EOS 5D mkII h.264ファイルの変換(2)

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4月2日、キヤノンからリリースされた「EOS MOVIE Plugin-E1 for Final Cut Pro」は、当然、リリースされた日にインストールしました。が、一度試したきり使っていません。なぜなら、1)疲れて撮影から帰ってきて「とりあえずProResに変換しておきたいだけ」の時に、いちいちFinal Cut Proを起動するのが億劫だから、2)マルチコア未対応の逐次変換処理が(MPEG StreamClipに比して)超遅くてイライラするから、つまり概して満を持して出てきた(筈の)メーカー純正品にしては “機能・速度ともに充実度が低い” からです(いやボクの場合、主に速度が問題なんですけどネ)。

だいたい3月に出たファームウェア2.0.4にしても、せっかく音声録音レベルのマニュアル設定を実現しておきながらレベルメーター表示は依然ナシなど、 Magic Lantern(無料ソフト)が一年前に実現している機能「以下」しか実装しませんでしたし、この h.264 読み込みプラグインにしても機能・速度ともに MPEG StreamClip(無料ソフト)以下だし、どうも一部のユーザーが邪推しているように、周辺機器市場が世界的に活況を呈する中、当のキヤノンさんは「EOSムービー、ホントはやりたくないんじゃねーの?」という印象が拭えません。

…おっと。愚痴はこれくらいにして。

つい一昨日、yamaqさんのブログ Grinder という単機能 h.264ファイル変換ソフトがMagic Bullet社から出たことを知り(yamaqさん、ありがとうございます!)、そのまま Magic Bulletのサイト へ直行して購入したGrinderでしたが、これがまた、初回起動時から落ちまくりで使い物になりません(泣)。インターフェイスはキレイだし、マルチコアCPUにフル対応していてすべてのファイルを同時に並列処理してくれるし、ただ安定して動いてくれさえすれば、そのまま “EOSムービー用変換ソフトの決定版” になったでしょうに、一体どうしたのでしょう?

落胆の淵から気を取り直してチマチマとテストしてみた結果、どうやら一度にバッチに加えるファイル数が最大12ファイルまでなら安定して変換を完了してくれるようです。ところが、それ以上のファイルをバッチすると、実行後しばらくして “確実に” 落ちてしまうのでした(少なくともウチの環境では)。

※ 6月24日追記:Red Giantのサポートから本日、バグ修正版 1.0.1がリリースされたと連絡がありました。これで少なくとも、大量のファイルを突っ込んでも落ちることはなくなったようです。
Magic Bullet Grinder 1.0.1 アップデーター


さらに困ったことには、『仕方がない』と諦めて、週末撮影してきた全126個の h.264 ファイルを12ファイルずつに小分けして変換していたのですが、どーも遅いような? いや確実に遅い。とてもマルチコアで並列処理しているとは思えないスピードです(とほほ2)。

というわけで本日ちょっとだけ時間が空いたので、「MPEG StreamClip」「Magic Bullet Grinder」「Apple Compressor」「EOS MOVIE Plugin-E1 for Final Cut Pro」の4つのソフト(正確には3つのソフトと1つのプラグイン)で、速度と色変換がどういうことになっているか?を簡単に比較してみました。

▶ SPEED
やはり “体感上” だけでなく、MPEG StreamClip による変換がダントツに速いようです。そして新星 Magic Bullet Grinder ですが、あろうことかキヤノンのプラグインや Compressor よりも “ほんのちょっぴり速いだけ” という期待はずれもいいところの結果に…。

h.264 EOS Movie Data:Length 31 sec. x 1 File
MPEG StreamClip 1.9.3b2・・・・・32.2 sec.
Magic Bullet Grinder 1.0 (20) ・・・53.1 sec.
Apple Compressor 3.5.2・・・・・・58.1 sec.
Canon EOS Movie Plugin-E1・・・・60.4 sec.

h.264 EOS Movie Data:Length 10~20 sec. x 8 Files
MPEG StreamClip 1.9.3b2・・・・・115.7 sec.
Magic Bullet Grinder 1.0 (20) ・・・194.3 sec.
Canon EOS Movie Plugin-E1・・・・214.2 sec.
Apple Compressor 3.5.2・・・・・・216.0 sec.

