徹底レビュー:DJI Osmo RAW(Zenmuse X5R+Osmo)

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※ 画像はすべてクリックで拡大

▊ イントロダクション
ドローン撮影用に開発された M43マウント搭載・小型 4Kカメラ『Zenmuse X5R』を『Osmoハンドル』と合体させた手持ち撮影用三軸ギンバル・スタビライザーを、Osmo RAWと呼ぶ。
▶︎ DJI:Zenmuse X5R

思えば Osmo RAWのことを初めて耳にしたのは、昨年(2015年)の InterBEE直前のことでした。
ぼくは世に言うアクションカムの類には全く食指が動きません。タフで小型なアクションカムのおかげで、生まれて初めて目にすることができた世界が多々あることには敬意を表しつつ、画質がどーしても好きになれない… という理由でパス。GoProから Osmoまで全てをスルーし続けながら生きてきたのですが、そんなぼくの耳にも M43マウントを搭載した Osmo RAWは「スゴイらしい!」という噂が届きました。

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当然、InterBEEでの「練り歩き」では Osmo RAWが最優先取材希望機材だったのですが、DJIブースに下見に行くと… Osmoはあるし X5Rもある、けれどその二つを足した Osmo RAWはまだない… 状況でした。話を伺うと、二つを接続するための「アダプタ」が、まだ開発中であるとのこと。かくして DJIさんとの間にコンタクトはできたので、Osmo RAWの準備ができた暁には、ぜひ試用させて欲しい旨お伝えしたのでした。

▊ 高まる期待
「Osmo RAWの出荷準備が整いました!」。そんなニュースが舞い込んできたのは、今年の5月末。なんと InterBEEでの問い合わせから7ヶ月後のことでした。
その間、ぼくのような泡沫映像人でも Osmo、Phantom3、Phantom4、Inspire1など DJI社製品を仕事で使わせて頂く機会が多々あり、改めて世はドローン時代なのだなと再認識。また、これら小型オール・イン・ワン・ドローンで収録した映像データがどういうものか?についても、ある程度の知見が蓄積されていました。

敢えて言いますが、『Phantom等小型ドローンの映像は “撮って出し” で使うものであって、収録後にグレーディング等でいじるのは極力避けるべし!』というのが、ぼくの認識です。どうあがいても、低ビットレート、極小センサーの絵です。後処理でいじっても “汚れていく” だけで、感じのいい絵には、まずなってくれない印象。
ですが、2.4Gbpsという充分過ぎる最大ビットレートを誇る Osmo RAWの心臓部(Zenmuse X5R)は、ダイナミックレンジ 12.8ストップ(!)の 4K RAW収録に対応し、M43マウントが奢られた立派なカメラです。これはグレーディング耐性も高いに違いありません!

▊ Osmo RAWコンプリートキット
というわけで、こちらは6月初旬に届いた Osmo RAWコンプリートキット(?)です。

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ちゃっかり RODE VideoMicroが標準キット然と付属しているのがご愛敬。でも、それより何よりバッテリーが剥き出しの Phantom3専用バッテリーというのが…(笑)。こいつを接続するために Osmoハンドル内にはダミーバッテリーを差し込んでケーブルを引き出すんですが、さて接続したこのドローン用バッテリーは、どこにどう格納すればいいのか?(汗)

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とりあえず小型のクッション入りレンズポーチに入れ、腰から下げる形で落ち着いたんですが、あまり格好の良いものではありませんね。

ただし、こいつで Osmo RAWを運用した時のバッテリー持続時間については大したもので、正確に計測したわけではありませんが、戸外で4〜5時間断続的に収録に使用して、まだ残量バーが2本点灯していました。ちなみに、この Phantom3用ではなく標準の Osmo用バッテリーでも運用できますが、その場合は Max 20分といったところでした。
丸一日の撮影を考えた場合、機動性(と見た目)重視で Osmoバッテリーを20本ほど用意しておくか、あるいは Phantom3用バッテリーを2本用意するか、悩みどころかも知れません。

