EOSにはビデオカメラによくある “Cineガンマ” 等の映像用プリセットはないけれど、代わりに “PictureStyle” がある。EOS本体に一般的なPictureStyleプリセットが何種類か用意されているほか、PictureStyleエディター(付属ソフト)でオリジナルを一から作ることもできる。PictureStyleエディターは使い勝手の良いソフトで、トーンカーブをいじっては撮影 → 確認という単調な作業を、EOSをリモート操作しながら楽々と行うことができる。
…んですけど、問題はそうした煩雑で根気のいる作業そのものではありません。汎用性があり、いかなる状況でも使える色調カーブなんてぇ代物を作ること自体が至難の業!なのです。
RAWで撮れる静止画であれば編集時に最大限のダイナミックレンジを復元できますが、動画の場合はそうはいきません。もともと “ライブビュー用のダダ漏れ映像を記録できるようにしただけ” とはいえ、EOSムービーはダイナミックレンジが極端に狭いので、PictureStyleはすべからく「フラット」であることが最低必須条件です。白飛び/黒潰れのない、コントラストの低〜い絵で収録しておかないと、編集時に色の補正や調整が全くできません。
さて。最初から入っているプリセットをちょいと眺めれば、使えるのが「ニュートラル」だけであることは誰にでもわかります。が、Stu Maschwitzさんを始め、海外のフォーラム等で広く推奨されているのは、この「ニュートラル」をベースにして、更に「コントラスト」を0に、「色の濃さ」をー2にした設定です。ボクも今まで基本これで攻めてます。
以下、同じく海外のフォーラム等でよく紹介されている有名なPictureStyleたちです(クリックするとzip圧縮されたPictureStyleファイルがダウンロードされます)。
▶ Advanced_Flat
▶ superflat01
▶ Genesis_Panalog4_WIP
▶ marvels_cine_v2.1_panalog
▶ Cinegrey
3番目と4番目は、ファイル名から推察される通り、どちらもPanavisionのGenesis Panalogの色調をシミュレートすることを狙った野心作ですが、以下のテスト映像にある通り、少なくともうちの5Dでは全然それっぽい絵になってくれません。というか、むしろ肌色や白が思いっ切り破綻し、色が飽和しちゃってます。なにか使い方を間違っているのだろうか?(泣)
[PictureStyleのテスト]
逆に、今回テストした中でツボだったのは、一番最後の「Cinegrey」。これは一番上の「Advanced Flat」と同じ、James Millerさんというかたの最新作(2010年10月発表)ですが、いやはやなんとも、実に素晴らしいです。
パッと見、「ニュートラル」とほとんど同じ自然な色調であることがわかりますが、スコープを見比べてビックリ仰天(下の画像はクリックで拡大)。「Cinegrey」の方は、上も下も余裕たっぷり! 見た目は「ニュートラル」とほとんど同じなのに、黒をまだまだ引き締められる味付けには驚くばかり。
…というわけで、今年は Millerさんに感謝しながら Cinegrey で行くことに決定です。
2 Comments
ところで最近気になるのは被写体となっている女性なんですけど。w
えええ?いつぞや葉山にも連れてった人が、その後順調に所帯じみただけなんですが…(笑)