3D的なもの ①:MITRA 3D MIC PRO

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プロフェッショナルな映像とシロート臭い映像を見比べた時に、一番「差」が出るのは「音声」あるいは「サウンドデザイン」だと言われます。人によっては、映像作品の善し悪しは、その6割が音で決まると言い切る人までいるくらいです。

“きちんとした収録” では、カメラマンの他に音声さんがいて、モノラルのショットガンマイクでセリフを狙い、また後のミックス用にステレオマイクで “ガヤ(周囲のアンビエンス)” を押さえておいてくれるのでしょう。
ですが、イベントや活動の記録(いつ、どこで、何が行われたかが解れば良い)が主な目的で、かつ最終納品形態が Webでの公開あるいは DVDである(つまり、大した仕事はしていない(笑))ボクは、“臨場感重視” で、常時ステレオマイクを使っています。

今まで様々なステレオマイクを試しましたが、ボクのお勧めは、なんと言っても RODE STEREO VIDEO MIC 。RODE というと一般的にはつい最近アップデートされた Video Mic Pro(モノラル)をお勧めするべきかも?ですが、ボク的には断然こちら。

このマイクの何がそんなに素晴らしい?って、メチャメチャ “吹かれ” に強いんです!こんなに風切り音が入らないマイク、ボクは他に知りません。付属の専用ジャマー(もふもふした風防)をかぶせておけば、かなり風の強い日でも、まず風の音に悩まされることはありません。しかも、ぶったまげるほど安い!(笑)
ご存知の通り、5D MarkII での収録では音声モニタリングもままなりませんが、そんなワンマンユニットの HDSLR 撮影では、この万全のノイズ抑制仕様は本当に有効かつ有用。

どれくらい凄いか、証拠映像を撮影してこようか?と思ったら、Vimeo におあつらえ向きのテスト映像がありましたので、ちょっと拝借。

どうです?すごくないですかコレ? 自転車に乗って、片手で撮影しながら走ってるんですよ?(笑) 他のマイクだったら確実に「ゴォーーー!」って風切り音が入りっぱなしになるところ、一切なし。ゼロです(笑)。本当にお勧め!


…というわけで、収録時には必ずステレオマイクを使うほど音声に関しては「臨場感」に重きを置くボクが、思わず仕事の手を休めて見入ってしまう(聞き入ってしまう)ニュースが入ってきました。発信元は、Vincent Laforet先生です。
VINCENT | LAFORET : 3D Mic Pro and immersive audio

今回、Vincent先生が熱を入れてプロモートしている製品は、米・Mitra社が開発した画期的なステレオマイク、mitra 3D mic pro。なんと先生自らプロモーションビデオまで作られてますよ。さっそくご覧ください(あ、ヘッドフォン着用でご試聴ください!)。
Mitra : 3D Mic Pro

どこからどう見てもチープな造りの SFガジェット風な外観。“Mitra(ヒンドゥー教の太陽神)” などというマサラ風味な社名からして、ほぼ間違いなくインド系のベンチャー企業だと思われます(笑)。でも、お値段 $995と、実はかなりお高いマイクです。
この製品自体はもう何か月か前に出荷が開始されており、その際、一瞬だけニュースが駆け巡りました。

我らが Philip Bloom 御大もこのマイクを使って作品を作っておられました… が、あいにくその際に使われたカメラが Alexa だったため、カメラの方ばかりが話題になってマイクに関しては語られずじまい(笑)。
Vimeo : Terminus by Philip Bloom


さて、そんな Mitra 3Dマイクは一体なにが?どこが?そんなに画期的なのでしょうか?

Mitra Corp. designed 3D Mic Pro, an immersive sound imaging microphone which uses patent pending technology to capture breathtaking binaural like immersive sound in any sound recorder or video camera equipped with Mic/Line/XLR socket. The recorded immersive sound can be played back in any audio video system through a pair of closely placed speakers or by headphones or ear-buds.
(中略)
How 3D Mic Pro works? The heart of 3D Mic Pro is a patent pending audio signal processing system SHEM, which simulates human hearing by capturing the pshychoaccoustics and get is recorded in any audio recorder or a video camera.

[抄訳]Mitra 社がデザインした 3D Mic Pro は特許申請中の技術を駆使し、マイク、ライン、XLR 端子を備えた録音機器やビデオカメラに、息を飲む、包み込まれるような立体音響を収録することができるマイクです。録音された立体音響は、ぴったりくっつけて設置したスピーカー、あるいはヘッドフォンで再生してお楽しみいただけます。
(中略)
3D Mic Pro はどう機能するのでしょう? 3D Mic Pro には、音響心理学に基づき人間の聴覚特性をシミュレートする SHEM と呼ばれる特許申請中の技術が投入されており、これによってどんな録音機器またはビデオカメラにでも立体音響を収録することができるのです。

…んーー、なんだか説明しているようでいて、実は何も説明していないですね(爆)。途中に出てくる「pshychoaccoustics」という単語はたぶん「psychoacoustics」のスペルミスだし。どうも Mitra社のプレス担当者はかなりイイ加減な人物の様子…?(爆)

わからん!結局どういう仕掛けなんだ!?と、さらに調べたところ、このマイクをレビューしていた外部サイトに、もっとわかりやすい解説がありました(なんだそれー?)。

The 3D Mic Pro processes any audio signal by three different ways:

・creating ILD (Interaural Level Difference)
 between L and R channels
・creating ITD (Interaural Time Difference)
 between L and R channels
・Simulating anatomical transfer function
 by selectively accentuating and attenuating
 various sound frequencies.

