来週末からラスベガスで開催される NAB2013。そろそろ各社の隠し球に関する噂がチラホラ聞こえてきていますが、そんな中、他社に先駆けて自ら今年のハイライトを披露したのは、NanoFlash、Geminiなどの外付けレコーダーで有名な Convergent Design社。先週鳴り物入りで登場したニューフェイスは、7.7インチの OLED液晶を搭載した “全く新しいコンセプト” に基づく外付けレコーダー、Odyssey7、及びその上級機である Odyssey7Q。
これ、先週ニュースリリースが出たと思ったら、海外メディアが総出でピックアップ。ちょっと忙しかったこともあったのですが、ボクのような外部レコーダー音痴、OLED音痴にとっては「なぜにそんなに大騒ぎ?」状態でした。
▶ DSLR News Shooter : CONVERGENT DESIGN LOOKS SET TO SHAKE UP THE MONITOR AND RECORDER MARKET – THE NEW ODYSSEY7 AND ODYSSEY7Q
▶ Cinescopophilia : Convergent Design Odyssey7 and Odyssey7Q OLED Monitors
▶ NoFilm School : OLED Monitor? 4K RAW Recorder? Convergent Design’s New Odyssey7 Series Combines All of the Above
▶ AbelCine : Convergent Design Announces New Odyssey7 & Odyssey7Q
▶ FreshDV : Convergent Design monitor/recorder with Rent-A-Codec
でも、そんな疑問は紹介記事を読んだ途端にブッ飛び。(◎_◎;)
いやでも、まずはお約束の基本スペックから行ってみましょう。
ディスプレイ | コントラスト3400:1、視野角176°、1280x800 7.7インチ OLED、RGB 8bit |
モニタ表示 | フォーカスアシスト、YRGBウェーブフォーム、ヒストグラム、ベクタースコープ、ゼブラ、フォルスカラー (Odyssey7Qは画面4分割表示に対応) |
入力 | Single/Dual Link HD-SDI入力x2、出力x2 (Odyssey7Q:+双方向 HD-SDI 3G)、HDMI入出力 |
入力フォーマット | HD 2K RGB444、8/10/12bit|60p/60psfまで HD 2K YCC 422、8/10bit、120pまで QHD/4K 422、30fpsまで Canon RAW QHD/4K 10bit、60fpsまで HDMI 1080p60 422 8bitまで |
記録フォーマット | Avid DNxHD 1080p30/1080i60まで HD/2K 非圧縮 RGB 444、60fpsまで HD/2K Raw 120 fpsまで ARRIRAW (16:9)60fpsまで、(4:3)48fpsまで Canon RAW QHD/4K 60fpsまで Odyssey7Q:1080p30x4ストリーム、4Kサポート 120fpsまでのハイスピード収録 及びRAW+Proxy (DNxHD-36) モード |
記録メディア | 2.5インチ SSD(サーバーグレード)240、480、960GB SATA-3(6Gbps)インターフェイス |
これだけ見ても充分壮観なわけですが、驚くのはまだまだこれから。
Odyssey7は、ベースバージョンのお値段がたったの¥1,295(約¥12.3万)。えーっ?そんなに安いの?と思ったら、これはレコーダー機能が “封印” された OLEDモニター機能のみの状態のお値段(やっぱそうだよねぇ?(笑))。
で、お待ちかねの「驚きポイントその1」。ユーザーはこのベースバージョンを購入し、あとはそれぞれ必要に応じて上記スペックの中から搭載したい機能を選び、ネット経由でライセンスキーを購入することで欲しい機能を追加していくというシステム!
おぉ〜これは新しい。
さらに畳みかけるような「驚きポイントその2」は、なんと! “追加機能の短期レンタル” が用意されること。つまり、とりあえずは最低限よく使うフォーマットを組み合わせてコンボを組んで使用。あとは 2Kから 4Kまで、プロジェクト毎に必要な入出力フォーマットやコーデックを必要な期間だけレンタル搭載して使用するという、21世紀的からくり…。
なるほど、これは画期的だわ!(^_^)
もともと同社の Geminiのような高性能かつ高額な外部レコーダーは、ほとんどのプロジェクトでレンタル使用されてきたはず。とすると、民生品や業務機に比べたら販売される玉数は圧倒的に少なく、故に価格は下がらないという図式だったのでしょう。Odyssey7の “ライセンスキーによる機能のダウンロード搭載” の試みは、そこを逆手にとったパラダイムシフト。製造元自らが取り仕切るレンタル仕様のビジネスモデルを考案しちゃった!ってことでしょうか。
これで “外部レコーダーを所有する” ことに対する敷居が一気に下がる… かどうか?は、後付けで追加するオプション機能の値段がどれくらいに設定されるか?にかかってくるのでしょうが、Convergent Design社曰く「ベースバージョン以外の値段は NABで発表いたします」と。上手なティーザーですね。(^_^)v
25 Comments
ConvergentDesignのDanさんから価格表リンクいただいたので一応リンクしておきます〜!
shar.es/lyTGU
思ったより高い!?うーむ!
