ニューヨーク、ロス、シカゴの3拠点を中心に事業展開している映像機材のプロショップ、Abel Cine(エイベル・シネ)をご存知ですか?
ここは僕ら海外通販組(?)の間で有名な「B&H」などとは違い、民生品は一切扱っていない純然たる “プロショップ” です。Abel Cine では、各種プロ機器の販売やレンタルはもとより Alexa や Phantom を中心に自社取扱い製品のテクニカルサービスを展開している関係で、とても頻繁にディープかつマニアックなテストを行っています。そして、有り難いことに、技術者の方々が執筆する「CineTechnica」というブログを通じて、それらテストの結果(発見、ノウハウ、提言等)を非常にわかりやすくい形で発信してくれています。
▶ Abel Cine | CineTechnica
今までにも、たとえばレンズ画角とセンサーサイズの関係が「見て、理解できる」、こんな便利なオンライン・アプリを公開してくれたり…
▶ Field of View Caomparator
あるいは、F3の ISOレーティングやダイナミックレンジを詳細にテストして結果を動画で解説してくれたり…
▶ AbelCine Tests the Sony F3 ISO Rating
▶ AbelCine Tests the Sony F3 Dynamic Range
超マニアックかつ実用的(?)な提案として、ラージセンサー機である Panasonic AG-AF100 や Sony F3 に B4マウントの2/3インチ・ズームレンズを装着した ENGカメラをセットアップしてみたり…(笑)
▶ HDx Optical Adapters
はたまた、カメラマウント型レコーダーの仕様比較一覧を作って公開してくれたり…
▶ Camera-Mounted Recorder Comparison Chart(PDF)
…他にも色々、ぼーっと日がな一日眺めてしまいそうなネタの数々を公開してくれているんですが、今回、Sony FS-100向けに各種のシーンファイルを “調合” して公開してくれている記事の中に、『 FS-100 で 5D MarkII+CineStyle 風味の映像を撮るためのプリセット』なんてものがあったので、興味本位でちょっとご紹介(笑)。
▶ FS100 Scene Files from AbelCine
“興味本位” などと書きましたが、実際のところ、Abel Cine の技術者、Jesse Rosen さんは Panasonic の VariCam 用シーンファイルとして世界中で使われている(…んですか?)「JR45CINE」というシーンファイルを作ったかたで、要は、Abel Cine はこちらの分野には経験と定評があるのよ!と書かれています。
FS-100のシーンファイルはメモリーカード等からの読み込みに対応していないため、パラメーターを一つずつ調節して作らないといけないようですが、記事中にはダイナミックレンジを最大限とるための設定や、スタジオ撮影用の設定など、色々なレシピが掲載されています。
⬇ こちらが何もいじってない FS-100のスタンダード設定で撮った映像からの切り出し。
⬇ で、こちらが 5D MarkII+Technicolo CineStyle のガンマレンジとマトリックスを踏襲したシーンファイルだそうです。
設定の具体的な内容は、以下のようになっています。
Black Level: -2
Gamma: CinemaTone2
Black Gamma: Range = High / Level = +7
Knee: Point = 75% / Slope = 0
Color Mode: Type = CinemaTone2 / Level =8
Color Level: -6
Color Phase: +1
Color Depth: R=-2, G=-6, B=-7, C=0, M=+2, Y=+5
WB Shift = All 0
Detail = Level = +1 / Manual Set = Off
ん? 5D MarkII に CineStyle をかましたら、もっとコントラストが下がって黒が浮いてくるような気がしないでもないですが(笑)、どんなもんでしょうね?(いかがでしょうか? >Fujinon師匠)
…ちなみに、Abel Cineさん、本当にこの手のシーンファイル作りが得意(というか好き?)らしく、今回は FS-100版をご紹介しましたが、他に AG-AF100用、PMW-F3用のシーンファイルもすでに公開されており、F3で 5D MarkIIっぽい絵を撮るための設定まであって… いやあ、おそれいりました!
▶ AG-AF100用:AF100 Scene Files Created by AbelCine
▶ PMW-F3用:F3 Scene Files from AbelCine
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14 Comments
FS-100とD60(安物ですが)を所持しているのですが、
この2つの色味があわないものか検討していたので、
参考になりました!
おぉ! filmingさんは FS-100派でいらっしゃいましたか。当 raitank blog で、ふじのん師匠に次いで、お二人目の FS-100ユーザーですね! ぜひ今後は色々と教えてください。
いやいやそんな大それたものじゃございません!
ただ、まだ時間がなくてほとんど試していません。
そのわりに皆様のような知識もございませんし(汗)
でも早いところなにかよいものを撮りたいです。。
時間と人が足りませんね~
今気がついたのですが、FS-100買うとき、
raitankさんのブログ、参照させていただいたのですが、
よくよくみたら、ふじのんさんのページもめちゃめちゃ参照しました(笑)
ふじのんさんのカメラシステム構成の画像を印刷して、
いろんな機材屋さんにまわりました!!
ものすごい偶然!!
