「Side by Side」、「Hobbit」は見ましたか?

Written by . Filed under ETC. Tagged , , . Bookmark the Permalink. Post a Comment. Leave a Trackback URL.

cinema

この話題を採り上げるの、何度目でしょう?(笑) 米俳優、キアヌ・リーブス氏がプロデュースとプレゼンターを努め、ポスト「フィルム」時代の映画術について綴ったドキュメンタリー、「Side by Side(邦題:サイド・バイ・サイド 〜フィルムからデジタルシネマへ〜)」。raitank blogではベルリン国際映画祭でこの映画がプレミア上映された昨年2月にニュースとして採り上げ、10月末には日本での公開が決まったことをご報告し、また公開が間近に迫った12月中旬に駄目押しでもう一度記事にして「見ましょう〜!」と煽って(?)きました。

かたや、名匠・ピーター・ジャクソン監督が48台の RED EPICを携えて紡ぐ「ロード・オブ・ザ・リング」の前日譚、「The Hobbit: An Unexpected Journey(邦題:ホビット 〜思いがけない冒険〜)」は、まず PRONEWSさんとこの連載 “raitank fountain” に「シネマのネクスト・ウエーブ、”Higher Frame Rate” とは!?」として、この映画で大々的に採用された 24fpsならぬ 48fpsの映像に関して採り上げ、上記「Side by Side」と一緒に12月の公開直前にもう一度記事にして、「48fps上映は劇場でしか体験できませんよ〜!」と煽ってきました。

…で、皆さんはこの2本、ご覧になりましたか? かくいうボクは、年明け早々にまず「Side by Side」を、そして昨夜、ついに「Hobbit」を(一番近隣で IMAX 3D HFR版が見られる「ユナイテッド・シネマとしまえん」での最終上映日、しかも 21:50からの最終回にギリギリで駆け込んで!)見て参りました。

というわけで、本稿は何ら新しい事実をお伝えするためのものではなく、一年越しで紹介してきたこれら2作品のフォローアップ投稿として、視聴後の個人的な感想を述べると共に同じく同作をご覧になった皆さんの意見をぜひ伺いたい!と思って書いています。良かったら、コメント欄を通じて感想をお聞かせください。

• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • •

▊ raitankの感想:「Side by Side」

SideBySide

欧米、特にハリウッドの映像産業界における『デジタル対アナログ』論争は、実はすでに(とっくに)終息していて、デジタルへの移行は完璧に既定路線化済みである。未だにフィルムにこだわり、できる限り VFXを排した実写にこだわり続けているクリストファー・ノーラン+ウォーリー・フィスター(DP)のようなコンビは今や圧倒的少数派であると同時に、ヒット作を連発していればこそできる “贅沢な例外” に過ぎないことが痛いほどわかり、感無量(泣)。

SONYやARRI、PHANTOMやPANAVISIONなどのカメラが「道具」として TPOに応じて等しく扱われているのに対し、やはり REDだけは別格。ハリウッドには REDのカメラを「神器」として扱う監督が多数存在することがわかって面白い。っていうか、REDの TEDさんも登場してたし(笑)。ソダーバーグ、フィンチャーといった RED右翼(?)の監督たちは『撮影データをその場で確認できない』、『ラッシュを見るまで一日待たなければならない』というだけで、『フィルムはキライだ!』とまで言い放ってたりして(笑)。

かたやの DP(撮影監督)は、デジタルワークフローに順応している人まで含め、総じてフィルム好き! ただし、好きな理由は必ずしも純粋に審美的な理由ではなく、フィルムの方が撮影現場で自分がコントロールできる領分がより広いから(笑)。つまり、デジタルシネマが進化し、フィルムと同等かそれ以上のラチチュードを実現してしまった今、フィルムか?デジタルか?は、もはや芸術論争ではなく、撮影現場を戦場にした「どれだけオレ様がコントロールできるか?」という政治闘争になってしまっている感じ?