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過日、ナント!Osmo RAWを個人で買っちゃった豪気な muuちゃんと Phantomバッテリーでの運用について話していたところ、ぼくの『クッション入りレンズポーチに入れて腰から下げる』スタイルにダメ出しを喰らっちゃいました。曰く、「No, No, raitankさん、そういう時はチョークバッグを使うんですよ!」

chalkbagへっ? チョークバッグってナンデスカ? (゚ρ゚)

山男が登山する時、手が滑らないようにつける “クライミングチョーク” という白い粉(炭酸マグネシウム)を入れるバッグ、だそうで、 ➡︎

なるほど、これはちょうど良いサイズ! しかも、Amazonあたりで死ぬほど種類豊富に取り揃えられていて、値段も数千円程度。これは素晴らしい〜!
▶︎ TKYSSTD:夏の懺悔 [DJI Zenmuse X5R]
▶︎ Amazon:チョークバッグ
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▊ X5Rとタテ揺れ
標準で付属してきたレンズは、DJI MFT 15mm f/1.7。DJI 15mmという名称ですが、フルフレーム換算 30mm相当/画角 72度の Olympus製レンズです Panasonic製レンズです(※ muuちゃんから「Olympusじゃなくて Panaですよ」とのご指摘。お恥ずかしい…)。30mmという画角は決して広くはありませんが、X5Rのスタビライズ効果は超強力なので、画角の狭さに起因して揺れが出る、などということはまずありません。また、もっと広い絵が欲しい時には、レンズ交換が可能な M43機である利点を生かして、Olympus 12mm f/2.0(同24mm相当/画角 84度)を使うという手もあります。

というところで、さっそく一つ、拙い作例をご覧いただきましょう。



興ざめ覚悟で、すでに三軸ギンバルを使っている諸兄には言わずもがな、でも使ったことがない方々には伝わらないかも知れない『見ていただきたいポイント』を解説しておきますと、ザッと以下を網羅した作りになっています。

 – 子どもたちの動きに追随して、歩いて、あるいは走って捕捉
 - 舗装された歩道ではなく起伏のある土や草の上での移動
 - 階段のない急な坂道の昇り/下りの移動
 - 背面から追いかける/前から引っ張る/横に追う動きのミックス
 - 浅いフォーカスと深いフォーカスの使い分け


そして全編にわたって『タテ揺れが出ていない』ことに注目して欲しいのです(自慢に非ず。…というか、ぼくなどまだまだ全然甘いんですが)。今回の Osmo RAWに限らず、以前話題になった FilmPower Nebula4000をはじめとする、いわゆる三軸ギンバル系の電子スタビライザー。あるいは更に以前から定番だった Steadicam Marlinを含むすべてのアナログ・スタビライザーも同じですが、どうもスタビライザーに関し「〇〇はタテ揺れが出て使えない」という主旨の苦言を呈する人が非常に多い印象があります(シロートだけでなく業界人の中にも)。

Osmo RAWに関しても、特に海外系ブログ(けっこう有名なサイトを含む)のレビューに掲載されている作例などで『縦揺れがバリバリ出たまま』のものが多く、中にはご丁寧に「Osmo RAWは小さく軽いので縦揺れを防ぐのが大変」といったコメントを堂々と開陳するレビュアーまでいて、「おいおいアンタそれは…」と開いた口が塞がらない状態です。なぜなら、縦揺れが出るのはスタビライザーのせいではなく、純粋に『使用者の歩き方の問題』だからです。

ぼくは “猫足” と呼んでいますが、この正しい歩き方ができなかったら、例えウン百万する Steadicam最上位機種を使ったところで『縦揺れは出る』ということ、そろそろ常識になっても良い頃ではないでしょうか。

▊ 撮影モード「S」を使ってみたが
実は上の作例でもう一つ着目していただきたいのが、ところどころ発生しているフリッカー的なチラつき。これは X5Rを「シャッター優先モード」で運用した際、使用したレンズ(Olympus 12mm f/2.0)が絞りを調節する際に発生してしまったようです。