うお〜!すごいすごい! freiheitさん、有り難うございます!
…FS700で 4K収録する場合だと、Odyssey7Q本体($2,295)+480GB SSD($1,195)+FS700 Support($1,495)で、総額$4,985(約¥50万)ってことで正しいでしょうか? た、たしかに高いっすね!SSDを960GBタイプにしたりなんかしたら、ほとんど FS700がもう1台買えるお値段!?(^_^;)
でも、C500や Alexaのサポートはもっと高い! …けど、まぁこちらは必要に応じてレンタルできるってのは、やっぱり画期的!ということでしょうか。う〜〜む… (◎_◎;)
FS700の4K2KRAW記録には「SSD2枚挿し必須」というハードルもありまして(苦笑)、お書きいただいたメディア代が倍、という計算でございます。
価格を提示され、あらためて4Kの敷居の高さを感じつつ、4KBMPCもいいなぁと(笑)。
真面目な話、4Kだとまずしっかりとしたモニター環境でフォーカシングしなければいけないでしょうから、Odyssey7Qはそこも魅力的ですね。
まずFS700がどんな絵を吐き出すのか、来月にならないとなんとも…ですね〜!
こんばんわ これいっすね
やはり 知りたいのレンタル価格ですが、12万で7.7型ライブモニターってだけでもほしい気がします。
それよりずっと新商品は出ても新しいビジネスも出るとかないこの業界になかなか新風でござる。カメラも普段フルHDでしか取れませんが、レンタル料金振り込むとその期間だけRAW12BIT撮影できるカメラとか ありかもしれませんねw
Odyssey7を取り上げて頂き、有難う御座います。
このOdyssey7、まずは高品質なOLEDフィールドモニターとしての販売になります。レコーダー機能は7月以降に供給予定です。SDIつきのモニターとして見てもかなりコストパフォーマンスに優れたモニターと思います。
で、例の課金システムについては、Convergentdesign社で既にシステムアップが終了しました。各国のディーラーはこの部分には介入せず、メーカーとエンドユーザ様の間で直接契約してもらう形になる予定です。(学校法人や官公庁、放送局などオンライン決済が難しい場合はテクノハウスが決済を引き受けます)
あとは、今回新たに採用した「サーバークラス」とされるSSDがいくらくらいで供給できるか(Geminiの1.8インチSSDと同等性能なら59.94p収録にはSSD二枚のRaid収録が必要で、最低2枚は購入が必要なはず…)おそらくInterBeeくらいになりそうな7Qのデリバリーとか、今週NABにいくスタッフがConvergentdesignと打ち合わせしてきます。詳細が出ましたら、テクノハウスのWebサイトでも紹介します。
わおっ!日本の Convergent Design社・代理店、テクノハウス様から直々にコメントを頂けるとは! ありがとうございます。(^_^)v
最新情報等、ご連絡頂ければ追記させて頂きますので、今後ともどうか宜しくお願いします。
すいません。
リリースのタイムテーブルが少し勘違いしてました。
ベースユニット(モニター機能)7月リリース
収録機能(ライセンス供給)10~12月リリースです。
あと、開発中の画像がConvergentdesignのTwitterにポロポロと出てきてます。
失礼します。「モニター機能」ですが、これにはHDMI to HDSDI変換機能はついていないですよね?ついていればTVLogic5.6インチ変換機能付きモニターよりかなり軽量で安く見易い現場「ファインダー」になりそうなんですが。DSLR・5D仕事にも使い易い。ライブ収録とかにビューファー代わりに9インチもにモニター付ける事が多いのですが,でか過ぎて邪魔なときがあります。でもTVLogicだと解像度が足りない,とか。早く国内で現物を見たいものです。
この場をお借りしてお返事いたします。(raitankさんすいません)
未だ、物が出ていないので確実なことはお答えできないのですが、
同じConvergentDesignのnanoFlashではHDMI⇔SDI相互変換機能が付いています。
おそらく、Odyssey7でも同様の使用になるのではと思われます。
ただ、リリース時点では生きていない可能性が大きいです。
(Geminiなんか未だHDMIアウト生きていませんし…)
DSLR→HDMI→Odyssey7→SDI→外部モニターという使い方が出来るか…
ConvergentDesignに聞いてみます。
T,Nakさん、「すいません」なんてとんでもない! こうして正規代理店の方から直接情報を書き込んで頂けると、ボクだけでなく読者の皆さんにもいち早く正しい情報が伝わりますので願ったり叶ったりでございます(笑)。ありがとうございます。(^_^)v
お返事ありがとうございます。参考になります。
とにかく現物が出てからですね。電源などの情報も気になるし。
