エグい GoPro映像とか GoPro専用アルミケージとか、REDの垂直撮影リグとか不思議なクレーン映像とか

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FPS1

皆さん、ひょっとしてホントは短信の方が好きですか? 今月は掘り下げ御免の短信を連発しているわけですが、これら短信エントリへのアクセスが異様に高いことが判明! というわけで調子に乗って今日も4題、行ってみましょう。

▊ ちょっとエグい GoPro一人称視点映像
少々描写がアレなために海外サイトで紹介される際にも、必ず「NSFW(Not safe for work:職場視聴不適)」マークが付いているミュージックビデオをご紹介。冗談ではなくマジでエグいので、ステーキをレアで食べられない系のかたは決して見ないでください(って言われると見ちゃうよね?(笑))。


個人的にこういった内容は全く好きじゃないです。そもそも一人称視点の拳銃乱射型殺戮ゲームの類にも全く興味がありませんし。

FPS2

で・す・が。この作品はよくできていますねぇー。出色の出来映え。感心しました。単に GoProを頭に載せて血生臭い一人称視点作品を撮りました、といった陳腐さに堕することなく、超広角で可変フレームレートチックな “お馴染みの GoPro臭さ” を逆手にとり、どうやって撮ったのか?どうやって編集したのか?わからない、細かい(あるいは大がかりな)ワザを100連発くらい駆使しているところが実にスバラシイ!

…けれど、もはや音楽など全く耳に入ってこないという意味で、ミュージックビデオとしては大失敗作かも?(笑)

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▊ GoPro用アルミケージ(Kickstarter)
上のミュージックビデオに限らず、今後 GoProを上手に使った本格映像作品がダバダバ出てくるんだろうなぁ…。たぶん世界中の映像業界人がそう思っているはず。

NOVOでは、GoProで “ちゃんと” 撮影する場合、何が?どこが?不便だろうか。
画角とレンズの問題に関しては、すでに何度かご紹介している NOVOのようなアプローチがあるでしょう。

ですがもっと根本的な問題があるじゃん!と訴えるのは、一時期 Cinema5Dのレポーターを務めていたので、お顔をご存知の方も多いはずの Jared Abramsさん。

その、もう一つの問題とは、GoProは純正の(やわな?)耐候プラケースに入った状態では、三脚へのマウントが安定せず、また外付けモニターやマイクほか周辺機器類も固定できない!というもの。

GoProHero3_CombatCage

そこでプラケースに入ったままの GoProを固定・強化し、リグ接続用のマウンティング・ポイントを装備したアルミケージを作っちゃおう!という Kickstarterプロジェクトが進行中なので、ひとつよろしく!と。
Kickstarter : Wide Open Camera Combat Cage For The GoPro Hero 3.

CombatRig目標調達資金はお手頃な$5,000。昨日スタートしたプロジェクトは、(目標調達額が低いこともあり)すでに半額越えを達成しており、プロジェクトの成功はほぼ確実と思われます。

もし Jaredさんのアイデアに賛同し、このケージが欲しい!と思われたかたは、後援資金$110+海外送料$45=$155(約¥15,000)で入手できますので、ぜひ Kickstarterページからお申し込みください。

あ。ただし、初期ロットは限定100個ですので、決断はお早めに。

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▊ REDでタテ位置スチル撮影をするなら…
R-90-1REDには DSMC(Digital Stills and Motion Camera)というコンセプトがあります。デビュー当初から 4K解像度を誇った REDは、現在 5Kが標準。もうすぐ 6Kの Dragonセンサーも登場します。つまり、そのままデジイチ同等の高精細な画像を収録する “カメラ” としても使えるゼ!というわけです。
RED : SHOT ON RED : PHOTOGRAPHY

ですが、写真撮影の道具という観点で REDを捉えた時、いわゆるポートレート・モード(タテ位置)で撮影するには、少々工夫が要りそうです。もともとヘビィな REDです。カメラを横に倒した状態でホールドするのも大変ですし、三脚にマウントするにも専用のリグが必要?
R-90-2
…というニーズに対応する純正の “Sliding Platform”、R-90なるリグが登場しました。付属のマウンティング・プレートにカメラを固定するだけで、R-90という製品名の通り、製品の「R」、つまりカーブに沿ってカメラを 90度、倒したり直立状態に戻したりできる、見たまんまの機能を実現してくれます。
RED : R-90

お値段は REDの純正リグにしてはお手頃な(のか?)$1,950(約¥18.6万)!