Osmo RAWのような小型のスタビライザーを使った撮影は、一人でこなすことが多いのではないでしょうか。その際、動画撮影でも撮影モード(A/S/M/オート)の選択ができるのは、Osmo RAWのアドバンテージ!と期待していただけに、フリッカー発生はとても残念です。具体的には、作例の冒頭を見てください。西日が差しこむ時刻の戸外。子どもたちは逆行日陰から逆行日向へと走り出していきます。続いて順光日向から日陰へ、最後は光がほぼ全く回っていない納屋の中へと入っていってしまいました。

縦揺れを出さないよう、坂道の傾斜やデコボコした土の大地を“猫足”で進みつつ、このすべての光の状況に応じて手元の iPhoneのタッチスクリーンで露出や ISOを調整し続ける。 …そんな難易度の高い操作は、特に今回のようなシナリオのない状況下での撮影では現実的ではありません。

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そこで登場するのがシャッター優先モードです(30p撮影時/1/60秒シャッターで固定、など)。あとは 12.8ストップの広いダイナミックレンジを信じて、露出と ISOの調節はカメラにお任せ〜!という作戦を展開した次第でした(言わずもがなですが、シャッター優先モードにしたのは“プライベート・ライアン効果”を避けるためです)。

残念ながらフリッカーは発生してしまったものの、そのチラつきを除けば、日向/日陰、順光/逆光、どんな状況でも露出は常に適正値に調整されました(調整速度と滑らかさは少々難ありですが…)。最後の納屋に入るところは、さすがに調整の追随速度が全く追いつかないのでグレーディング時に戸外用/納屋内用、二つの露出設定を作ってフェードしましたが、暗部を持ち上げたら屋内の情景がしっかり浮かび上がってきたのは、さすがは RAW収録!です。

これで絞りがシームレスに動くレンズさえあれば、シャッター優先モードはソロ運用時の強力な助っ人になるのに。ちょっともったいないですね。

▊ Micro SDへの同時記録
Osmo RAWは、その名の通り、基本的に RAWデータしか収録できません。つまり録画済みデータは、いちいち現像するまで内容の確認すらままならない!ということになります。かといって、現像するには CineLightという専用ユーティリティを(=パソコンを)使う必要があります。
これでは現場でイロイロと困ってしまうので、Osmo RAWでは専用 SSDに加え Micro SDカードにも映像が同時記録される設計になっています。

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Micro SDカードに記録されるのは、H.264ベースの AVC 4Kデータ。実際に検分してみたところ、ビットレートは約 60Mbit/秒となっており、やはりプレビュー用映像としか言いようがない低ビットレートのデータであることがわかりました。また、興味深いことに SSD内の RAWデータと Micro SD内の AVCデータはタイムコードベースでは同期しておらず、尺も若干違うようです。

とはいえ、これは一つの録画ソースから「本映像」と「プロキシ映像」を作り出しているのではなく、二つの独立した録画経路から二つの独立したメディアへ記録していることを考えれば、ある意味、当然。 …いや、でも、それではプレビュー映像がプロキシ編集には使えませんよね?

というわけで、実は現像ソフトである CineLightには、このSSDメディアと Micro SDメディアを同期させる仕組みが用意されています。CinemaDNG出力時のオプションである「Range」を実行すると、Micro SDメディアを参照して SSDメディアから余剰フレームを間引いたデータを書き出してくれるのです。

SD_SSD
お〜これは面白い!と思ったのですが、残念ながらこの仕組みは(少なくとも本稿執筆時点で)上手く機能してくれません(泣)。SSDメディアは毎回必ず Micro SDメディアより長めに書き出される(= RAWと AVCで尺が違ってしまう)ため、プロキシ素材としては使えない感じです(ま、これはソフトの問題ですので、早晩アップデートで修正されるとは思いますが)。

…と、なにやら本当に『単なるプレビュー映像ですから』的な Micro SD内 AVCですが、実はこれがけっこうイケるんです。下の作例は、それこそ撮って出しもいいところ、ただ撮影して繋いだだけ。グレーディングはおろか、プライマリのカラコレすらしていない生映像ですが、いかがでしょうか。



