音声収録の憂鬱

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安い!軽くて小さい!簡単接続!と三拍子揃っているAudioTechnicaのAT9941。たしかに便利ではあるのですが、もともと5D MarkIIのオーディオ回路がかなりチープなこともあって、ヒスノイズがひどいです。ステレオ収音できるのは嬉しいものの、ノイズレベル的にはカメラ本体の内蔵モノラルマイクのほうがまだマシでは?というレベル。

また(実はこちらの方が問題なんですが)今さらながら気がついてみれば、5D MarkIIにはヘッドフォン端子がありません。つまり、撮影時に収録音声のモニタリングができない(!)。また、「使うと無条件にノイズレベルが上がる!」ユーザー泣かせのAGC(オートゲインコントロール=自動音声入力レベル調整機能)以外に、不意の過大入力に対する防御策がなにもないというのも困ったところ。5D MarkIIは、とにかくどこからどう突いてもビデオカメラのように “同録”(映像を記録すると同時にカメラ内に収音)するのは無理!というのが結論のようです。

もちろんプロの現場においては “同録はあくまでサブ” であって、カメラマンのほかに風防をかぶせたショットガンマイクをブームポールに挿し、デジタルレコーダーを抱えた専門の “音声さん” が控えているのでしょうが、ボクのようなワンマンユニットには無縁の世界です。また、今まで音声に関しては幾度となく “痛い目” に遭っているので、ヘッドフォンによる音声の確認は断固として外せません。さてどうしたものか?

世界の5D MarkIIユーザーはどうしているのでしょう? …と調べたら、出てくる出てくる。さまざまな見解と処方箋。で、どうやら皆さんの一致した対策としては…

独りダブルシステムの導入。

これに尽きるようです。ダブルシステムとは、映像は映像、音声は音声で別々に収録して、編集時に同期をとる、伝統的な映像制作手順のことですね。これを小型レコーダーをカメラにマウントすることで、サウンドマン+カメラマンの二人体制ではなく、一人でやってしまえ!と。要するに、収音に関する機能、音声品質ともに 最低な 最低限の機能しかない5D MarkIIにはハナから録音させないという、いわば武士の如き潔い対処法…。

この独りダブルシステムに使う収音機器としては、日本のZoomというメーカーから出ているH4nというステレオマイク内蔵型のポータブル・レコーダーが業界標準の位置にあるようです。

http://vimeo.com/4782593
また、上のビデオでは映画の制作風景でお馴染みの「カチンコ(本当の呼び名は “スレート”)」を使った映像と音声の同期の取り方を紹介していますが、我らがPhilip Bloom先生が魔法のような “全自動音声同期ソフト” を紹介していました。その名も「Plural Eyes」。Final Cut Pro用、Sony Vegas Pro用(32bit版/64bit版)ともにたった$149のこのソフトは、タイムライン上に別々に読み込んだ映像と音声を、クリック1回で自動的にシンクしてくれます。
▶ Singular Software社の全自動音声同期ソフト:Plural Eyes

で、結局ボクはどうしたか?というと、ダブルシステムの理屈はよく解りましたし、Plural Eyesもさっそく購入してその簡単さ、完璧さに驚きましたが、やはり毎回シンク作業を行うのはカッタるい。なので、基本、ステレオマイクSC-50を外部レコーダーにつなぎ、レコーダーからのライン出力を5D MarkIIに送って収音すると同時に、同じくレコーダーからのヘッドフォン出力で音声モニタリングをする方向で行くことにしました。

そしてボクが選んだレコーダーは、ZOOMのH4nではなくTEACのTASCAM DR-100でした。H4nの方が安いし機能的にも問題ない雰囲気なのですが、一点だけボクの使い方では問題が生じる点がありまして。H4nは、ライン出力端子がヘッドフォン端子と兼用なのです。これではライン出力を5D MarkIIに送って収音しながら、同時にモニタリング、という作戦が敢行できないのでした(TEAC DR-100には独立したヘッドフォン端子があります)。

すべての “道具” を装着したボクの撮影時の装備は一番上の写真の通り。なんだか大変なことになってますが(汗)、これにて、ようやく5D MarkIIでの音声収録問題が解決しました。もちろん、撮影時には必ずヘッドフォンでモニタリングしています。

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