まれるので圧縮率は落ちカラーよりデータは重くなります。モノクロ専用のRAWフォーマットを作らないとデータ的なモノクロのメリットはありません。ちなみにRedのモノクロフォーマットはどうなっていますでしょうか?ライカはDNGなのでモノクロでも重いはずですが、PhaseOneなどは専用の現像ソフトがあるためモノクロ専用のフォーマットになっていると思われます。
ノスタルジックな伝統文化、ですか…。コンサバティブな、守られている(守るべき)遺産、過去に属するもの、という認識? モノクロの価値がそういう事だったら、たしかに専用カメラは売れないでしょうねぇ…(笑)。EPIC Monochromeはファッション業界を中心に RED社の想定を越えて売れているそうですが、「ノスタルジック」や「伝統」といったキーワードとは時に相反する、「最先端」で「とんがった」ファッションの世界で、今もモノクロのイメージが重用されているのが興味深いですね〜。(^_^)
REDのファイル・フォーマットはカラー、モノクロ、どちらも同じ RED Code RAW(R3D)で、圧縮比率の選択肢からファイル容量まで似たようなもの。区別はありませんでした。
ファッション写真の世界は意外に保守的ですよ。北米はカリカリ最先端ですがパリやロンドンでは古典的な表現がスタンダードで奇抜すぎると受け入れられない傾向があります。ヨーロッパに溢れているファッション広告を見れば一目瞭然。ファッションは特に動画の関わりよりも圧倒的に写真文化が根付いているためモノクロ表現が現役だし、これから先消えることのない表現方法です。モノクロREDがファッション業界に受け入れられるのはどちらかというと当たり前なのではないでしょうか。今ダサいと言われてても20年ぐるっと回って最先端になるのがファッションですね。
やはりREDもモノクロフォーマットはやってないですね。っていうかそんな面倒なこと進んでやらないですよねぇ。
私はモノクロ専用機が欲しい変人の一人ですがw
で、何故モノクロなのか?については、raitankさんがpronewsの「モノクロームの潮流」の中で解説しておられる「クリーンな絵」につきると思っています。
そうでしたかー、momongaさん。でも、世界には思ったよりずっと「変人」が多いようで(笑)、InterBeeで REDの Tedさんに話を伺った時、「実はココだけのはなし、我々もビックリするくらい売れてるんだよね〜(笑)」と嬉しそうに仰ってました。(^_^)
この間『GOD OF LOVE」という短編をみて改めてモノクロは良いなぁと思ってた所です。そんな中でのタイムリーな話題…a-camは敷居が高く、REDは高過ぎで手も出ずです。カラーをモノクロに?出来ればBMCCのモノクロなんかが出ると面白いんですがw
そうなんですよねぇ。コスパを考えたら、BMCC Monochromeがたぶん限界で、しかも、多分うんうん唸って結局は買わない(買えない)んじゃないかな?とか(笑)。で、発想の転換。やっぱ、『カラーで撮ってモノクロにグレーディングする』と考える、と。モノクロ専用機は、敷居が高過ぎますよ…。
実際、デジタル写真・デジタル映像でも「カラリストが要らないから」という理由は大きいと思いますよ。
色味は個人差が大きく、設備も高額で大規模になるので、カラリストが居た方が便利ですが、白黒ならノーパソ一台で正確な光量を調整出来ます。データも軽いですし。
そもそも人の目は、ご存じの通り棒細胞の方が圧倒的に多いわけでして。色はオマケに過ぎないと思います。
そうなれば、受け手側の個体差も大きいわけで、写真家・監督が出したい光景をそのままストレートに出し、そして伝えられるのは、結局白黒しか無いんじゃ無いかと。
いやあ、社長、それが…。今回ですね、掲載したサンプル映像がドロ沼でして。今掲載されているのが、Vimeoにアップロードした13回目のバージョンで、しかも全然満足できてません(泣)。というのも、モノクロになった途端、エンコーダーによる色付けがメチャ顕著になっちゃうんです。今アップされているのも、モノクロですけど白黒ではないでしょ? Vimeoの H.264エンコーダーってば、勝手に赤みを足して、コントラストを上げやがるんですよ(泣)。ある意味、カラーの作品を作る時より、逆によりシビアなグレーダーが必要なんじゃないか?などと考えていました。
ああ!なるほど!
確かに配信側の問題はありますね。
モノクロ映画をテレビでみるとがっかりすることが多いですし。。。