H.264ベースの低ビットレート映像ではあれど、へんな輪郭強調等のアーチファクトも見受けられず、非常に素性の良い素直な映像という印象です。これをベースにグレーディングして… などと高望みしない限り、これはこれで普通に使える気がします。しかも、「Art」や「Vivid」、「Dream」や「Classic」など、10種類にも及ぶ “こってり系” 「カラープロファイル」が用意されているので、後からグレーディングするのではなく、最初から決め打ちプロファイルで絵作りを適応して撮影していくことも可能です。

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さて。察しの良い読者の皆さんの中には、お気付きになられた人もいるかも知れません。上の『Micro SD内プレビュー映像の撮って出し作例』では、シーンによって若干 “縦揺れ” が出ちゃってます。上記、自慢の猫足はどうしたんだよ!? …いえ実は、この作例を撮る10日ほど前、バイクで転倒して左足首を骨折しちゃいましてね…。

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足首骨折といったら大事件!ですが、まぁメインの太い骨(脛骨)ではなく、その傍らにある細い骨(腓骨)が1本スッパリ綺麗に単純骨折しただけでして、大したことはありません。医者に勧められたギプスも松葉杖も拒否し、欧米式にテーピングだけで現在も自己療養中ですが、さすがに撮影時(事故後10日)には、まだ猫足ができなかった〜(泣)!というお粗末な縦揺れです。ご容赦ください。
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▊ 収録後のワークフロー
さて改めて書きますが、Osmo RAWには、RAWデータ収録用の専用 SSDと、プレビュー映像用の Micro SDカードの両方が必要です。ここで重要なのは、Micro SDカードが入っていないと SSDへの RAW収録もできないということ。Osmo RAWは AVC 4Kカメラである X5の発展形だから、でしょうか。Micro SDカードが入っていれば、とりあえず AVC 4Kでの収録はできます。ですがなぜか?SSDだけだと「SDカードが入っていません。」とエラーが出て、撮影ボタンがアクティブになりません。

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Osmo RAWについて書かれたほうぼうのレビューを拝読すると、512GBの専用SSDが一枚¥20万弱と高額なこと、また収録データが不可視化されていて、CineLightという専用現像ソフトを介さないとデータコピーすらできないことが悪い意味で話題になっています。さらに、CineLightを経由したデータ書き出し時に、気の遠くなるような書き出し時間がかかることも問題視されているようです。
ぼくも試しに… と、512GB SSDに目一杯収録した RAWデータを ProRes(HQ)に書き出してみたところ、タスク終了までになんと! 13時間半もかかり、腰が砕けました。

…ですが、これは DJIさんがそのような選択肢(ProRes等へのフォーマット変換書き出し)を用意したことが “過剰な親切、かえって迷惑” だったというだけの話。本来あるべき姿である、『Osmo RAWからのデータ書き出しは CinemaDNG 一択!』にしておけば良かったのです。なぜなら、512GB(=40分相当)の Osmo RAWデータをシンプルに CinemaDNGへ書き出した場合には、たった 60分しかかからないのですから(13時間半 v.s.1時間って…(笑))。

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これはデータ容量を変えて何度もテストしましたが、Cinema DNG形式への書き出しにかかる時間は、SSDからデータコピーする時間と大して違いません。莫大な時間がかかるのは、ProRes等へのフォーマット変換書き出し時だけです。ですから、Osmo RAWのデータは、例外なく、いつも必ず CinemaDNGに書き出すべし!以上。

…あ、『以上』じゃないや。もう一つ絶対に気をつけなくてはならないことがありました!

これ、他のレビュアーさんがワールドワイドで誰一人書いていないのが不思議なんですが、Osmo RAWが記録する RAWデータには、明らかに “仕様上の不親切(あるいは、またまた「過剰な親切、かえって迷惑」なのか?)” があります。

[raitank注(2016.10.04):以下に書いた問題は本稿公開後に解決されたか、あるいは最初からぼくの勘違いだったようです。CineLight上でのカラープロファイル指定にかかわらず、出力した DNGの色域は 8-bitにはなりません。ご安心ください。情報をご提供頂いた 240様に感謝します!(^_^)]

10_ColorProfileOsmo RAWでは、スマホアプリ「DJI GO」上から「カラープロファイル(10種類)」を指定できることを書きました。ですが、これは Micro SDに記録されるプレビュー映像用… のはずですよね? だってRAWは RAW、収録したままの生データのはず。カラープロファイルの指定がなんであれ、撮ったままのデータが記録されてくれなくては困ります。