こうしたリグが登場したことで、逆に REDでスチルのお仕事をされている写真家の皆さん、今までどうやってタテ位置撮影をこなされていたのか?という新たな疑問が…(笑)

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▊ 精巧なモーションコントロール撮影を可能にする大型シネクレーン
GoProで撮影した “小回りの効きまくった” オフビート映像のご紹介で始めた今回の4題。締めは、小回りの正反対。超大がかりかつ超精緻なコントロールが可能なシネクレーンを使った、お洒落で気の効いた小品のご紹介。

Titan

Mark Roberts Motion Control Titan」という製品を知っている人はいらっしゃいますか? 例によって不勉強なボクは全く初耳でしたが、Cinescopophiliaさんの紹介記事によると、精密なモーション・コントロールによる反復撮影が必要な場合には、『これしかない!』と言われている定番製品なのだとか。
Cinescopophilia : Only One Cine Crane Could Pull Off This Wrap Around Move

Titan2

Titanクレーンは全長 36mにも及ぶトラック上を滑らかに動く、本当に大きな… 体育館クラスのスタジオ内で使うシネクレーン。何度でも正確に繰り返すことができるカメラムーブは、事前に Maya上でプログラムし、Titanにインポートすることができます。

…すると、こんな映像(↓)が作れてしまうんですねぇ。いやあ、素晴らしくお洒落で感動しました。

冒頭の GoPro映像にしろ、Titanシネクレーンによるこのラップ・アラウンド映像にしろ、こうした作品を見るにつけ、やはり「どうやって撮ったんだろ!?」というセンス・オブ・ワンダーって映像の重要なテーマだなぁ… と、つくづく思います。(^_^)v

27 Comments

  1. Posted 2013/03/25 at 10:53 | Permalink

    「Bad Motherfucker」再生回数の急上昇にだけしぼって見ると。
    やばいタイトルとエッチなサムネイルのおかげだと思われます。

    • Posted 2013/03/25 at 15:47 | Permalink

      たしかに、たしかに。あのボインなお姐ちゃんのサムネイルは、インパクトあり過ぎですな(笑)。ただ、それ自体が YouTubing Cultureの王道ってことでもありますよね。

    • Posted 2013/03/25 at 23:40 | Permalink

      ですな、ですな。これまでのYT文脈を取り入れしっかりと数字を出した秀作ですな。

  2. Posted 2013/03/24 at 17:23 | Permalink

    ボクも楽しめましたよ、「Bad Motherfucker」。
    他の方が仰る通りまんまFreddie WongやAK(Video Copilot社長)チュートを感じる部分も多々ありますが(笑)、公開数日で300万近い再生ってスゴい事だと思います。まさに「ザ・Youtubingカルチャー!」って感じ。

    映画「マトリックス」以降アニメやゲーム的な演出が一気に過熱した感がありますが、そういえば「Wanted」もロシア人監督でした。二番煎じと切り捨てるには勿体ない疾走感でボクは好きでした。

    「Bad..」も現場はさぞ楽しかったでしょうね。プレビュー見ながら演者さんは大喜びしてただろうなぁ(笑)。

    • Posted 2013/03/25 at 15:37 | Permalink

      おぉ〜、やっぱりご存知だったんですね? フレディ・ウォンさんとか。なんでボクは知らなかったんだろう?う〜ん。あ、YouTubeをあまり見てないからかな? あと、今回改めてチェックしてみたら、ボクが情報ソースに選んでいる海外ブログ系では、まったく採り上げられていないのでした。つまりは、仰る通り映像業界系というよりも、「YouTubing Culture」系ということなんでしょうね。

      ときに「Bad Motherfucker」でボクが一番好きなシーンは、敵を撃ち殺しながらオフィスの階下に辿り着いたところで、わらわらわら… っと無表情な敵役・黒スーツが一斉に出てくるところです。ゲーム的演出のリアル再現。面白いなぁ〜と思いました。(^_^)v

  3. mutsuyah
    Posted 2013/03/23 at 23:21 | Permalink

    GoPro映像
    個人的には好きです。
    私も一人称銃撃戦系のゲームは嫌いです。
    個人の肉体的限界を超えたにありえない複数の銃器と
    ありえない銃弾数がリアリティを欠いているからです。
    この映像はかなり作りこんであるのと
    パルクールパフォーマーがガチで飛んでいるところが気に入りました。
    このクリエーターはロシア人?
    ソビエト系の戦闘機が登場してくる所が刺さりました。
    ロシア系映像少し変わっていて妙にくせになりそうなタッチです。
    結構気にしています、ロシアンクリエーター。