印象的だったのは、“映画制作における純血の誓い10箇条” で有名なデンマークの映画運動、「ドグマ95」の主要メンバーにして、お騒がせ監督として有名なラース・フォン・トリアーや、アンソニー・ドッド・マントルといった映画人たちは、一時期こぞって SONYのハンディカムで映画を作っており、いわゆるビデオの絵が気に入っていたらしいこと(マジか!)。そして、そのまま自然な流れとして、現在のトリアーはなんの抵抗もなく Alexaをマイカメラに選んでおり、またマントルはアカデミー撮影賞を受賞した「スラムドッグ$ミリオネア」撮影の際に、骨(センサー)と皮(レンズ)だけのデジタルカメラを “自作” して(笑)、ストレージを背中にしょってインドの雑踏を主人公の子どもと一緒に駆け抜けたそうな!(あっぱれ! ( ゚∀゚))。

もう一つ印象的だったのが、「ゴッドファーザー」「地獄の黙示録」のようなクラシック巨編の編集者であるウォルター・マーチ(69歳!)、あるいはもっとクラシックな「アラビアのロレンス」やら「エレファントマン」の編集者であるアン・コーツ女史(87歳!)のような、年季の入りまくった映画人でも、弟子にやらせるのではなく自らの手で Final Cut Proや Media Composerのような最新デジタル編集ソフトを操り、あまつさえ独自の編集ワークフローを構築していた!(ぱねぇ〜!(゚Д゚;))

• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • •

▊ raitankの感想:「ホビット 〜思いがけない冒険〜」

Hobbit

始まった瞬間に拒絶感で一杯になるんだろうな〜、途中で席を立って出てきてしまうかもなぁ〜、と思っていたのに、実際は全然そんなことはなく(笑)、むしろ「おぉ〜!こういうことだったのか〜!わっはっは」と普通に楽しめてしまいましたとさ。

フレームレートが倍速ということで、圧倒的にブレが少ない映像。パンフォーカスの背景とあいまって、キャラクターたちの早い動き、カメラが激しく動きまわるシーンでもストロボ効果の影響がゼロ。フレーム内はいつもなめらかに、ヌルヌル動く(笑)。目がチカチカ、グルグルする感じがなく、見やすい。けれど、最初から最後まで情報量が半端ないぶん、見終えた時には目がヘトヘトに疲弊してました(これが一番の問題かも?)。

「ドワーフ」と「ホビット」の違いすら知らないほど作品世界に無関心であるにも関わらず、しかも上映時間が3時間近くもあるにも関わらず、ぜんぜん冗長な印象はなく、ジャクソン監督作品としては(?)途中で見るのが辛くなりませんでした。(失礼)

しかし HFRに関しては、「ホビット」のようにフレーム内構成要素の8割以上(?)が “CGによる仮想物体” の映画ではなく、ごく普通の青春ドラマや群像劇など、CGを使わない映画を HFRで撮影して見せて欲しい。それを見てからでないと、HFRという技術が「あり!」か「なし!」か、判断できません。

• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • •

…さて、皆さんはいかが思われましたでしょうか? ぜひ教えてください! (^_^)v

13 Comments

  1. soru
    Posted 2013/03/10 at 12:04 | Permalink

    raitankさん こんにちは
    今頃こちらの話題にコメントさせていただきます。

    小さい子供がいるとなかなか映画館にいけず、もっぱら家でCSかレンタルビデオの生活で、3D映画はもっぱらアニメのみという状況で、やっと昨日実写モノの3Dを観て来ました。
    といっても、ディズニーですが<「オズはじまりの戦い」
    冒頭は、主人公オズの現実世界のサーカスの日常をモノクロの3Dで見せるんですが、このモノクロの3Dというのがまたなんとも紙芝居ちっくで、というよりも飛び出す絵本的なちゃちな不思議な感じ。
    そして、オズが気球に乗ってオズの国に言ってからカラーの3Dで、世界はまさにファンタジーで3Dの本領発揮の舞台だったわけですが。
    うーん、USJとかのアトラクションであの思いっきり湾曲した3D専用のシアターで観る3Dのほうがよっぽど迫力があっておもしろいですね。
    思うに、2Dと3Dが共存している限り3Dに特化した思い切った画面の作りにはできなくて、それでこれ以上3D映像に何か進化はあるのかな?と思わされました。
    「リアルさ」を追求するならHFRという流れに行き着いたのはよくわかります。2Dのシネマ以上にストロボ効果が気になりますから。
    HFR、結局ホビットは観られなかったんですが、また次はあるんですかねぇ~。次こそは観てみたいです。
    と一方で、そんなにリアルさを求めるのもどうなんでしょ。
    読書はそこに読者のイマジネーションを働かせる場があるからこそ面白いのと同様に、映画にも2Dだからこそ自分のイマジネーションをプラスして観る楽しさを残しておいてほしい、とか思ってしまったりしまうのは、古い人間なんですかねぇ。

