昨年3月、テキサスはオースティンで開催されていた SxSW(サウスバイサウスウエスト映画祭)から流れてきた、往年のシネマカメラの名機、Bolex復活を告げるニュースには驚きました。曰く、スーパー16mm相当 2K(2048x1152)データを 12bit 4:4:4 Adobe Cinema DNG RAWで収録する、CMOSではなく Kodak社製の CCDセンサーを採用したシネマカメラにして、市場想定価格はたったの$3,300(約¥30万)だというのです。
▶ Digital Bolex D-16:16mm 2K RAW デジタルシネマカメラ
皆さんご存知の通り、翌4月の NABでは Blackmagic Designが当時まだ未完成もいいところだった BMCCを鳴り物入りでお披露目し、あまつさえ7月には発売する!と期限を切って予約募集を開始しました。これは3月に SxSWでデビューするやいなや、映像業界の話題を独占した(コンセプトがとてもよく似た?)このカメラが、8月に販売開始する旨発表していたからに違いない… と、まことしやかに囁かれるほど、 Digital Bolexはインパクトがありました(笑)。
実際、製造に必要なコスト$10万を調達すべく一般公募を募った Kickstarterでは、24時間を待たずに目標金額を突破。最終的には当初目標の倍以上、$24万を越える資金を集めてしまったほどです。
かくいうボクも… センサーのサイズがマイクロフォーサーズの半分以下でなかったら、きっとどうにかしてゲットする方向に動いていたと思いますし(笑)、うちに来ている人の中では、たしか okuyamaさんが…(以下略)。
▶ Digital Bolex D-16:出資フィーバーに警鐘の声も
というわけでボクは NABのあと BMCCのほうへ流れてしまいましたが、Digital Bolexは Digital BolexでTシャツ(⬇)がもらえる程度の出資協力はしたので、その後もときどき開発状況を知らせるニュースは受け取っていました。ただ、正直、今までは開発の遅れに関する釈明が主で、読めばいちいち「なるほど」と納得はするものの、(BMCCの出荷遅れ同様)結果を出せていない状況が続いていました。
▶ Digital BolexのTシャツ、届いた
それがとうとう大詰めを迎えているな?と思えるところまで来たのは、先月末に公開されたブログポストでした。『100の変更(100 Changes)』と題したこの記事には、軽量化のために筐体を鉄から「炭化アルミ」に変更したこと、必要に応じて「脱着できる光学ローパスフィルター」を採用したこと、全天候型の「ウェザーシーリング」を施したこと、外部機器向け「12V電源出力端子」を備えることをはじめ、当初仕様から “改善” されたポイントが並んでいました。
▶ Digital Bolex : 100 Changes
そして、つい先ほど、「D-16の最終形態(The D16’s Final Body)」という次のレポートが届き、ようやくモックアップではない、ホンモノの D-16の筐体を拝むことができました(とはいえ、ココに掲載した写真ではシルバーに輝いている回転ハンドルは黒く、黒いネジはシルバーに塗り替えるそうですが(笑))。
▶ Digital Bolex : The D16′s Final Body
ご覧になればわかる通り、なんというか、昨年の NAB時にチラッと公開された初期のプラスチッキーなモックアップ(⬇)よりも、グッと男前!になっていて、安心しました(笑)。
日本では一体何人の人が D-16の到着を待っているのか?ボクは知らないですが、オーナーになられる方がいらっしゃいましたら、ぜひ使用感など教えてください。(^_^)v
※ 決して「その後」を二階建てにする予定ではありませんでした。Digital Bolexのニュースは一つ前の記事を書いてから5時間後に流れてきたんですから。いやホント!な、フォローアップ・レポートその2でした〜。
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13 Comments
徹夜明けの変なテンションの中、黄色いblogでdigital bolexを知って速攻ポチってからもうすぐ1年。8月発売が11月、そして年明けへと延び、もういつでもいいやという心境に達してしまいました(笑)
