EOS C300:カメラテストはかくあるべし!

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一昨日 Vimeo上で公開されて以来、全世界から表題の如き最大限の賛辞を贈られている、それはそれは素晴らしいカメラテスト映像のお話。

CMやミュージックビデオの世界で活躍している監督兼 DP、Jonathan Yi氏の「Canon EOS C300 = Awesome(キヤノンEOS C300=サイコー)」と題された作品がそれ。なにしろ、常日頃から「オレは Vimeoや YouTuneに溢れかえっている、タイトルに “テスト” と付いた映像が大キライ!」と公言してはばからない、お馴染み Pro Lost の Stu Maschwitzさん でさえ、『前言撤回!この “テスト映像” は最高だ!』と手放しでエールを送っているほどです。

しかも念が入ったことに、Jonathan氏は当然のことながら数ヶ月前に Canon(Canon USA?)から正式に β機の貸し出しを受けてこのテスト映像を制作したにも関わらず、どうやら Canon側はこの作品のトーン(コメディタッチ)がお気に召さなかったらしく、先のハリウッドイベントでスルーされたのみならず、どこにも公開される気配がないそうで…。前述の Stuさんなどは「大企業のやりそうなことだ」と多寡をくくったコメントを発していますが、けっこう多くの人たちから Canonに対する憤慨の声も上がっているようです。

さて、これ以上の説明は不要でしょう。どうぞご覧ください。こちらが現在世界に「かくあるべし!」とベタ褒めされている、EOS C300のテストリールです。


ソース:
Prolost : This is How You Shoot a Camera Test
No Film School : A Refreshingly ‘Awesome’ Canon C300 Camera Test
Planet 5D Blog : Revealing new Canon EOS C300 ‘test’ video from Jon Yi
ほか多数…


[追記]
よく考えたら、英語のヒアリングが得意じゃない人は、この作品の美味しいところがちょっとよくわからない可能性もあるかも?というわけで、興を削ぐことを承知の上で、以下時系列に沿って主なエピソードを書き出しておきます。

冒頭からしばらくは、『C300の驚異的な高ISO/Lowノイズのおかげで、夜、自然光だけの撮影でも絞りこんで撮影できることの利点』について語っています。

暗さに強い一眼レフカメラであっても、夜間の撮影では絞り開放でなければ撮れなかったので、ときに背景がボケすぎて何がなんだかわからない!なんてことも。でもC300なら、暗闇での撮影でも絞れるので、ほら、背景もしっかり写し込めます。これはISO1250での撮影。ISO5000でも問題なし。ISO20000まで来るとノイズは出ますが、でもそれはよく見るビデオノイズとは違い、あたかもフィルムグレインのようです。
…といった感じ。
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続く、暗い路上でちょこまか動き回る男性にフォーカスしようとして、どうしてもできないフォーカスプラーは大爆笑ですね(笑)。
「絞り開放F1.2では全くフォーカスできないこんなシーンでも、F5.0まで絞れるなら、ほら!こんなにちゃんとフォーカスプルできるし、背景だって活きてきます」。
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次はローリングシャッターと、ダイナミックレンジの話。これは見ていれば何を言っているかわかりますよね。
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その次は、「EFマウントレンズが使えるということは、PLマウントにはない一眼レフ用の特殊レンズを使って表現を幅を拡げられるということ!」
ということで、8-15mm 魚眼レンズ、マクロレンズ、ティルト&シフト・レンズで撮影したサンプル。
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「スローモーションも可能」として、720p48fps/29.97fps で撮った自転車走行の映像。
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「モアレが発生しないC300なら、こんな柄のジャケットでも問題なし」のところでは、インタビューアーが話し手に、『すみません。そのジャケット、モアレが出るので別のものに替えてもらえませんか?』と問いかけて、話し手に『いや、ボクはこれがいいんだけど』と拒否られます(笑)。
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C300に内蔵されているガンマ設定の違いの解説は、『キモい男の隣に座らされて困っている女性の映像で比べてみましょう』という作りになっています(いちいち凝ってますね(笑))。
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『C300がいかに肌色の再現に優れているか?のサンプル』は… わかりますよね。
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最後のロープウェイの映像は、『EF 24-105mm f/4 IS というちょっと暗めのレンズでも、ISO10000で撮っても破綻しないC300なら、ほらこの通り!』というわけで、ドキュメンタリーの撮影等に最適!としています。

以上、簡易蛇足解説でした。< (_ _)>


12 Comments

  1. Posted 2011/12/01 at 23:03 | Permalink

    いつもステキな情報ありがとうございます!

    気になっていた「モアレ」あたりに関して、しっかり(DSLRと)比較検証してくれているありがた〜い内容でした。

    ワンマンプロダクション/小規模撮影班チームにとって知りたいツボを良く押さえてくれていて、見てると欲しくなっちゃいますねぇ、C300。

    ウチの Lレンズだけでも十分イケる!と勝手に背中を押された感じ…もちろんパッとは買えませんが(笑)。

    でもこれ見てるとRED Scarlet陣営の情報もいろいろ欲しくなって来ます〜!

    • Posted 2011/12/02 at 00:11 | Permalink

      freiheitさん、こちらこそ、いつも有り難うございます。

      見ていると欲しくなっちゃう。まさにその通り!ですねぇ。REDはREDで、最初のRED ONEは電源スイッチ押してから起動するまで1分半かかる上、本体内でプレビューすらできない言われていたのが遠い昔の話のようで。

      先日 InterBEEでブースにいらっしゃったTEDさんに意地悪で「再起動してみてよ?」と尋ねたら、オッケー!と言って電源切って再起動してくれました(笑)。で、ほんの10秒ほどで起動完了。あれっ!? (゚Д゚;) と驚いたら、TEDさんがニヤッと笑って「進化してんだよー」って(笑)。そんで、REDには例の “ウルトラ肩載せリグ” もあるし。もう、欲しいものだらけで大変です。(x_x;)

  2. Posted 2011/12/01 at 21:49 | Permalink

    ハハハ、このセンスはいいですね!
    C300の方が、カメラが揺れても画面が揺れない、ってのはなぜなんですか?