いえ、SSDには RAW = 撮ったままのデータが記録されるんです。されるんですが、撮影時に「D-Log」以外のカラープロファイルを選んでいると、RAWデータに「色空間= sRGB」のメタデータが書き込まれてしまうのです。これが大問題! なぜなら、この状態で記録された収録済み SSDをマウントすると、CineLightが気を利かせて(?)「色空間= sRGB」に変換した絵を表示してしまうのです。

モニタ表示中のデータに指定されている色空間(カラースペース)は、CineLightの画面右にある Calibrationsパネル内、DNGページで確認することができます。これが表示専用で出力データとは無関係なら問題はないのですが、CineLightのマニュアルによると、『このメニューで出力データの色空間を選ぶ』と書かれています。つまり、撮影時のカラープロファイルによってはココが無条件で sRGBになっている可能性があることを知らないと、痛い目に遭うかもよ?ということです。

colorspace

撮影時のプレビュー表示と Micro SDカードに収録する低ビットレートデータには、カラープロファイルを適応した “仕上がりがわかりやすい絵” を! つまり、D-Log以外を指定したくなるのが人情です。ですが撮影者が即・DIT、あるいは編集者であればまだしも、そうでない場合、うっかりそのまま書き出したら sRGB(=色域 8-bit)の CinemaDNG! …などというナンセンスなデータが書き出されてしまいます。

Osmo RAWをご使用になる皆様におかれましては、データ書き出し時には、必ず色空間が「D-Log」に設定されているか?確認をお忘れになりませぬよう!(ちなみにバッチ処理はできません。一つずつ設定変更する必要があります)。

▊ raitank的 総評
たぶん、その他のレビュアーの皆様たちとは比べものにならないくらい長い時間、Osmo RAWを使わせて頂いている幸運に身を震わせつつ、以下 raitank的総評です。

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というか、以上を読んでいただければ、ぼくが基本的に Osmo RAWをかなり気に入っていることはおわかり頂けると思います(笑)。イロイロと細かい部分で過剰に親切な作りにし過ぎて、かえって使いづらく… あるいは操作上の誤解を招きやすい点もありますが、この辺りは使っていれば自ずとわかるものです。また、今ノリに乗っている DJIさんのことですから、世界中から集まるフィードバックを受け、きっと迅速なファームアップで対応もしてくれることでしょう。

…と、褒めっぱなし!もアレなので(?)最後の最後に、敢えてマイナス要因にも触れておきます。

 – SSDレコーダー部に二つ装備されているファンが、かなりうるさい。
 - Osmoとは違い、不使用時にレンズを固定する機構がない。
 - Micro SDのスロット位置が微妙。接触すると簡単に飛び出すため要注意。
 - 動画撮影に対応した使用可能交換レンズが5種類しかない(2016年7月現在)。
 - 4K動画が 30pまで(DCI 4Kは24pまで)しか対応していない。


ここまで書いて沈思黙考1時間。これら以外には、特に非の打ち所は思いつきません。

本体価格 約¥50万(SSD1本付属)、+追加 SSD3本セット 約¥40万、+バッテリーほか周辺部材もろもろ 約¥10万 = 約¥100万を捻出できるのであれば、Osmo RAWは絶対に買って損はしない機材だと思います。
本体やハンドル側面に取り付けるローゼット式エクステンションアームほか、各部の作りもチープさが微塵もなく、好感触。使っていて楽しい上に、出てくる絵も格別。グレーディング耐性を含め、後処理にもバッチリ対応した本格的な、最大 DCI 4Kの映像が、この手軽さで収録できるのは驚異!
…な〜んて品良くまとめるのは、もどかしいな。ぶっちゃけ、本格 4K映像が撮れる上、ずっとホールドしていて腕がプルプルしない三軸ギンバルなんて、Osmo RAWだけでっせ奥さん!