BMCCと比べられる事が多いですが、ポジション的にはA-CAMの廉価版で純粋に16mmフィルムカメラのデジタル化だと個人的には思っています。名前にbolexとわざわざ付けたのもライト層を意識してるのかなと。
スペック以外も重視しているモノ作りの姿勢が、Appleに重なってとても共感してます。
ローパスフィルターはわりと早い段階でつけるかどうかフォーラムで意見を聞いていたんですが、意見が割れたので結局両対応にしたというのが経緯だったと思います。
さらにフォーラムで要望が出ていた2xアナモフィックレンズのための4:3(2336 x 1752)での撮影も対応予定の他、アナモレンズの開発も公言してます。(いったいいつになるのか分かりませんが…)
ここまできたらいつまででも待てるので中途半端なものでなく、永く使えるものを出してもらいたいですね。
ここは譲れないっていうモノ作り自体にモーレツにこだわる姿勢は、個人が主体の KickStarterプロジェクトならでは、ですよね。これは崩してはいけない。そして、上に掲載した「最終形」の写真を見ると、キチンと初志貫徹していることがわかって微笑ましいです。たぶん他の参加者もみな okuyamaさんと同じ気持ちで、世代を超えて自分の子どもに遺せるようなカメラを作ってくれと思ってるに違いありません(笑)。
晴れて届いた暁には、ぜひ… というか、絶対!「触ってみたいぞ!Digital Bolexオフ」を開催しましょう!教えてくださいね。マジで。(^_^)v
ぜひぜひやりましょう!
このペースだとおそらく夏ぐらいかなと睨んでます。
ハンドルたためないんですか!(笑)
それはともかく、これまた持ち歩くのが楽そうな奴ですね。
こういうのは大好きです。
キヤノン端子も付いていて、BMCCより実用的っぽそうですね。
ただ惜しいのは2Kというピクセル数。3Kは欲しかったところですね。CinemaDNGでは3Kは重すぎるのでしょうけれども。
持ち歩くの、楽チンですよね〜。往年のフジカシングル8みたいなもんで(笑)。そしてキャノン端子等、実用ギミックで言ったら、『取り外し可能なローパス・フィルター』ってのも凄いと思いませんか? 昨今の流行を痛快丸かじり!って感じ…。(^_^)
フジカシングル8!名機ですよね。
そういう事仰られると、欲しくなっちゃうじゃ無いですか(^^;
ただ、1D Cで充分なので、もちろん買いませんが。
……買いませんよ?
Digital Bolexさん、今年も来月 3/10-13にかけてテキサスで開催される SxSWにブースを出すそうですから、世界を股にかけて映像機器展の視察を続けられておられる社長におかれましては、ぜひ Joeと Elleにハッパをかけてきてください(で、ついでに1台… ry)。(^_^)v
なぜかそういう印象があるようですが、私、基本的にNABとPhotokina以外は、呼ばれてない海外展示会は参加してないんですよ(^^;
昔はSIGGRAPHに参加していて、それが転戦していたし、映像の素材外注でアジアを飛び回っているので、その印象があるのかも。
でもテキサスは遠いですね。オースティンだとヒューストン乗り換えでしょうか?
テキサスはサンアントニオしか行ったことが無いです。
このハンドル、三脚時にはどうするんですかね?
僕的にはこれよりモノクロで撮影出来る奴の方が欲しいなぁ。。。
なんとですね、このストラップを外して出てくる三脚ネジ穴にクイックリリース・プレートをつけて… 冗談みたいですが、上記「100 Changes」記事中に、そう書いてありました(笑)。
一度は使ってみたいですね!
S×SWで発表されたので、勝手にドキュメンタリー用と思い込んでましたが、どの辺りのユーザーをターゲットにして開発しているのか未だに謎ですww
おっ。55catcatcatさんも使ってみたいと思いましたか?(笑) ボクも横目でチラチラずっと気にしてきたんです。個人的にはピストルグリップ付きじゃない、四角い箱筐体の Bolexが好みですけど。でも、D-16にアンチークなハンドストラップまで用意してきたのには笑っちゃいました。(^_^)
私も、昔の形の方が好きですね。実家にあったので、一番最初に触った16㎜はボレックスなので多少の思い入れはあります。ボディーにクランプっぽいのも付いているようですけど何用なんだろう?ハンドストラップは私も笑いましたww