変な話、お二方のブログは見やすくて好きです。
あんまりブログとか見るの好きじゃないのですが。。。
あはは。一年と少し前に開店したこの raitank blog ですが、ボク自身それよりずっと以前から、ふじのんさんのブログの読者だったことについ最近、偶然、気がつきまして…。以来、ふじのんさんを「師匠」とお呼びしております(笑)。
filmingさん初めまして
いやぁ誉められると照れますなぁ・・(笑)
同じFS100ユーザーとして今後ともよろしくお願いします。
ところでFS100をどのような用途でお使いになられているのですか?
レンズは何をお使いですか?
など興味津々(笑)
raitankさん>
なるほど。。自分からしたらお二方とも師匠みたいな感じですけどね!!
ふじのんさん>
はじめまして。いやはやraitankさん同様に本当に参考になってます。
自分はふじのんさんにスタイルは似ていますが、ワンマンではありません。
FS100はやはりVPやあわよくばx2自主制作です。
レンズはまだFS-100jkのレンズのみです。60Dもあるのですが、こちらも
EF-Sレンズの質素なレンズ2本のみです。絞りのないマウントアダプターを
注文中ですが未だ手に入っていません…
実は今まではZ1Jユーザーだったので、レンズ系デビューしたてなのです。。
FS-100, 5DMarkⅡ+TCS Abel Cine で貼り付けた画像が何かの間違いで違うものと入れ替わったか(可能性低い?) 、 やはりこのカメラではLogガンマは無理なのか?
この画像はヒストグラムを見るまでも無く、まったくCineStyleじゃないですね。
でも、Raitankさんの貼ってくださったF3の方のリンク先を見ると こちらの5D2+TCS はかなり良い感じ。TEC. S-curve LUT も使えそうなので 30万円出してS-log をインストールしなくてもいいかも?
次に買うのはFS-100じゃなくて やはりF3か?(笑)
ですよねぇ?どう見てもヘン。>FS-100 のシーンファイル
でもでも、段々あちこちでテスト結果の映像とかが出回り始めている F3用の LOGオプション、相当気合い入ってるようですよ。けっこう、名うてのプロが手放しで絶賛しています。
‥ま、法外に高いオプション料金を払った自分の行為を正当化しているのでは?といううがった見方もできますが(笑)。
お久しぶりです。
まだFS100は実働で動かしてないです…
シーンファイルいじりだすときりがないですね(笑)
モニター見ながらの調整ではテスト被写体によってかなり偏ってしまうしチャートを写して波形を見ながら調整しても変化はわかりやすいけど自分の好みがわからないし…
かといって本番撮影時にその都度調整なんてありえないし。
結局は後処理しやすいトーンで撮影して編集時好みに合わせると言った感じが多いです。
そのためにRAW記録なんかがあるんでしょうけどそこまでのニーズはないし(笑)
というかローカルCMはまだまだ「綺麗に見える」ことが基本のようです。
アート的なカラーにすると失敗したかのように思われる(爆)
というわけでもないですが僕も最初はいろいろシーンファイルいじってましたが万能セットがあるわけでもないので結局無難にノーマルで撮って後処理というパターンです。
後処理もクロマを上げたりトーンカーブでカラーバランスをチョイいじる程度です。
CMの場合は見る人の環境がバラバラ過ぎて基準がないんですよね…
ふじのん師匠、お久しぶりですー。
>> アート的なカラーにすると失敗したかのように思われる(爆)
これ、ありますねぇ。しかも映像に限らず、グラフィック仕事でもよくあります。なまじ “世界の動向” なんか意識してデザインした時に限って、担当者さんに『ど、どうしたんすか?』なんて頭の心配されちゃったりして(笑)。
いやしかし、そうなるとやっぱりRAWで撮れるカメラが欲しくなっちゃいますな。
PMW-F3のRGB&S-Log記録はけっこう本気で買おうかと迷いましたよ(笑)
でも今となってはFS100で良かったなと…
F3は泥沼ですよ。予算的に(笑)
でもデジタル一眼でRAWは標準なのでミドルレンジのビデオの世界にもRAWが投入されるのは時間の問題でしょうね。
F3の LOGオプション、高いですよねー。下手すると、このオプション代金で、FS-100が1台買えてしまうという(笑)。
しかも、このオプション、SxSカードに入ってくるんですって? F3に LOGオプション入れるってことは、以降、基本的に 4:4:4収録でしょうから、てことは外部レコーダーへ記録するわけで、SxSカードなんて全く必要ないのにね? 海外では、ますます需要が減る一方のSxSカードの在庫さばき作戦じゃねーか?なんて声まで囁かれてますが(笑)、さて真相はいかに?
F3の LOGオプションは“SRMASTER” ポータブルレコーダー『SR-R1』と3Gで繋いで記録して初めて成り立つのでは?
SR-R1は 165万円ですからシステムで使うとけっこうな金額になってきますね。
ま、F35を頻繁にレンタルすることを考えれば安いとも言えるんでしょうが…
3Gや4Kはまだ高嶺の花です(笑)というか使いこなせない(^_^;)