22 Comments

  1. 240
    Posted 2016/10/04 at 10:02 | Permalink

    raitank 様

    初めてコメントを載せさせて頂きます。
    記事拝見させて頂きました。とても素晴らしい内容だと思います。
    一つ分からないのですが、X5Rで収録する時、DJIGOのカラープロファイルをD-LOG
    以外にした場合、CineLightでsRGBのDNGが生成されるというところなのですが、
    CineLightでDNGファイルで書き出す場合、指定したカラープロファイルを適用するには
    書き出しフォーマットをDNG以外にしないとApply calibrationsを選択出来ません。
    ということはCineLightの設定に関わらずDNGとして出力した場合はカラープロファイル
    がsRGBになることはないのではと思うのですがいかがでしょうか?

    • Posted 2016/10/04 at 11:26 | Permalink

      240さん、初めまして。拙レビューをお読みいただき、ありがとうございます。

      もともとこの部分を書いたのは、DNG書き出ししたデータを Resolveに読み込んだ時に「あれ?なんかヘンだな」と思ったからなんです。上と下が寸づまったレンジの狭い DNGが出てきちゃって。

      ぼくんとこはもうレビュー用に借りた OSMO Rawを返却しちゃったんで再検証不能&ウロ覚えの記憶しかないんですが、240さんは OSMO Rawをお持ちなんですよね? CineLightの Calibrations/DNGページ上での色空間指定を変えて DNG出力した際、書き出したデータに違いが生じませんか?

    • 240
      Posted 2016/10/04 at 15:00 | Permalink

      OSMOではなく、Inspire X5Rでテストしました。カメラは同じなので同条件だと思います。検証したところデータサイズに違いはありませんでした。Davinciで確認したところ両方16bitで見たところ同じだと思います。DJI JAPANに聞いて確認して見ますが、恐らくsRGBでのカラープロファイルにはなっていないと思います。

      一応、DJI GOのカラープロファイルがD-Logとnoneの両方でなおかつ、Cinelightでもカラープロファイルを変えて書き出して検証して見ました。

    • Posted 2016/10/04 at 15:41 | Permalink

      そうですか! では本稿執筆後に改善されたか? あるいは最初からぼくの勘違いだった、ということになりますね。
      ただ、この記事はうちにアップする前に PRONEWSさんに出してましてね。その際、公開前に DJI Japanの技術の方に内容をチェックして頂いたんですが、どうなってんだろ…?(笑)。

      でも、何はともあれそういうことであれば、出力時に特に気をつけなくても DNGは大丈夫!ということですね。さっそく記事を修正させて頂きました。情報提供に感謝します。ありがとうございます。(^_^)v

  2. Posted 2016/09/28 at 00:26 | Permalink

    読んでいてすごくワクワクしました。買えませんが(笑)
    Osmo RAWはUHD,4KのRAWもさることながら、BGとしての素性がよい感じですね!アナログスタビ好きなもので、多くのBGは如何にも機械っぽい動き(MOVI除く)なのがどうしても気になってしまうんです。でもOsmo RAWはわずかに機械くさい感じが出るだけですね。

    ところでOsmo RAWは、スペックといい、Sモードでのパラパラといい、中枢部はGH4と同じですかね?GH4もSではパラパラのくせに、Pでは絞り値やSSが変わるくらいかなり大きく露出が変化しても、段階的な露出変化にならずに滑らかに変わるんですよね。
    15mm/F1.7でUHD撮影した際に、35mm換算画角が40mmくらいになるなら、中身はGH4と同じに決定なんですが、如何だったでしょうか?

    • Posted 2016/09/28 at 01:54 | Permalink

      >> 中枢部はGH4と同じですかね?

      Otaさん、こんにちは。(^_^)v う〜ん、OSMO RAWはその名の通り、4K「RAW」動画が撮れるという時点で、GH4の中枢部とは違うことが自明かと思われますが、いかがでしょうか?

