さて。NAB2012も無事閉幕し、今年もまた色々モロモロ新しい機材が登場したわけですが、皆さま的には何が一番「Wow!」だったでしょうか? ボクはやはりなんといっても Blackmagic Designさんの Cinema Cameraでした。知れば知るほど “困ったカメラ” であることが明らかになってきていますが、まぁボクなんかには逆にこれくらい “何もできないカメラ” の方が丁度いいよなぁ〜なんて、すでにすっかりシンパです(笑)。
ま、それはそれとして、主に自分の備忘録として遂に出揃った本命カメラたちに関するグーとブーを記しておこうと思います。あくまでボクの個人的なぼやきなので、きっとアナタのお役には立ちません。ま、たまにはそんな記事も。…ていうか、ごめんなさい。
俎上に上げるカメラは、Sony NEX FS-700、Canon Cinema EOS 1D C、そして BMD Cinema Cameraの3台。Canonさんからはもう1台、C500も出ましたが、こちらは最初から「所有するもの」として作られていないので、Arri Alexaや RED Epicと同系列の、レンタルするカメラなんだなと理解してスルー。
➡ Sony NEX FS-700
好き:現状最強の価格vs機能バランス
標準装備のハイスピード(スローモーション)撮影。NDフィルター内蔵。4K出力を約束。SD/SSDへのダブル収録。
嫌い:“整理する強い意志” が欲しかった筐体デザイン
すべての面にボタンボタンで場所が足りず左右XLR端子が奇妙な配置へ… など、「好き」と言うにはかなり勇気がいる筐体デザイン。この位置から真上に開く液晶。
定価 | 約80万円 |
ダイナミックレンジ | 非公開 |
最大ISO | 16,000 |
最大フレームレート | 240fps@1080p |
解像度 | 1080p(4K Ready) |
センサーサイズ | 4K解像度@スーパー35mm |
レンズマウント | E-マウント |
録画形式 | AVCHD |
メディア | SDカード/Sony 128GB SSD |
電源 | Sonyバッテリー |
備考 | 3G HD-SDI、NDフィルター内蔵(2、4、6ストップ) |
➡ Canon Cinema EOS 1D C
好き:一眼筐体で本体内4K収録
ギリギリ、威圧感の少ない一眼筐体。本体内 4K。異常に高い実効感度。Canon-LOGとPictureStyleの両搭載。
嫌い:1D Xに4K機能とヘッドンフォン端子が付いて60万円高?
HDMI端子を筆頭に民生規格端子のみ+顕著なローリングシャッターなど一眼ムービーの欠点をすべて引き継いだまま、4K収録できるようになっただけでこの値段〜?(汗)
定価 | 約120万円? |
ダイナミックレンジ | 12ストップ |
最大ISO | 204,800 |
最大フレームレート | 24fps@4K/60fps@1080p |
解像度 | 4K/1080p |
センサーサイズ | 35mmフルフレーム |
レンズマウント | EOS EFマウント |
録画形式 | 4:2:2 イントラ Motion JPEG@4K/4:2:0 MPEG-4@1080p |
メディア | CFカード |
電源 | Canonバッテリー |
備考 | HDMIから非圧縮1080p、Canon C-LOG、PictureStyle |
➡ BMD Cinema Camera
好き:市場最安値のRAW動画収録カメラ
汎用SSD使用可能。RAWに加えてProResでの収録。フルHDより少しだけ大きい画角。操作性、機能がすべてミニマム、されど気が効いている。
嫌い:困ったポイントだらけの劣等カメラ
バッテリーは内蔵しちゃダメですよ。 豆センサー+EFマウントで広角が地獄必至。しょぼ過ぎる最大感度(ISO1600)。タッチセンサー液晶はヤだって言ったのに(泣)。
定価 | 約30万円 |
ダイナミックレンジ | 13ストップ |
最大ISO | 1,600(ネイティブ:ISO800) |
最大フレームレート | 30fps@1080p |
解像度 | 2.5K |
センサーサイズ | スーパー16mm(およそ) |
レンズマウント | EOS EFマウント |
録画形式 | 12bit RAW(Cinema DNG)、ProRes、DNxHD |
メディア | 市販SSD |
電源 | 内蔵(持続 1.5h) |
備考 | 5インチ・タッチスクリーン液晶、SDI出力端子、外部電源端子、バランス音声入力、フルスペック DaVinci Resolve付属 |
…あとは、願わくばBMDシネマカメラにおかれましては、公式発表通り、機能的にはほとんど何もできないままで良いので、『おぉ〜味があるねぇ!』っていう方向にチューンされることを祈るばかり。良くも悪くもどうせ大したカメラではないんですから(笑)、あえて凄いカメラになろうとせず、長いこと使っていたくなるような “味のあるカメラ” を目指して頂ければ… と。
18 Comments
B&Hも(現状FS700は)海外注文restrictedなのが残念っ!でなきゃ今すぐにでもポチりたいところでした(資金工面も考えず)。
国内価格、定価は勘弁なんですケド業務機なんでほとんど落とさないでしょうね、きっと。うむむー。
raitankさんの旅行アイデア、いいですね〜。NY行って帰りは手にFS700…そんな夢のような旅行してみたい!