    • Posted 2013/03/11 at 06:28 | Permalink

      世界中で違和感を訴えている人が多い!と報道されていたはずの「ホビット」、蓋を開けてみれば、歴代興収ランキングで堂々15位にランクインする大ヒットになったそうで(笑)。
      歴代15位!「ホビット 思いがけない冒険」世界興収10億ドル突破

      HFR映画、次はきっとJ・キャメロン監督の「アバター2」でしょうかねぇ。ボクもかなり古〜い人間ですが、でもなんだか最近もう 2Dでも 3Dでも、HFRでも普通の24Pでも、なんでもアリかなぁ?とか思い始めていたりもします。思えば昔は映画館の大画面で見る映画以外は映画じゃない!とまで思い詰めていたはずの自分が、いつの間にか 32インチのプラズマTVで普通に映画を楽しめるようになっていて。ふと気がつけば、今やパソコンの24インチモニターで… しかも Huluあたりの 720P動画でも充分堪能していたりして(笑)。

      今でも月に2〜5本のペースで映画館に出かけてはいますが、敷居はどんどん低くなる一方!というか。読書とイマジネーションの関係も、“ライトノベル” の台頭と共に少しずつ変質してきている気もしますし、良いとか悪いとかの価値判断とは関係なく、やはり諸行無常ということなのかなー?というところで思考停止しています。(^_^;)

      ところで SORUさん、昨日はまたまたすんばらしい作品を拝見させて頂きました。ありがとうございます。今回の色はまた格別に麗しいですね。いつも通り選曲センスも抜群ですし、SORUさんの動画にはいつも惚れ惚れします。
      the message of spring

    • soru
      Posted 2013/03/11 at 21:29 | Permalink

      私も3Dは3Dで好きなんですけどね。
      USJの4D(触感・匂いつき)アトラクションとか、文句なく楽しいですし。
      ただ、映画館が3Dに特化する方向で舵を切っていく流れになるのかな?というところはまだ疑問があります。
      子供でさえ、USJの方が目の前まで迫ってくる感じがするって言ってますし。

      raitankさんも本文で書かれてたように、もっと3Dが増えて、いろんなジャンルの映画を観てみないことには、私もちょっとまだ判断がつかないですね。
      スポーツものとか、サスペンスものとか、そういう現実世界を扱った作品も観てみたいなぁ。またお奨めを教えてください。

      最近、CSのムービープラスで筋も知らない映画を観て「おもしろかった!」って思うことにはまって、どんどん知らない映画を録画していってます。邂逅のおもしろさですね。

  2. Posted 2013/02/09 at 22:34 | Permalink

    渋谷のアップリンクで観てきました。ロールチェンジごとにスタッフから無言のプレッシャーを感じる…などの件は確かにそうですね、特に何テイクも重ねる監督さんには「あんたまだ撮るつもりか?…そうかその為にあんた達が煙草吸って一服してる間に俺はマガジンからフィルムを抜き取って新しいモノに詰め替えなければいけないんだな? 」なんて思いましたよ(笑。
    出演してる監督さん方々もなかなか味のある演技と言うか煽りっぷりで弾けてましたね、とにかく面白おかしくしてやろう感いっぱいのダニーボイルやちょっとやり過ぎ感のあるフィンチャーさんやらさすが大御所さん達。で、核心部のデジタル移行後の事について余触れてなかったのが残念、聞きたいのはその先の事、4Kを大きなスクリーンに投影するより100インチ以下のディスプレイで観た方がもっとキレイでシネコンの存続もorz…..

    • Posted 2013/02/09 at 23:48 | Permalink

      ボクも渋谷のアップリンクさんで見ましたが、スクリーンに向かって右手奥にコチコチ秒針が音を出す時計があるんですよ。最初のうち、これが気になっていたたまれない気持ちでしたが、ek2008さんは如何でしたか?

      出演監督さんたちがノリノリだったのは、先方がよく知っている売れっ子俳優のキアヌさんがインタビューアーを務めていたことも大きいんでしょうねぇ。今まで個人的な付き合いがなかったとしても、スクリーンを通じてよく知っている顔ですから話しやすいでしょうし。4Kほか、「その先」の話が食い足りない感じだったのは仰る通りでしたけど、ただボクは出演されていた監督さんたち(DPさんたちではなく)が、かなり技術的なことを理解しており、なおかつ肯定的に受け止めていることに感銘を受けました。デジタル?無問題!みたいな。…クリストファー・ノーラン監督以外は、ですが(笑)。
      日本の監督さんたちはどうなんでしょうね? REDとかALEXAとか、4Kとかグレーディングとか、知ってるんでしょうか?(あたりまえ?)