    ※エンドロールに、「撮影に当たってアリには危害を加えておりません」って出ますけど、これってマジなのかジョークなのか・・・

    • Posted 2011/12/01 at 22:11 | Permalink

      ハリウッドイベントで披露された4本と併せて、せめて会場で大々的に上映すれば良かったと思いますけどねぇ。「芸術的」ではないかも?ですが、実用性ではこちらの方が断然上なのに。ただ、Canonさんも『ハリウッドへの進出!』ということで、襟を正して臨みたかったんでしょうかね(笑)。

      C300のほうの画面が揺れない(=ローリングシャッター効果が出ない)のは、ビデオ信号用の高速プロセッサを内蔵することでセンサー信号の読み出し速度が一眼レフより何倍も速いからですね(「シャッター速度」ではなく「読み出し速度」が、です。念のため)。
      アリさんに関しては、たぶん実際に危害は加えていない… ことを祈ります。…で、わざわざこういうメッセージを入れたこと自体が、駄目押しのユーモア、ではないか?と。(^_^)v

    • Posted 2011/12/01 at 23:58 | Permalink

      なるほど〜、そうだったんだあ。ありがとうございます。(プロセッサーの話)
      で、私が出てくるといつも話がそれるんですけど、「アリに危害は・・」の話、どうも冗談ばかりではないような気がして調べてみたら半分マジでした。
      No animals were harmed(ここでは、No ants were harmed ですけど) は、動物を撮影に使った映画にはアメリカ動物愛護協会(American Humane Association)の指導により、動物を虐待してないことを表明するために入れるのが慣例になっているんですね!知らんかった!
      で、これを逆手にとったパロディなdisclaimerもけっこうあるようで、アリさんの場合も半分パロディ、、、なのかな?

    • Posted 2011/12/02 at 00:17 | Permalink

      わわ。(゚Д゚;) まさか、博学な T.Yoshi先生がハリウッドで日夜厳しく目を光らせている AHAの事を知らないとは想定しておりませんでした(笑)!
      先ほどのご返答は、AHAの存在と動物が登場するすべての映画のエンドクレジットに必ず出てくる「No animals were harmed.」メッセージをご存知であれば、このアリさん保護のメッセージはそれのパロディであることがわかりますよね〜?という主旨で書いておりました。

    • Posted 2011/12/02 at 09:38 | Permalink

      いやあ、そんなクレジットあったんですね。気付かなかったあ!ハリウッドも黙るAHA。大変だなぁ。パロディしたくなる気持ちもわかってもんです。確かに昔の西部劇なんか、馬大変そうとは思うけど・・・
      P.S. スペル間違い、ants でした。おばさん被害なしじゃないです(笑)。訂正よろしくお願いします。

    • Posted 2011/12/02 at 15:29 | Permalink

      ちなみに、ハリウッド映画には他にも「すべての映画に目を光らせているロビー団体」が他に幾つもございますよ!中でもAHAと並んで有名なのが「全米黒人地位向上協会/全国有色人種向上協会(NAACP)」。ここが厳しいチェックをするので、主要キャストには一定比率に従って白人以外の有色人種を含まねばなりません! …他にも沢山あると思います(笑)。(^_^;)
      叔母さん → アリへの修正、完了しました!

    • Posted 2011/12/02 at 21:58 | Permalink

      はあ〜!NAACPですかぁ!こういう諸団体に「見守れ」ながら映画を作るっていうのも大変なもんですねえ〜。いやあ、何となく見えてきました。やっぱり巨大産業ですね。

  3. akira
    Posted 2011/12/01 at 13:11 | Permalink

    raitankさん、

    昨夜僕もこのテスト映像みました。
    Phillip Bloom氏も絶賛していますね。

    Canonのプレゼン用映像よりも遥かにC300の性能の一端が見れる物だったと思います。
    番興味深かったのがガンマ設定の違いで、
    C300がドラマ、報道、映画と様々な状況に対応可能という幅の広さを見せていると思います。

    ピクチャースタイルには対応するのでしょうかね?

    • Posted 2011/12/01 at 15:06 | Permalink

      ありゃホント? >Bloom師匠 余りにも多くのサイトで採り上げられ絶賛されていて、Bloom師匠んとこは見落としました。(゚Д゚;) あちゃ
      いやでも。ヘンな話、Vincent Laforet先生のMobiusよりも、これを見たほうが C300欲しくなるんですけどね〜(笑)。あの Canon LOGのグレーディング耐性とか、自分でいじってみたくてウズウズしています!

      あ、あと C300は中身の動画エンジン部分が、まんま XF305(ビデオ)ということで、EOS(一眼)の機能である「ピクチャースタイル」は備わっていないそうです。これは、1-300さんが InterBEEでCanonブースのかたに尋ねたと仰ってました。(^_^)v

    • akira
      Posted 2011/12/01 at 17:13 | Permalink

      そうですか、
      ピクチャースタイルが備わっていないのは残念ですね。

      なかなかスチルカメラとビデオカメラの良い部分を合体させるのは難しいようですが、
      なんとか仲良くやっているようで、未来は明るいですね!

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