ボケとブレは、どちらも欠かせない

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3月にGY-HM100から5D mkIIに乗り換えた当初から大いに戸惑ったのは、「すぐに跳ね上がるシャッタースピード!」です。GY-HM100+Letus Miniでの撮影は、とにかくいつでも “暗さとの闘い!” でした。絞りはいつでも開放、シャッタースピードはもうこれ以上遅くするわけにはいかない1/24秒、それでもいつも「もっと光をっ!」とうめきたくなる世界です。それに疲れて5D mkIIに乗り換えたのでしたが、まさか今度は “明るさとの闘い” が待っていたとは…。

もちろん撮像素子が豆粒サイズの1/3型CCDから35mmフルフレームサイズのCMOSへと、面積比で124倍にも巨大化!したことが要因の筆頭であることは間違いありません。また5D mkIIがスチルカメラであることも関係しているのでしょうか?とにかくちょっと明るい日中の戸外に出て絞りを開放しようものなら、シャッタースピードがすぐに1/500秒、1/1000秒と跳ね上がっていきます。そしてそんなシャッター速度で撮影した映像は、スポーツの教則ビデオのような、あるいは “動体ブレのないコマ撮りビデオ” のような絵になってしまいます(下の映像は、1/50秒 対1/200秒、1/400秒で撮影した水しぶきです)。


かといってレンズに入る光を制限するべく絞りを4段、5段と絞ると(それでも足りない場合が多いですが)、今度はボケがまったく消えてしまい、周辺や背景の細部にまで克明にピントが合ってしまいます。これではなんのために、わざわざスチルカメラである5D mkIIで映像を撮っているんだか?わかりません。

動きが自然に見えるブレ(モーションブラー=残像)のある映像を撮るためには、シャッタースピード=1/100秒以下でなければダメ(24fps撮影時には1/50秒がベスト)。

同時に、きれいなボケ足のついた映像を撮るためには、絞り(F値)は開放か、せいぜい2段絞ったところまでが限界。

…となると、日中・戸外での撮影時には、レンズに入ってくる光をかなり制限しなくてはいけません。

こういう状況では、NDフィルター(Neutral Density Filter=減光フィルター)を使って光量を調節するのが常識です。ボクも撮影には必ずND2、ND4のフィルターを携行するようになりました(ND2で光量1/2、ND4で光量1/4)。

…ですが、とにかくいつでも絞りは開放にしておきたい “DoF表現至上主義的撮影” では、NDフィルターでは多くの場合、光量をうまくコントロールできません。スチルのように1枚撮影するごとに一旦止まって設定を変えられれば良いですが、映像の場合はたいてい長時間レンズを動かし続けなければならない状況が続きます。

ある状況に合わせてND2とかND8を選んで撮影開始しても、すぐに「その減光量では足りずにシャッター速度が跳ね上がってしまう!」か、あるいは「それだと減光し過ぎで感度が跳ね上がってしまう!」か、どちらかの “好ましくない状態” に陥ってしまうのです。

撮影しながら減光量を自在に可変調整できるNDフィルターがあったらなぁ…

…などと都合の良いことを考えていたら、人間、考えることは一緒のようで、ありましたっ!連続可変で減光量を変えることができる魔法のようなNDフィルターが! 以下、次稿へ。

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