    • Posted 2013/02/10 at 23:17 | Permalink

      なるほど、キアヌさんだからあれだけノリが良かったんですかねー。僕はスクリーンに向かって左側中段くらいだったので時計のノイズは聞こえなかったです。
      日本の監督さん達、もちろんREDやらALEXAにも当然前から興味はあったでしょう。前身のD-20の頃からそれの興味はみんな持ってたはずでグレーディングはCMなどではダヴィンチでカラコレが当たり前でした。日本では監督が編集にも口を出せる権限があるのでヤン・デ・ボンさんが日本の監督さんと対談した時に羨ましがってたそうです。

  3. Posted 2013/01/28 at 06:10 | Permalink

    コメントありがとうございますm(__)m
    また、「映画館物語2007〜2008」予告編を見て頂きありがとうございます。

    おっしゃる通り、高性能なデジタル機器が安価になり、ある程度のお金と
    映像製作のノウハウを知っていれば、誰でも映像製作が出来て、
    YouTubeなどの動画サイトに公開して見てもらえる可能性が広がったのは
    素晴らしい事だと思いますね。

    かなり昔は、映写技師になるためには国家試験を受けないとダメだった
    という時代もあったそうですから、映像作家、映画監督がライセンス制
    でない分、才能の有無や向き不向きに関係なく自由に映像作品が作れる
    いい時代と言えばそうかなと。

    シネコンが日本にもたらした影響は良い面、悪い面、両面あるかと思います。
    これに加えて映画のデジタル化が、日本の映画興行界の再編を加速化させたと
    考えています。

    映画のデジタル化により、デジタルシネマプロジェクターや3Dプロジェクター
    を導入できる資本がある映画館とそうでない映画館のサバイバルが一つにあります。

    また、シネコンが乱立した結果、右を向いても左を向いても、どのシネコンも
    ほとんど同じ映画を上映している形になった。
    このため、各シネコン独自のカラーを出すために空いているスクリーンで、
    かつてはミニシアターや名画座でしか上映されなかった作品までシネコンで
    上映し始めてしまうという、小さいパイの食い合いになり、
    名画座やミニシアターの閉館につながっていった。

    これは映画興行というビジネスでは、仕方のない事なのかもしれませんが、
    私もかつての映写技師として、単館が消えていくのは寂しいですね。

    あ、長々と失礼いたしました。

    最後に質問なんですが、私はまだREDなどの4Kのカメラで撮影を
    した事がないのですが、撮影した素材の編集機器は何が多く
    使われているのでしょうか?

    私が「映画館物語」を撮影しにSONYにインタビューしに
    行ったのが2007年で、SONYのデジタルシネマ機器の
    担当者曰く、「4Kなどで撮影できるカメラはあってもまだ、
    スムーズにその素材を編集できる機器が揃ってないんで」
    と口にしたのを覚えています。

    あのRED ONEが登場したのが2008年ですから、それ以前
    の話しになるのですが。

    • Posted 2013/01/28 at 06:42 | Permalink

      ボクは「六本木ヒルズシネマ」、「新宿バルト9」、それに「ユナイテッドシネマとしまえん」がお気に入りで、月に平均2〜5回ほど映画館に足を運んでいますが、一旦、シネコンのレイトショーに馴れてしまうと、もう最終回が7時台の… 昔ながらの映画館には戻れないですね(笑)。「としまえん」なんて8時以降は夜間割引で¥1,200になりますしね〜。

      で、ボクなんか高校〜大学時代にそれこそ最低でも数千回は名画座に通ったんで “もういい” んですけど(笑)、名画座はいつまでもその時々の若い人のために残っていてくれた方が良いように思うんですよね。家でひきこもるくらいなら、¥300払って朝から晩まで映画漬けになるほうが…。って、今どきの若者は安くても映画館になんて通わないのかも?ですが。

      4K素材の編集に何が多く使われているか?、ボクは知らないんです。すみません。でも、昨年あたりから、ようやく Final Cut Pro X、Premiere Pro、Media Composerあたりのソフトで “普通に” 4K編集できる環境が整いつつあります。2007年当時は「4K」と書かれた錦の御旗を掲げていたのは実質 REDだけだった筈ですし、仰る通り、ワークフロー的に相当キビシイ状況だったと思います。

      ですがちなみに、REDが RED ONEを発表したのは2008年ではなく、2006年。実機の初登場が2007年4月の NAB。日本でのお披露目が、2007年11月の立教大学・新座キャンパスの4Kシアターでのデビューイベントだったそうです(立教のS先生にお呼ばれした際にそう伺いました(笑))。

  4. 59
    Posted 2013/01/27 at 20:55 | Permalink

    僕も見に行きました。
    周囲の映像学生に進めたところ、皆が一様に「良かった」と行っていました。
    raitankさんのおかげです。

    願わくば何度も見返したいのでメディア化されてほしいですが、難しいでしょうね。
    本国でBD化されているなら輸入したいくらいです。

    というかちょっと米Amazon行ってきます!!

