最近、記事にまとめたくなるようなネタが全然入ってきません(泣)。なので、今日は米・Greyfade Mediaから発売された「QR Slate」+「QR Slate Desktop」というソフトのセットがちょっとステキかも!?という、Macユーザーでなおかつ FCP7あるいは Avidのユーザーでなければ関係がないニッチ極まりない話題をひとつ。
「QR Slate」は iPhoneか iPad上で使用する、いわゆる iOSアプリです。お値段、たったの¥170。このソフトをインストールすると、iPhoneあるいは iPadがデジタル・スレートになります。
▶ iTunes Preview : QR Slate
スレート(日本語では「カチンコ」の呼び名でお馴染み?)は、主にドラマなどの撮影時にシーン名やテイク数を映し込み、また監督の『アクション!』の掛け声に続いて「カチン!」という Clap音を録音するためのツールですね。
イベントの記録映像収録等がメインのボクには今までとんと縁のなかったスレートですが、正月に撮影した『Parallel』の制作では、のちの編集時にスレートに書かれたシーンとテイク情報がどんなに役立ったことか!
この「QR Slate」がユニークなのは、その他のデジタルスレート・アプリ同様、シーン、テイクなどの撮影データに続いて、それら撮影詳細情報を格納した QRコードを表示すること。そして、撮影終了後に「QR Slate Updater」というテキスト・ファイルを吐き出すこと。
スレートの担当者はこの「QR Slate Updater」を、デスクトップマシンあるいはラップトップ等、編集に使う Macにメールで送ります。
そして、ココから先は今度は「QR Slate Desktop」というデスクトップ・アプリの出番です(こちらは Mac AppStoreで¥3,400)。
▶ Mac App Store Preview : QR Slate Desktop
「QR Slate Desktop」アプリ上に撮影済みデータを登録し、iOS端末から送られた「QR Slate Updater」テキストファイルを開きます。ファイル名を「シーン」+「テイク」に変更したり、スレートの clap音をクリップの開始点に設定したり、あるいは「シーン」を個別のBinに分けたり… といった細かなオプションを設定し、「Run(実行)」ボタンをクリックすると、アプリは自動的にクリップ中に撮影された QRコードを認識して撮影時の設定を読み込み、FCP7用の XMLファイル、あるいはAvid用の ALEファイルを書き出してくれます。
あとは、FCP7(あるいはAvid)に XMLファイル(あるいはALEファイル)を読み込むだけで、自動的に「シーン」「テイク」「OK、NG」「コメント」などのメタデータが付加された映像データがプロジェクトに読み込まれる! …という寸法です。
いやあ、この作業、『Parallel』編集時にずっと手作業でやっていたんですよ(汗)。もう少し早く出てくれていたら、ぜったい便利に使ったのにな〜、と。
…ついでに。どうせココまで読んで下さったのは Macユーザーだけでしょうから(笑)、同じくニッチな FCP-Xネタをもう一つ。
米・西海岸でTV番組や映画の編集者として活躍している Jason Rose氏が開発し、T.I.M.E(Tactile Interface Movie Editing)システムと命名した、いわゆるタッチパネル映像編集環境が、ちょっといいかも?な出来です。
…コレ、実は去年の春頃(だったかな?)、FCP7で編集する風景映像が一時ネットで話題になったんですが、その際は「フェイク!」ということで一蹴されていたような記憶が…。ところが、今度は FCP-Xを使っている風景でリベンジ!& Jason氏曰く「フェイクじゃないんだってば!」と改めて主張されています(笑)。
▶ Jason Rose – Editor : Tactile Interface Movie Editing (T.I.M.E.)™sytem
フェイクでもホンモノでも、ボク的にはどっちでもいいんですが(爆)、明らかに FCP-Xのインターフェイスのほうが、タッチパネル編集にはシックリくるなぁ〜と。