最低線の録画機能&コーデックが安く付けば、僕のような個人でも買える/買う価値がある製品だと期待してます。4kRawはそこそこ、2k低圧縮は格安で是非(笑)
ConvergentDesign Dan氏(セールスディレクター)によると、
HDMI→SDI変換は計画の中にあって、動作する予定です。
電源は付属品ではACアダプターになる筈ですが、情報では純正のバッテリーも販売するような話もあります。例えばIDXのVマウントから供給するようなケーブルやマウンター金具は、必要に応じてテクノハウスでも準備する予定です。カメラのDCアウトからとりたいような場合でも、此方でケーブル作成可能ですのでご相談ください。
SSDがどの位の初期投資になるか(サーバーグレード=高そうだなぁ)気になる所ですが、テクノハウスで準備するデモ機以外に、個人的に僕も1つ欲しい気にさせるプロダクツですね。
今頃現地でお忙しくされてると思いますが・・・
是非お伝え頂きたいのが「内蔵バッテリーは要らない。代わりに既成のバッテリー(例えばSONYのデジカム用とか)が使えるような設計をお願いしたい」です。バッテリーマウントをネジで付け替えれば,サードパーティーが色んなタイプのバッテリーマウントを作れる様に。TVLogic5.6inchはそれをやってるので助かってます。Vマウントバッテリーからの変換はあっという間に各社やると思うので。個人ユーザーにとってninjaが微妙な存在の今,オデッセイには期待してます。
こんばんは、4月23日に5D3のファームアップで非圧縮映像(YCbCr 4:2:2、8bit)の出力が可能になるので外部モニターを色々と物色してます。これいいですね。
5D3だけのためには過分なスペックですが(笑)、イザという時には必要コーデックを “短期レンタル” して他のカメラとでも使える!というのは、やはりポイントが高いですよね〜。(^_^)v
Odessey7記事ありがとうございます〜!
ProRes対応も(値段と共に)NABでアナウンスされるといいなぁ!美麗なモニタ+1080P/60fps記録出来るコンパクトな外部記録機器としても十分魅力的です!今すぐ欲しいス〜!!
freiheitさん、こんにちは。そうそう、つい書き忘れましたが、なぜか ProResに非対応なんですよね。どこかの記事に「たぶんライセンスの問題だから、すぐに追加されるだろう」なんて書いてありましたけど、さっそく NABで来るんでしょうかね〜。(^_^)
7Qのベース価格が$2295、7〜8月辺りに色々とコーデック対応してくれそうですね!NABでの正式発表、楽しみです!!
おぉ〜! Qのほうはザッと$1,000上乗せですかぁ。それでも従来の Gemini4Kとかに比べたら 1/3以下ってことですね。…ま、レコーダー機能のないベースモデルとして、ですけど。
タイムリーな記事ありがとうございます!
昨日ちょうどこの記事を英語サイトで見てて「?」だったので、凄く助かります!
SmallHDと比べても値段もいい感じですねw、でも資金がないなぁ(爆)
ragiさん、ども! 普段は OLED外部モニターとして使い、必要に応じてピンポイントで必要なコーデックをレンタルしてレコーダーとして使う… よく考えついたなぁ〜と感心しますよね。ただ、ホント、その追加のコーデックのレンタル料金が問題です!(^_^)v
素晴らしい記事をありがとうございます!
正直何がいいのかピンと来なかった(というか、元々付いている機能の機能制限が嫌いな)私はアンチ派だったのですが、前向きに捉える考え方もあるのだと目覚めました。
社長、実はボクも全く同じリアクションでした。ぜんぜんピンと来ませんで。それで、このニュース自体は先週ブックマークしていたんですが、昨日まですっかりうっちゃらかしてまして…(笑)。記事にするか?捨てるか?と思いながら目を通して、わ!と椅子から飛び上がり… ってな次第でした。(^_^;)
ありがとうございます!
最近は、元の英語記事をザーッと読んで、その後にraitankさんのところで詳細情報を仕入れております。
ネットでライセンスキーを購入・機能追加&機能の短期レンタルだったんですね。そこのところが元記事ではよく理解できませんでした。
LUTも数種類対応してそうですし、使えるモニター(今までのは画面が小さいか解像度などがしょぼすぎ&見ずらいという意味です。ex:ninja2など)+外部収録機が一体型は素敵です。nogaアームが2~3本⇒1本となるのは喜ばしいです☆
55catcatcatさん、ありがとうございます。先日は逆にボクのほうが、いつも情報が早い 55catcatcatさんの Facebookへの書き込みから「M4/3用 25mm f/0.95レンズ4番勝負」なんて面白いトピックを教わったりして。こういう具合に、互いにゆる〜く連携できているのがとても嬉しいです。今後とも宜しくお願いします。(^_^)v