あらま。海外注文、いつの間にか restrictedになってましたか!? ボクが先日見た際には、「あ、FS700は大丈夫っぽいな」と思ったんですが…。こういう海外発送不可商品が最近どんどん増えてきましたねぇ〜。ま、これはこれで「蛇の道はヘビ」で、US住所経由の配送サービスがあるんでどうにでもなりますけど(爆)、でもいっそホントに事前に在庫確保して旅行に出かけちゃうのが良いですよねぇ〜(笑)。
FS700、USで8000ドルらしいですね。為替ルート無視のプライシングですね!w
http://www.bhphotovideo.com/c/product/853273-REG/Sony_NEX_FS700_4K_Ready_High_Speed.html
「ザ・破格!」ですね〜、ホント(笑)。これなら、週末に NY旅行を兼ねて海を渡り、B&Hで FS700買ってセントラルパークでテスト撮影して帰国したって、日本で買うよりも安いっす!(笑)
はじめまして。いつも楽しく読ませていただいております。
本日、SONYの本社で開かれたセミナーでFS700の実機に触ってまいりました。
写真で見るとFS100とあまり変わっていない印象でしたが、FS700は、FS100のガタガタな安っぽさが大きく改善されたようでハンドルやグリップもガッチリしており、スイッチ類の感触まで値段にふさわしい高品質◎なカメラになっておりました。
しかも、驚いたことにグリップにF3のようなズームレバーが!!( VG20みたいに拡大フォーカスボタンもシャッターボタンも付いている。 )
担当者は都合上、明言を避けましたが、どうやら SONY もEマウントでパワーズームを準備しているようです。
また、ファームアップで4K対応というのは、まだまだ先の長い話 ( 1年くらい先かなぁ〜と、いってました。 )みたいで、今のところフォーマットも未定、センサークロップで3Kやら2.5Kなど中途半端な出力はしない方向みたいで、どうやら4Kの標準フォーマットを規格化しようとしているみたいです。
いずれにせよ4K収録は転送速度の関係上、将来的にも内部収録は難しいらしく外部レコーダー必須のようで現在、SONYも開発中との事。
私的に一番気になっていたハイスピード撮影の方は、どこかで記事に書かれていたような画質の劣化は ( 展示機とつながった有機ELモニタで見る限り ) なさそうで安心しました。
こちらでBMDのシネマカメラの存在を知った時には一瞬、心が傾きましたが、本日FS700の実機に触って私の本命はFS700に決定いたしました。
いまから6月末の発売が非常に楽しみです。
ハイスピードに関して、240fpsまでは心配される様な画質劣化は起きない筈ですよ!
480fpsではラインスキップで、960fpsではセンサークロップ+ラインスキップという事らしいので、解像感云々の論議は、480fps以上で撮影された映像なのではと思います。
本体に関しては、FS100の時に感じた「柔さ」みたいなのが、完全に払拭されてますよね。
個人的にはC300みたいな「縦」に握れるグリップが欲しいです!
takaさん、どうも! そうですね、240fpsまではセンサーの読み出し速度の高速化のみで実現している筈ですものね。…なのに、なぜか甘く見えるんだけど?って話が、海外では何件か記事になっていたんですが、ま、気のせい(もしくはピントの問題とか)ではないか?と思います(笑)。
あと、Hiroshiさんのコメントにも書かれてましたが、グリップにシーソーコントローラーが付いたっていうのは良いですねぇ。最近、一眼にもパワーグリップが欲しくて色々調べていたんですが、やっぱSONYさん、ツボを押さえてきますねぇ。。。(^_^)v
Hiroshiさん、初めまして!&貴重な情報をどうもありがとうございました。(^_^)v
私はどうも、FS100のプラスチッキーな筐体と、それから「ボタンお化け」なところが生理的にダメで…(汗)。でも、FS700は少なくとも筐体に高級感が宿ったのですね、それは素晴らしいです。機能的に、そして価格的に、どう考えてもこのカメラが今年春一番の大本命ですものねぇ〜。
4Kは一年以上先!というのも現実的にそれくらいのスケジュールで良いんじゃないですかねぇ? モニタも編集環境もワークフローも、まだ全く4K制作って現実的じゃないですものね?(そんなこと、ないんでしょうか?)なので、規格化してからというSONYさんは、やっぱ手堅いなぁ〜と感心しました。
なにはともあれ、Hiroshiさん。今後ともどうか宜しくお願いします。
映像がこれからの国が、このBMDのカメラでどうやってくるか?とても興味津々です。
このスマートフォンやRetinaのiPadがある時代に、なんかやってくれそうな気がしてしょうがない。(笑)
もちろん、仕事だと安全な方向に行きがちですけど、これでこんなことするの〜?ってのが必ず出てくるからなぁ。GoProのCineStyleといい、気になります。
なのでとりあえず、1台うちのスタッフの為に買っちゃおうかなと。(笑)
なんか masaruさんのコメントと同じような意味で、ボクはあながち映像先進国内においても、これからようやく “いわゆるシロートさん” が突拍子もないことを始め出すのでは?とちょっと期待しています(巷で密かに流行っている自作ステディとか)。
なんか「写真」に比べて「映像」って、往年の 8mmカメラの衰退と一緒にノウハウも何もすべてどこかへ霧消してしまってるじゃないですか。どこのご家庭にもあるビデオカメラは、ほぼ100%『子どもの成長記録を撮る道具』みたいなものに成り下がってるし。編集もしないし。誰も見ないし(笑)。これがもう少しユニークな趣味の道具へと復権していってくれたら楽しいかな〜?って。
この三つだとFS700が無難なんでしょね(^_^;)
個人的にはHSがカメラ単体で撮れるのは大歓迎!