      GH4はいいとこ LOG止まりですし、たしか 4Kの本体内記録は 4:2:2 8bit、しかも 100Mbps程度の IPB 圧縮だったような?(違いましたっけ?)一方 OSMO RAWのデータは、正真正銘 Cinema DNG RAWですので… なんというか、中枢部は「まるで違う」としか言いようがない気が…(笑)。

    • Posted 2016/09/28 at 02:28 | Permalink

      表現に語弊がありました。
      センサーやそこからの信号取り出しの回路が同じという意味です。
      その後の処理でRAWとして出すか、Logやビデオガンマで出すかは、プロセッサーの処理次第かと理解していたんですが、見当違いだったらすみません。

    • Posted 2016/09/28 at 02:37 | Permalink

      光をセンサーで受ける→ADコンバーターでデジタル化
      →処理せずにRAWとして出す(実際にはRAWの規格によってある程度の処理が入る?)
      →処理して10bit Logや、8bit Logや、通常のビデオガンマで出す

      って流れと考えていました。そのためプロセッサーによる処理が違うだけで、回路は同じなのかと思っていた次第です。

    • Posted 2016/09/28 at 08:45 | Permalink

      なるほど。レンズは Panaのを OEMしたものが DJIレンズになってるし、ひょっとしてそれ以外も?ということですね。
      そういう意味では先頃発表された GoPro KARMAも、中身のコアな部分で DJIが協力してる、なんて噂を耳にしましたし、泥沼の相互訴訟合戦を演じていた Appleと Sumsungがその間も部品供給では手を結んでいたり…。ライバルなのかパートナーなのか、よくわからない業界ですから、そういうこともあり得るのかも?ですね。

      …でも、尋ねても教えてくれないでしょうね〜(笑)。

  3. Posted 2016/08/25 at 18:48 | Permalink

    はじめまして!この度の記事はすごく参考になりました。私はZ-AxisをカスタマイズしてX5Rで使えるようにしましたが、Z-Axis内部の配線ではオーバーロードの感じで、テスト撮影したMicro SDのプレビューができなかったり、実際データを確認したらカクカクしたコマ落ちみたいな写りでした。なのでRAWデータはいじりませんでした。
    それとRECを押しても機能しなかったのはSDがちゃんと刺さってなかったからか、と自覚しました。
    最後に私も上下動を無くそうとDIYのZ-Axisを試作しました。もし宜しかったらサイトのアドレスも書き込みましたので、アドバイスでも頂ければありがたいです(^^)
    良い物ができた時は、試作機を使って頂き総評を頂ければありがたいですm(_ _)m

    • Posted 2016/08/25 at 22:06 | Permalink

      kenasanoさん、初めまして。ホームページ、拝見しました。Z-Axisのカスタマイズ、すごいですね〜! 重量増に対応するためにビスを交換して強化バネを取り付ける。なるほど! その他にも、バッテリー内蔵用のボックスを自作されたり、バランス取り用にゴルフ用の鉛を使ったり、創意工夫がハンパないですね(笑)。
      …強いてひとこと言わせて頂ければ、『で、どんな映像が撮れるんですか?』というところでしょうか。良かったら、サンプル映像を拝見させてください。ぜひ。

      そして、kenasanoさんのカスタマイズ Z-Axisが完成した暁には、Z-Axis vs ぼくの猫足オンリーで対決でもしましょうかね〜。 (^_^)v

    • Posted 2016/08/26 at 16:37 | Permalink

      ありがとうございます。ぶれのない映像が撮りたくてアナログから始まり3軸BG、4軸とDIYしてきましたが、どんな映像が撮れるのか?撮りたいのか?明確なビジョンがありません(^_^;)
      この1〜2年はDIYで作ることばかりが主になってしまい撮るのは置き去りでした。
      取り敢えずはX5やX5Rでオリの45mmでも上下動を感じさせない映像を撮れるように頑張ります。
      完成した時には一緒に撮影させて下さい(^^)

  4. ともぞ
    Posted 2016/08/04 at 18:48 | Permalink

    骨折とは大変でしたね。
    なんたる奇遇か、私は椎間板ヘルニアで入院しておりましたw

    osmo rawですが専用SSDの高額さは閉口しますね。
    商売上の理由かもしれませんが、庶民にはなかなか手が出せません。
    魅力的なんですがねぇー・・・