▶ COLOR SHIFT
こちらも “見た目上” だけでなく、実際に MPEG StreamClip のRの値は他の3つに比べて高くなるようです。ここに掲載した画像では、違いがわからないかも知れませんが(すみません、ホントはカラーチャートとかで比較しないと仕方ないですよね)、実際に同じタイムライン上に並べた状態で交互に画面を切り替えると、明らかに MPEG StreamClip の変換結果だけ、青々としている筈の木々の緑が、出がらしのお茶っ葉のような色に見えます。が、同時にちょっと想定外だったのは、残りの3つが出力するデータも、それぞれ皆、色味が微妙に違うということです。

…困りました。こうなってしまうと、一体どの変換方法を基準にしたら良いのか?わかりません。どなたか妙案をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひご教授いただけると助かります。

6 Comments

  1. Kyota Tanaka
    Posted 2011/12/08 at 22:31 | Permalink

    はじめまして。
    この記事はCinestyleリリース前に書かれていますが、現在の変換・ワークフローはどのような感じでしょうか。
    最近60Dと7D(Cinestyle有り)でドキュメンタリーを撮り、MPEG StreamclipにてProRes 422 (HQ)にしたところ、ガンマ(コントラスト?)が上がってしまいました。
    どうしても直せず、最終的にFCPのMedia Managerを使うとこの現象は発生しないとわかりそうしたのですが、やはりMPEG Streamclipの速さと比べると・・・?という印象です。
    ぜひ教えてください。

    • Posted 2011/12/09 at 01:24 | Permalink

      Tanaka さん、はじめまして。(^_^)v
      最近のワークフローですが、ボクの場合はもはや事前の「変換(トランスコード)」はしておりません。

      [ボクの最近のワークフロー]
      1. 5D MarkII素材をそのまま FCP-Xに読み込む
      2. 使いたい部分(使えそうな部分)の前後に充分な余白をつけてカット編集で繋ぐ
      3. 上記の「基本シナリオ」を1本の元素材クリップとして ProRes422で書き出す
      4. それを FCP7で読み込んで編集

      FCP-Xは EOS の H.264をそのまま読み込めるので事前のトランスコード時間不要で効率的。なおかつ不要な部分までトランスコードして膨大なデータ容量を浪費する必要がなく経済的。さらに、カット編集だけなら、選択不要でクリップ内容全体を見渡せる FCP-Xのほうが FCP7よりもずっと早く作業できます。
      で、使えそうな部分のみを ProRes422にトランスコードして、実際の編集は FCP7でやる!というスタイルです。

      MPEG Streamclip、圧倒的に高速で素晴らしいのですが、色変わりが他に比べて激しいのは如何ともし難いですよねぇ…。(´・_・`)

    • Kyota Tanaka
      Posted 2011/12/09 at 08:55 | Permalink

      なるほど、FCXを既にお使いでしたね!
      まだ心が決まっていませんでしたが・・・購入を検討してみます。

      いつも興味深い記事ばかりで、とても楽しく読ませて頂いています。
      これからもがんばってください^^

    • Posted 2011/12/09 at 09:06 | Permalink

      あ、TanakaさんはまだFCP-Xをご購入ではなかったのですね。それは失礼しました! それでは、もう少し補足させてください。ボクにとって FCP-Xは、まだまだ上記のような単純なカット編集以外では「とても使えたものではありません!」。既存の FCP7ユーザーをおいてけぼりにしたまま、勝手に10年先を見越した気になってる大バカ者ソフトではないか?とすら感じています。こんな事を言うのは大変残念ですが、もしまだ購入されていないのであれば慌てて買う必要は全くないと思います。

      励ましのお言葉、有り難うございました。今後ともどうかご贔屓に!(^_^)v

  2. しらぴー
    Posted 2011/05/28 at 08:56 | Permalink

    5DtoRGB
    http://rarevision.com/5dtorgb/
    http://hiroshisaito.net/blog/2010/11/5dtorgb.html

    はどうでしょうか?

    高画質変換を売りにしていますが。

    • raitank
      Posted 2011/05/28 at 12:33 | Permalink

      しらぴーさん、こんにちは〜!「5DtoRGB」は、ボクもリリース当初にテストさせてもらい、たしかにその他すべての手段で変換するよりも(若干)高画質であることを確認しました。
      が、いかんせん、変換が超遅いことと、“裏技” を使わないとバッチ変換できない… つまりデータを一つずつ順番にマニュアルで変換しないといけないのが煩わしくて、「要注目」状態のまま、その後の開発を待っていました(待っている間にFCP Xがもうすぐ出てきてしまうと、もはや変換する必要がなくなっちゃいますが(笑))。
      教えていただいた日本人のかたのサイトは未見でした。これから勉強させていただきます!ありがとうございますー。

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