    • 59
      Posted 2013/01/27 at 23:54 | Permalink

      US( http://goo.gl/Aosvs )で$19-、JP( http://goo.gl/1csJP )でimportが¥2841-ですね。
      字幕も細かく聞いていると若干違和感があったので、なれないですが自分で辞書片手に勉強しようと思います。

    • Posted 2013/01/28 at 01:36 | Permalink

      おぉ〜、すごいすごい! 本国版だったら、もうあと一週間で BlurayとDVDが発売されるんですね。これは、なんというか、扱っている主題はバリバリに硬派な内容なんだけど、出てくる御仁たちがさすがな対応をしてくれるもので(笑)、自然にエンターテインメントたり得てしまった!という希有なドキュメンタリーですよね。(^_^) ボクも買っちゃうだろうなぁ〜…

  5. Posted 2013/01/26 at 10:41 | Permalink

    はじめてコメントさせて頂きます。
    毎回、プロフェッショナルな情報を楽しく拝見しております。
    私も日芸大学院から自主製作を続けている自称「映像作家」でございます。
    「サイドバイサイド」はまだ未見ですが、感想を読ませていただき見てみたく
    なりました。
    私が大学院の卒業制作として製作したドキュメンタリー映画「映画館物語2007−2008」
    も「フィルムかデジタルか」というテーマで、日本映画の興行界をメインに描いた
    作品でした(あ、ちょっと宣伝ぽくてすいません・・・)
    http://www.youtube.com/watch?v=a4ad6yfyrS0&list=UUSeu73OYeDYByrTerpmJNTQ&index=7

    アメリカではフィルムの大家コダックが破綻するなど、デジタル化の波に
    乗れなかった大企業は消え去っている現状がありますね。
    日本で自称「映画監督」が若い世代から量産されているもとは、やはり
    デジタル機器の充実と映像製作の機材コストが安くなっていることが
    一つの原因となっていると感じています。
    ただ、作品それぞれのクオリティーは別の問になるかと思いますが。

    音楽のバンドがタケノコのように出現しては消えるを繰り返しているような感じで
    インディーズ系の映像作家(監督)も同じく、ポコポコ出ているような気がします。

    • Posted 2013/01/26 at 15:10 | Permalink

      STUDIO F+さん、ありがとうございます。デジタルで誰でも簡単に “自称なんとか” って、まんまメーカーの策略通りみたいな感じもしますけど(笑)、でもデジタル?アナログ?以前の問題として、『グーテンベルクの印刷機で誰でも本を持てるようになった』みたいな文脈で、「技術」ってもの自体が常にそういう “可能性の一般化” を推し進めるものですよね。あと、自称なんとかが増える=底辺のパイが広がることでもあって、中から才能が出てくる可能性も一緒に増えてくれるんなら、文化的には是なのかな〜?とも思うんですが、どうでしょう?

      それよか「映画館物語」の予告を見て、『そうそう、単館かシネコンか?って問いもあるよなぁ…』と思いました。ボクみたく映画を観たくなるのが夜8時以降の人間にとって深夜営業してくれるシネコンはたいへん便利で、いつもお世話になってますが、“シネコンのせいで” 単館や昔はそこいら中にあった「名画座(300円映画館)」が消えていくというのが困ったところですね。欧米ではシネコンと名画座はそれぞれの客層をつかんでキチンと併存していけるのに、日本って「さぁ!次はシネコンだ!」となると、右も左もシネコン一直線。古き良きモノをドンドンなぎ倒して画一化へ向かって突進しちゃう。かくして名画座が街から消え、商店街はどこも “なんとか銀座” だらけ(笑)。

      銀座シネパトスは今年3月末で閉館しちゃいますが、米・KODAKは全米の民間、企業、銀行からの融資が集まり、今年中には破産(Chapter11)を撤回できる目処がついたそうです…。
      NoFilm School : Kodak Lives! Company Will Likely Be out of Bankruptcy in 2013

Post a Reply to ek2008

Your email is never published nor shared. Required fields are marked *

*
*

You may use these HTML tags and attributes: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>