皆さんは、どう思われますか? (^_^)
13 Comments
こういったデジタル撮影系のツールって、iPhoneやiPadアプリとして必要な人にはかなり有効なのになかなかありそでなさそで・・・
そんなオイラはこんなのを試しにゲットしてみてます。
DSLR Filmmaker Toolkit
http://www.dslrtoolkit.com/
主に撮影時のツールですけど、結構機能は豊富でっせ。
なるほど、¥700の割に機能豊富ですね。…日の出/日の入り情報やレベラーまで内蔵してるし(笑)。シーン、テイク情報もテキストログを出力してメール送信できるんですね。あとは、ランダムなクリップ名と各シーン、テイク情報を紐付けるために、三千円弱上乗せして QR Slateのアプリ・セットを買うべきかどうか!?ってところでしょうか。
実はこれで結構うれしいのはViewFinder機能でして。
ロケハンなどにも使う、ディレクターファインダーいわゆるアングルファインダーは3万〜5万円とかしますし、DSLRに対応してるわけではないのでいろいろ換算しないといけないんですよね。
でも、これの替わりが完璧にできちゃうわけで、しかもそのアングルカットを記録してGPS情報も付加できるという、ロケハンの神器ともいえるでしょう!(大袈裟)
ほうほうほう。しかも、よく見たら DoF計算機なんて機能もあるんですね。ホント、多機能。コメント読んで思わずポチりそうになりましたが、外出中だったので「WiFi環境ないと買えないよ〜ん」と言われ、思いとどまりました(笑)。ま、次回なにか作る機会があれば導入してみよっと… (^_^;)
いいですねーこれ。
PremiereProユーザーの自分はくやしいですw
Adobeもサポートしてくれないかなぁ?
ちょっと地味ですけど、必要な人にはメチャ便利なことがわかるって類のソフトですよね。書き出される「QR Slate Updater」ファイルは XMLファイルなので、Premiereが読める形に変換するスクリプトとかあったら、そのまま行けそうな気もしますけど、どうなんでしょ〜…?
PremiereProってFCPからのXMLファイル読み込み機能ってありませんでしたっけ?
その機能ではこれは読み取っても使えないんですかね。
しかしこれいいですね。ただスマートフォンを持っていないWindowsユーザーの私には全く関係ありませんでした(笑)
Premiereって一度も触ったことがないので、わからないんですよー。XMLもソフトによってイロイロと “方言” があるみたいだし、どうなんでしょうねぇ? …っていうか、iPhone使ってない Winユーザーの negちゃんにはホントに全く関係ないですなぁ。(◎_◎;)
XMLファイルに出てくれるんなら自分でプログラム作ってPremierePro用に変換可能です。
でも一度MacでXMLファイルを作成しないといけないんですよね?
アプリがWindowsで出てくれるといいのですが・・・
ネットワーク上にあるWindowsのデータにMacBookProからアクセスしてコンバート自体はうまくいきました!
あとはXMLをPremiereProで読み込めるようにスクリプトを書けば行けそうです。
次回の撮影では導入してみることにします。
iPad3が出たら買っちゃお。
blackeyesさん、すごっ! (◎_◎;)
おひさです。帰宅すると、ふらふらな状況でして、ブログもほぼそのまんまでございます。メーカーの開発ピークは精神的にきついですわ。。。
で、このスレートいいですねぇぇぇ! 表示されるQRコードがどういう使われかたをするのかが今一つわからなかったのですが、映像内にQRコードを記録しておいてあとでモニター上から読み出したりするんでしょうか?
ふとカメラ側のEXIF情報も何かで外へ吐き出して一緒にまとめてくれたら、役に立つかもと思ったり。
むう、ちょいと元気もらいもした。
かじやんさん、お疲れさまです。やっぱ、お忙しいんですね〜。軽量化されて以降のマジックマウス君の行く末が気になってました…(笑)。
ところで、QRコードの使われ方の説明を書き忘れてましたね!どうもすみません。今、さっそく加筆・修正させて頂きました。& こんなニッチな記事で元気出してくださって、ありがとうございます。(^_^)v