2年ほど前からソワソワと H.264の寝首を掻くべく下克上の頃合いを見計らっている… のかと思っていた H.265が、実は実用化されるまであと5年くらいかかるのでは?という観測情報が流れて、海外で話題になっています。
▶ Cinescopophilia : HEVC H.265 First Stage Approval But Could It Be Another Five Years Away
「MPEG-H HEVC」として知られる H.265は、言わずと知れた H.264のリプレース・コーデックにして、最小 320x240から4K(3840x2160)を軽く通り越して、最大8K(7680x4320)まで規定されることが決まっており、画質が同じなら従来の 1/2の帯域しか必要としない!というビデオ圧縮界(?)期待の新人です。
…と、ココで自分用の備忘録として H.264と H.265の正式名称を記しておきましょう。
➡ H.264 AVC = MPEG-4 Part 10 Advanced Video Coding
➡ H.265 HEVC = MPEG-H Part 2 High Effeciency Video Coding
下は NHKや NTT DoCoMoなどと共に H.265技術を開発している Ericsson Research社が制作した H.265の技術解説プレゼンテーションです。
米・TechCrunchさんによると、それまで10%前後だった Internerトラフィックに占めるビデオ・コンテンツの割合が、Apple iPadの登場からわずか3年で、なんと!84%以上に急上昇したらしいですが(笑)、上の Ericssonの研究員さんも「8割以上がビデオで、残りの2割がメールや Webブラウジングなど、その他すべて」と、同じ数値を挙げています(マジか!?)。
▶ TechCrunch : Next-Gen Video Format H.265 Is Approved, Paving The Way For High-Quality Video On Low-Bandwidth Networks
で、同じ品質の映像を配信した場合、H.264だと 4,112kbpsかかるところ、H.265なら 1,927kbpsで済むもんね!という証拠画像がこちら(⬇)。
ほう〜、大したもんだ。OK!さっさと導入してトラフィックの負荷を下げてくれ!
…と言いたいところですが、H.265の規格策定を担当している ITU(国際電気通信連合)の研究グループ16という部署では、ようやくVCEG、ISO MPEGといった関連団体のいわゆる “エクスパート・グループ” と共同で「ITU-T H.265|ISO/IEC 23008-2」という最初の勧告を承認したところ。
これをもって正式に H.265が H.264の後継になることが確定したものの、このペースで最終勧告まで進み、エンコーダー/デコーダーが各種関連機器に実装され実用化されるまでには、まだ5年くらいはかかりそう〜!
…って、おい!幾らなんでも悠長過ぎるだろ!? 今すでにトラフィックの8割がビデオだってのに、これから先5年も保つわけねーし!o(`ω´*)o
と思ったら、かたやの H.264のほうには「High」「High 10」「High 4:2:2」「High 4:4:4」という4つの新しいプロファイルが追加されて、「アタシますます綺麗になるわよ!」と気炎を上げています。
▶ Cinescopophilia : H.264 Gets New Profiles: High, High 10, High 4:2:2, and High 4:4:4 Profiles
う〜ん。いや、もちろんキレイも大事なんだけどさ、でも今早急に対処すべきはビデオコンテンツが Internetトラフィックを圧迫してる!って方なんじゃねーの?(汗)
…ときに、この4つの新プロファイルに関する提案がとりまとめられたのは 2005年3月の話なのだそうで(笑)、まぁ全てがそういうペースで進むのが “国際規格の世界” ってことなんでしょうか?(よく知らんですが)
7 Comments
今日ふと気がついたらdivXの更新のメッセージが出たので確認したところとうとう最新のDIVXでH265が採用されましたさてそのうちintelのcore系統のハードウェアエンコーダーもH265になるんでは無いかと思いますがいつになるんじゃろう・・・国産の某社のデコーダーが結構な値段だったのでどうなるかと思っていましたがデコーダーはこれで無償で何とかなりそうです。
えええ? (゚Д゚;) ボクはdivX使ってないし使ったことないのでアレですが、そんなに何気なく採用されるものなんすか!(笑) ビックリしました。。。
確かにビデオはネットワークを圧迫してますけど、P2Pで培ったようなキャッシュがうまく活用できると、ある程度のトラフィックがあると逆に効率よくなるかもしれませんね。
特に一定のストリームをある程度分割していろんなところでキャッシュされてたらそれこそ効率的かなと。
こんな技術とかね!
Skeed Cast
http://www.skeed.co.jp/tech/skeedcast/architecture.html
なるほど〜。トラフィックの負荷軽減には本稿でご紹介したコーデックの最適化による流通データ自体の軽量化のほかに、(いつの間にか消えてしまった LimeWireやらのような?)同一データを共有するユーザーが増えるほど流通スピードが向上する P2Pベースのトラフィックコントロールもあるよね〜?って話ですな。さらに言えば、以上に加えて回線速度自体の更なる高速化もあるわけですけど、でも実際のところ、技術の進化と足並みを揃えて流通させるデータ自体が 4K、8Kとどんどん肥大化していくわけで…(笑) 結局、いつまでたってもイタチごっこが終わらないって仕組みですよね〜? (^_^;)
インターネットで動画が簡単に見られるようになったのはいいんですが、ウチの環境が良くないのかYouTubeやPC上のWMVとかどれも再生すると正確な同期で動いているとは思えずパンニングなどはカクカク見えてしまうんです。
テレビ放送やBDなんかは同期信号で動いているんで1フレーム飛んだだけでもわかりますがPC再生は飛んでいるどこではなくカクカクに見えることの方が多いんですが皆さんのところはスムーズに再生できてますか?
テレビのようにスムーズに再生するには高速ネット環境や高性能グラフィックボードが必要なんでしょうか? 一応ウチのもそこそこ速いはずなんですが…
MacとWinではまた違うのかも知れませんが、TVのようにスムーズに再生するために必要なのは、一に高速 GPU、二に回線環境、三四がなくて、五に PC本体… じゃないですかねぇ? うちの MacProはもう4年落ちですけど、昨春使っていた割と高速なグラボが死んで、手許にあった1ランク下のに差し替えた途端、YouTubeといわず、Vimeoといわず、すべての表示系がカクカクになってビックリしました(笑)。
…でも、ふじのんさんが、そうそうヘタレな GPUを使っているとも思えず? (-_-) ハテ?
やはりコマ落ちなく再生も出来るんですね…
同じマシンでEDIUSで再生するとちゃんと動くんですけどね…
プレーヤーの性能とGPUやOSの相性など複雑に絡んでいるのかもしれないです…
次期マシンはもっと高性能のものにしてみたい…