These psychoacoustic information get processed by listeners brain to provide ultra realistic immersive 3D soundscape.

[抄訳]3D Mic Pro は音声信号を三つの異なる方法を用いて処理している。

・LRチャンネル間の ILD(両耳が感じる音量差)
・LRチャンネル間の ITD(両耳が音を認識する時間差)
・様々な音声周波数を選択的に強調あるいは減衰させることで、解剖学上の音声伝導特性をシミュレート

これらの音響心理学的な情報がリスナーの脳内で再構成されることにより、超現実的な包み込まれる3D音場を現出させる。

ふむふむなるほど。なんとなく既存技術である「バイノーラル録音」となにが違うのよ?と、別の突っ込みを入れたくなりますが(笑)、まぁそれはともかく、包み込むような臨場感をそのまま収録できるようで、Vincent先生も熱く語るだけでなく、15%引きのディスカウントコードまで用意して、喧伝にこれ務めておられます。

クーポンコード:VL3D2011

Mitra社のサイトで販売されている3D Micの「Pro」か「Indie」を購入される際に上のコードを入力すると、15%引きで買えるそうです。なお、「Pro」と「Indie」の違いは、XLR 出力端子のあり/なしです。詳しくは Mitra社のサイトをご参照ください。
3D Mic Pro ($995.00)
3D Mic Indie ($695.00)

で、オマエはどうすんのよ? …え、いやぁ、実はちょっと欲しいかなぁ!?と思ったんですよ。でででも、B&H の販売ページ に掲載されていた製品写真を見てください(右の写真)。コレってちょっと大き… いや、どう考えてもデカ過ぎでしょ!?

ただでさえ各地のイベント会場やらで「ゴテゴテした機材をかついで撮影しているヘンなおじさん」扱いされているってのに、こんなもん付けて出かけた日にゃあ、今度は「煙突おじさん」と呼ばれること必至!(爆)。ちょっと勘弁!です。

ちなみに、臨場感たっぷりの立体音場を収録したいのならば、素直に「バイノーラルマイク」を使うという手もあるかも知れません。
ま、バイノーラル録音の場合、ハッキリ、再生時にヘッドフォン着用が必須!ということになってしまいますが。でも下の藤本健さまの記事で勉強したら、今やかなり安いバイノーラルマイクがあるんですねぇ。ビックリしました。Roland の CS-10EM なんか、実売 ¥8,000ですって。あらまぁ…。
藤本健の Digital Audio Laboratory:低価格バイノーラルマイクで立体録音にトライ

2 Comments

  1. Posted 2011/08/04 at 08:47 | Permalink

    おはようございます。
    音に関しては僕も素人みたいなものでCMノ完パケやりだしてからの独学です(笑)
    現在音調整はアドビのスタジオCS5に入っているサウンドブースを使っていますがイフェクトのマスタリングにある項目で「エキサイタ」と「ステレオ幅」があります。
    ステレオマイクの収録を180°~120°にして収録してこれらを掛けるとそれっぽくなるような気がします。
    「ステレオ幅」はLR逆の音をそれぞれ逆位相にしてミックスして聴感上広がりを作っています。
    最近のサラウンドはこの手の似非サラウンドが多いですね。一部で「皿うどん」と言われてます(ウソ)
    大昔、モノラル音源をLR逆位相でステレオだ!って言っていたのと同じ原理です。
    「エキサイタ」の原理はよくわからないですが特定の周波数、多分聴感上の目立つ周波数帯を持ち上げているのでしょう…聞いた感じではそんな雰囲気(笑)
    BBEという機材がハードウェアでリアルタイム処理できるものを出しています。

    そんな音声処理回路をマイクに内蔵しているので本体がでかくなっているのでは?
    でもEOS同様、後処理しなくても撮っただけでもそれなりの画や音に仕上がると言うのは便利この上ないと思います。

    • Posted 2011/08/04 at 10:23 | Permalink

      BBE! 懐かしいメーカー名ですねぇ。ボクはその昔、ロックバンドやってましたが、大流行してましたねぇ。猫も杓子もエキサイタ。音の明瞭度が上がってキラキラするんですけど、でも聞いてて疲れる音なんですけどね〜。

      Mitraさんのは「バイノーラル録音」方式に近い構造+エキサイタ系のキラキラ感付加ってとこですかねぇ。この巨大さも、人の頭のサイズを模したものかと。赤いマイク部分が左右の耳の位置って。…しかし、赤くする意味がわかんない(笑)。

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