    • Posted 2013/03/23 at 23:25 | Permalink

      あちゃー!そうですそうです。すっかり書き忘れましたが、この人たちロシア人ですよね。戦闘機から制作国を割り出すなんて、さすがは mutsuyahさんですねぇ〜。恐れ入りました。そしてボクも同じく、ひっそりと気にしています。>ロシアンクリエーター (^_^)v

    • mutsuyah
      Posted 2013/03/25 at 11:23 | Permalink

      GoProはマーケティングが突出してますよね。
      エクストリーム系のスポーツやイベントに力強いサポートが効いています。
      RED BULLと同じニオイがします。撮るRED BULL。
      飛行機好きのオジサンとしては翼端やキャノピー前の装着映像で喜んでいます。
      去年のNABで思いっきり群がっているブースがありBMかと思って行くとGoPro。
      現地の映像小僧(若手映像クリエーター)で盛り上がってました。
      国内外ウエアラブルカメラ多数にも関わらず独走?

    • Posted 2013/03/25 at 15:45 | Permalink

      マーケティングもそうですが機能面でも 4Kモードや 2.7K解像度や CineStyle搭載などなど、ある意味、他社ではまだ企画すらされていないであろうブッ飛んだ別次元にワープして行っちゃいましたよね〜(笑)。まったくもって独走状態。大したものだと感心します。

  4. momonga
    Posted 2013/03/22 at 20:49 | Permalink

    GoPro映像、私的には好きです(根がお子ちゃまなのでw)。
    そんな私がGoPro使って出来るのはこの程度。
    http://youtu.be/mTtZsUPmd4U

    • Posted 2013/03/23 at 02:04 | Permalink

      うげっ。じゃ、ボクも根がお子ちゃま? もう半世紀も生きた白髪頭で?(^_^;)
      ところで、momongaさんの映像のおかげで、話題の DJI PHANTOMは4人の僧侶が読経しているような音をたてながら飛ぶことを初めて知りました(違)。これだけ見事に他人がいない河原であれば、空撮の練習も怖くないですね〜。

    • momonga
      Posted 2013/03/23 at 09:43 | Permalink

      raitankさん、私も半世紀ものですよw
      男はいつまでも「お子ちゃま」が抜けないもので、だからこそヒーロー物とかメカメカしい物とか、肯定はしないかもしれないけど否定しないんじゃないでしょうか?
      ところで「4人の僧侶の読経」は言い得て妙ですw
      この河原も1km弱の距離に河川公園があり、100%安全とも言えない場所なんですが。。。

  5. 55catcatcat
    Posted 2013/03/22 at 13:02 | Permalink

    REDの縦位置ですが、知り合いの写真家の先生はフツーにダッチヘッドで縦にしていましたよ。汎用できますし、合理的なような気がします。18.6万じゃ買えませんけどww

    • Posted 2013/03/22 at 15:19 | Permalink

      れれ? ダッチヘッドはダッチヘッドで、ザハの重量級モデルなんかは「30万円から」ってな世界じゃありませんでしたっけ? しかもダッチヘッドは「光軸を傾ける」ためのヘッドで、そもそも90度倒しこんだ状態で固定することにはあまり向いていないような?(重量バランスが三脚中央からズレまくりで危ない?)

    • 55catcatcat
      Posted 2013/03/22 at 17:31 | Permalink

      そうですそうです。無茶な使い方ですしダッチヘッドだけでは直角にならないのですが脚の伸ばし方加減でと云うことです。確かに危ないですwww

    • Posted 2013/03/22 at 17:47 | Permalink

      つまりはフロンティアで、なおかつチャレンジャーってワケですね?(笑) やっぱ、R-90をお買い求めになられた方が…? (^_^;)

  6. Trigrass
    Posted 2013/03/21 at 22:46 | Permalink

    GoProのFPSムービーは上手いけど上手くないですね(笑)
    プロモーションとしてはいいですけど、作品としてはフレディ・ウォンがYouTubeでアップしている映像と大差ないスナックムービーなので、ちょっと残念。

    ゲーム世代の映像クリエイターが陥る、先端デバイスの罠ですね。
    カメラの特性と映像の質感をもっと注意深く読まないと、GoPro単体での作品(ストーリーのある…)づくりは難しいと思わせてくれる一本。なので、今回とても勉強になりました。

    • Posted 2013/03/22 at 02:53 | Permalink

      ありゃ?ダメでしたか〜、Trigrassさん。(^_^;)
      フレディ・ウォンさんて誰?と、YouTubeで探して幾つか見ましたが、こちらはこちらでビックリ仰天! こんな方がいたんですね(有名なんですか?)。