メニューやSWのレイアウトなどは慣れたSONY。
VFだけは「なんとかならんのかァ!ゴラァ!」ですけどw
BMD-CCも存在自体がオモシロく楽しみなカメラですね〜( ´ ▽ ` )ノ
デジイチスタイルは録音が二度手間三度手間なので
この価格まで出すのなら他のに行ってしまいます(>_<)
早く我らがGH2やAF105の後継機がどんな風になるのか
知りたいです(^_^)
とか書きつつ仕事的にはNX5Jの後継も気になるのでしたw
そうですね、誰がどこからどう見ても、FS700が「無難」だと思いますです。ボクは、なんか FS100を初めて見た瞬間、反射的に「わっ。ばっちい!」と思ってしまった余韻(?)で、いまだにちょっとこのデザインには馴染めないんですが、馴れれば別にフツーなんでしょうねきっと。(^_^;)
あとは仰る通り、「Panaさんの逆襲!」に期待を寄せつつ、ボクは BMD CCの登場を待ちたいと思います(笑)。
はじめまして。BMDシネマカメラ、書かれていらっしゃるように広角側に難有りだと思いますが、トキナの新しいAT-X 116 PRO DX II 11-16mm F2.8(aps-c用)とかなら約28mm(35mm換算)くらいになり、ぎりぎり使えなくも無いような気もします。トキナのこのレンズはフォーカスリングなどの回転方向がキャノンと逆だと思いますが。
55catcatcatさん、こちらこそ、初めまして!(^_^)v そうですね。仰るように Tokinaや、あるいは Sigmaや、幾つか使えそうなレンズがあって、ボクも昨日とか、どこの何が広角に使えそうか? ボーッと眺めてました(笑)。ちなみに、BMD CCのクロップファクターは「約2.4倍」くらいですよね? とすると、AT-X 116 PRO DX II 11-16mm F2.8= 26.4-38.4mmくらいになる計算ですか。うん、丁度良さそうですね。値段も実売5万円以下と手頃だし。いいかも!
あ、「2.5倍」で計算してました。いずれにせよ、T値で3より明るいレンズでないとムービーには厳しいと思います。BMD CC、感度低そうですし。このカメラはタッチパネル操作はともかく、デザイン的にはとても良いですよね☆愛着が湧きそうです。FS700とか実戦的でしょうし、HSは大変魅力的ではありますが、デザインがどうも…。かっこいいデザインじゃないと現場で萎えますwww
いえいえ 55catcatcatさん。人によってはクロップファクターは「2.3倍」だっていう人もいて、よく解らないんです(APS-Cとかマイクロ4/3も、普通に計算したら厳密には「1.5倍」とか「2倍」じゃないですものね?)。しかも、EOSHDさんなどを見ると、BMDが採用したセンサーは実はローリングシャッターではなくグローバルシャッターを内蔵している!なんてスクープ記事を書いてたりして。色々とまだ情報が錯綜しています。。。
かっこいいデザインじゃないと、使っていて萎える。ボクも同じく、です(笑)。(^_^;)
55catcatcatさんご紹介のトキナのAT-X 116 PRO DX II 11-16mm F2.8は世界のBMD-CCユーザーがこぞって買い求めるのではないでしょうか。
BMD-CCの売れ行き次第ではトキナ自身も首をかしげるような大ヒット商品になったりして。(^^)
BMD-CCを購入予定なら、このレンズは予約必須かもですね。
しかし、期待に盛り上がるBMD-CCですが、何しろメーカー初のカメラということで、実際の所どうなんだろうと、ワクワクする一方で不安も小さくないです。
自分はしばらく様子見するつもりです。(^^;
お値段も手頃ですし、冗談じゃなくてマジそういう展開になりそうですよね〜。…と思う反面、BMD CCを買い求める人たちって、実際のところ何人くらいいるんでしょうね?(笑) 案外、ボクなんかが想像しているほどいなかったりして。(>_<) 全世界で3万台くらい、とか(笑)。FontVellaさん仰る通り、初号機は様子見!と、風見鶏を決め込む人たちのほうが多いんじゃぁ〜…?