    • Posted 2016/08/04 at 19:29 | Permalink

      ともぞさん、お久しぶりです。えええ? 椎間板ヘルニアっすか。それはまた痛そうで辛そうな夏ですね! ぼくの方は上述の通り、細い骨1本の軽い骨折(?)でしたので、ギプス拒否して毎日シャワーもOKでしたから、実質大したことないです。

      Osmo RAW、一番嬉しいのは、お値段据え置きで『最初に2枚』付属してたらなぁ…なんて。そしたら、撮り終わったら CinemaDNG書き出ししつつ、もう1枚で撮影続行できるのに。
      あるいは、もういっそ RAW収録は最初に付いてくる1枚分(=40分)だけ&あとは AVCで!という潔い手もあるかもな?なんて、個人的には思ってます。

  5. sinji
    Posted 2016/08/04 at 12:46 | Permalink

    はじめまして! ぼくも猫足のこつを知りたい(見たい)です。よろしくお願いします。

    • Posted 2016/08/04 at 19:28 | Permalink

      Sinjiさん、はじめまして! おぉ〜そうですか見たいですか、足首の骨が折れた老人の猫足を!(笑) オッケーです。なんとか近日中に記事でも書きましょう。…とはいえ、骨折の影響がなくなるまで待っててくださいね!(笑)

  6. ナガシマ
    Posted 2016/08/03 at 19:00 | Permalink

    はじめまして。ナガシマといいます。ずっとOSMOのたて揺れが嫌でしたが、誰の作品を見てもたて揺れが出ていて、もう仕方ないと思ってました。でも少し前に出た江夏さんの作品には縦揺れがなく、でもよく読むとセグウエイに乗って撮影されたようで、やっぱり歩いたらダメなのかとあきらめてました。

    でもそれじゃセグウエイで行けない場所(ライタンクさんの畑とか階段とか)はどうすればいいの?と、また新たな悩みが生じていましたが、「猫足」を体得すれば大丈夫なんですねっ!とても為になりました。ありがとうございました。でも良かったらその猫足というのを、どうやるのか見せて欲しいです!

    • Posted 2016/08/03 at 22:22 | Permalink

      ナガシマさん、こんにちは! セグウェイはたしかに有効なんでしょうね〜。…走れる場所だったら(笑)。でも、練習して猫足を身につけちゃう方が圧倒的に安上がりですよ。歩き/走り/地形や階段に左右されない上、スタビライザーの種類も問わず潰しが利くし。ていうか、そもそも全然難しくないし。

      …と、言うは易しか。どうやってお見せしましょうかね。ちょっと考えます。。。

  7. ragi
    Posted 2016/08/03 at 03:28 | Permalink

    隊長!骨折ですか、、、お大事にしてください。。。
    ひゃぁ〜〜〜諸々合わせて100万。。。。でも実際値段よりもレンズ起因によるフリッカーの方が気になってしまって^^;;ちょっと勿体無いですねアレ。。。
    専用のSSDとアプリの使い勝手も汎用性という部分に於いてはもう一息ってとこなんでしょうか、、。しかし、MoVI持ちとしてはプルプルしない手軽さを考えたら羨ましい機能&性能ですーw

    • Posted 2016/08/03 at 04:16 | Permalink

      ragiさん、どもども。骨折は、もうテーピングも取って普通に暮らしてます。ありがとうございます。
      フリッカーはシャッター優先時だけの問題です。まぁせっかく手軽に運用できるサイズと重さだけに「S」でグイグイ行けたら良かったんですけど、通常通りフルマニュアルでの運用なら問題ありません。
      …てか、ragiさん MoVI使いだったんですね。なんか勘違いしてて、Roninユーザーかと思ってました。なんでだろ…? (-“-;)

    • ragi
      Posted 2016/08/03 at 15:35 | Permalink

      >Roninユーザーかと…
      あー、最近見た目が髪ボサでチョンマゲ&ひげ男だからですかね?(浪人違い?…すいません、、、)
      よく見ると「S」モード時のみって書いてありましたよね^^;;
      しかし、これ使っちゃうとMoVI使わなくなりそうで、かなり危険なアイテムです^^;;

    • Posted 2016/08/03 at 22:21 | Permalink

      ragiさん、それだ! 風貌!(違

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