      っていうか、Trigrassさんにおかれましては、このフレディさんもダメなんですね。キビシ〜!
      中身がないおバカの極みに終始している事には同意しますけど、絵、画質、構図、役者、編集、VFX、すべてに渡って制作のクオリティ自体はやたらと高くないですか? 個人的には、日本の同人映画や学生映画の類でここまでのクオリティって、あまり見た記憶がないんですけど…。

    • Trigrass
      Posted 2013/03/22 at 22:49 | Permalink

      いえ、フレディの動画は二三週に1回の更新とはいえ、無料公開の割にクォリティの高い動画だと思います。
      彼らがフィルムスクールで学んだクリエイターという事を抜いても、日本の学生はおろか映像制作会社でも、なかなかここまでのモノは作れないというのが正直な感想です。

      好きずきなんですけど、私個人としては、彼らの技術や映像制作集団としては尊敬しつつも、クリエイターとしては好きになれないです。
      もちろん、見ていて馬鹿だし楽しい動画(アップされるたびにチェックはしてます。)なんですけど、それだけなんです。

      彼らが普段、仕事としてどんな映像を作っているかは、あまり知らないですが、YouTubeの動画を見る限り、彼らの根っこの部分はテレビゲームやハリウッドのアクション映画が血肉になっているのは、見た目そのままですね。

      映像作りを楽しんでいるは、画面から凄く伝わってきますし、勢いのあるは確かですけど、作品の殆どが、ゲームの焼き回しなんです。
      作品のエッセンスとか、アイディアの一つくらいなら分かるんですけど、まるまるゲーム画面の実写コピーみたいな映像というのは、何か違うなと思います。

      狙ってやっている+仲間内での悪ノリなので、素直に作品として凄いモノだとは、言えないです。

      これほどの技術と環境を使って、中学生の妄想を作る時間があるのなら、もっと一本の映像に集中すれば、凄い作品が生まれるのに、もったいないと思います。

    • Posted 2013/03/23 at 02:04 | Permalink

      ええ、仰っていることはよくわかります。そんだけ技能に秀でているんだから、もう少し中身のあるもの作ればいいのに!って、誰でも思いますよね(笑)。ただ、色々深く考えないからこその猛烈な制作頻度であり、果てしないクオリティの追求であり、止まらない連載なんだと思いますよ?(笑)

    • Trigrass
      Posted 2013/03/23 at 12:20 | Permalink

      YouTubeのチャンネルをフォローして気がついたのですけど、彼らは優秀な反面、頭脳(ブレイン)が不在なんだなと思いました。

      彼らはディレクションする技能までは、持っていないんじゃないかと私は考えています。
      つまり、スタッフとして雇うと物凄い戦力なるけど、スタンドアロンでは平均点のクリエイター集団なのでは…?

      アメリカとか日本に限らず、こういう類のプロ集団ってどこにもいるのだなと思いました。名選手=名監督に非ず。

  7. tedukakaz
    Posted 2013/03/21 at 22:06 | Permalink

     うわ、GoProのマウント、欲しい!
     ちょうど機材車兼ミニスタジオにしているキャンパーを買い換えようとしているところなんで、車内でも使える小さなカメラが欲しいんですよねえ。

    • Posted 2013/03/22 at 02:52 | Permalink

      およよ。手塚社長が、GoProのアルミケージに反応されるとは!予想外でした(笑)。けど、Kickstarterのプロジェクトですからねぇ。いつ手に入るのか?が大いなる疑問ってとこが玉に瑕かも?ですね。(^_^;)

    • tedukakaz
      Posted 2013/03/22 at 09:22 | Permalink

       私がGoProを使わない理由がマウントのたわみなのです。
       解像度が大きくなった今、金属固定以外は有り得ませんから……

    • Posted 2013/03/22 at 15:12 | Permalink

      ははぁ、やっぱりたわむんですか。それはもう、バッチリ Jaredさんの思惑に合致してますねぇ! よしっ、お買い上げ一丁、決まり!(^_^)v

    • tedukakaz
      Posted 2013/03/23 at 00:14 | Permalink

       市販されたら買います(^^;

    • mutsuyah
      Posted 2013/03/23 at 21:59 | Permalink

      手塚さん
      キャンピングカー買い換えちゃうんですか?
      昨年はBMCCのテスト撮影でお世話になりました。
      ひょっとして去年のNAB2012会場の外に置いてあった
      モービル***ステーションみたいな構想ですか?
      出来上がったら見せてください。

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