今度はアメリカからLetus

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11月の愛媛での撮影を最後に返却することになったhandy|35。トルコのKadir氏からは「次のが決まってから返送してくれればいいよ」と言われたものの、速攻で返金されてしまってはそう悠長に構えるわけにもいかず、さっそく“次の”選定に入りました。

やっぱ“タフさが命”の業務用なら、アメリカ製か?けど、筐体が弁当箱みたいなRedrock MicroのM2はどうもなぁ。かといって、CinevatesのBrevis35はなんか軍用機械みたいでヤだし。GGが振動も回転もしない(=駆動部分のない)CinemekのG35は故障しなくて良さそうだけど、この際もう逆像撮影のものは避けたいし。

となると、もはや選択肢は Letus35 しかなく、あとは一押しの売れ筋 “Elite” にするか?はたまたひとつ下の “Mini” にするか?のチョイスだけ。ElteとMiniはサイズが違うだけで基本的な構造は同一。どちらもGG(Ground Glass)はhandy|35と違い、振動式です。GY-HM100はCCDが極小の1/4型、レンズの径も小さいので、スペック的にはMiniで大丈夫のはず。逆にEliteにすると、バランスが悪くなるような気がしたので、素直にMiniを注文しました。

LetusMini+GY-HM100きっかり一週間後に到着したLetus Miniは小振りで剛性感の高い筐体が好感度大。ですが、もろもろ一体型のhandy|35とは違い、別途15mmサポートレールを買わねばなりません。これはLetus社の純正品ではなく、Jag35社のものをチョイス。理由は単に純正品はサポートロッドがアルミの銀色をしていてイヤだったから(笑)。ところがJag35社は基本、受注生産らしく、なかなかブツが届きません。Letus Miniは小さく軽めで、“サポートレールなしでもいいよ” と、わざわざマニュアルに書いてあるので、その言葉を信じていきなり実戦投入した時の写真がコレ。

GGが回転式から振動式に変わりましたが、出てくる絵もかなり違っていてビックリ仰天。これはGGの駆動方式の違いだけでなく、中に入っているレンズの性能差もかなりあるに違いありません。スペック的にはhandy|35の減光1ストップに対して、Letus Miniは減光1/2ストップ。handy|35の逆像収録に対して、Letus Miniは内蔵プリズムがイメージを反転してくれるので正像収録。値段はどちらもほぼ同じですが、この減光値と正像収録の差は大きい!撮影が劇的に楽になりました。

反面、handy|35では回転するGGはほぼ無音でしたが、Letus MiniのGGの振動音には辟易しました。スイッチを入れるとブ〜ンという80Hzの低周波音がハッキリ聞こえ、あろうことか!?マイクがこの音を拾ってしまいます(泣)。これは編集時にSoundtrack Proを使って“一撃で消すワザ”を見つけましたので、いつか別記事でご紹介しますが、いずれにせよ一手間増えるのは好ましいことではありません…。

ところで、そろそろ真面目に三脚のことも考えないと!今までは持ち運びのことをメインに考え、飛行機での遠征時に機内持ち込みできるギリギリサイズの、Rollei製“トリビュート”というカーボン三脚にGitzoのミニ・フルードビデオ雲台という組み合わせで運用してきました。が、さすがにこれではGY-HM100にDoFアダプターをつけた時点でアウト。風が吹いただけでぐ〜らぐらです。

FullSetUpというわけで、新たにManfrottoの耐荷重20kgのMpro535(三脚)503HDV(雲台) を導入。さらにこの写真では見えませんが、Letus Miniの振動音を拾わぬよう、マイクには「こんな便利なものがあったんだ!」と驚いたRodeのビデオカメラ用オフセット・ショックマウントをかますことに。

そうこうしているうちにJag35のロッドサポートも届き、かくて丸っきり新しい機材セットが勢揃い。まだまだ撮影行脚は続くのでした。

7 Comments

  1. K.U
    Posted 2013/05/27 at 15:48 | Permalink

    raitankさん、

    いつも愛読させてもらっています。私も主にワンマンオペレートで映像を作る者のはしくれなので、大変ためになる情報たくさんで感謝しています。

    私はDSLRでも撮りますが、やはりDOFアダプターの柔らかくて甘いルックが好きで今でも現役で、ここぞという時に使っています。DOFにしかだせない風合いがあるんですよね。

    ところで、やはりネックは音声収録。Letus Extreamとcanon XF100の組み合わせで使っていますが、やっぱりモーター音を収録してしまいます。

    >スイッチを入れるとブ〜ンという80Hzの低周波音がハッキリ聞こえ、あろうことか!?マイクがこの音を拾ってしまいます(泣)。これは編集時にSoundtrack Proを使って“一撃で消すワザ”を見つけましたので、いつか別記事でご紹介します

    この「ワザ」ぜひ知りたいのですが、「別記事」がまだなら、ぜひ教えていただきだいです。これがわかれば、ワンマンで回してる現場でも音が使えて助かるのです。。

    • Posted 2013/05/27 at 22:07 | Permalink

      K.Uさん、ども!(^_^)v すみません。この「ワザ」なんですが、簡単に言ってしまうと、「Soundtrack Proの “スペクトラムコントロール” を使って消したい周波数を視覚的に確認して消してしまう」というものです。…ですが、記事にしなかったのは、このワザを業界の友人に話したら、『そんなん、別に視覚的に確認しなくたって、ハムる周波数なんてだいたいわかるじゃん。で、パラメトリックEQでその周波数帯を消せば同じことじゃん!』と言われてしまったからでした。…ま、たしかにその通りですし(笑)。というわけで、すみません、パラメトリックEQで普通にノックアウトしてください。(^_^;)

      それにしても。今でも DoFアダプタをお使いなんですか!それは素晴らしい。ボクも未だに年に一度くらい持ち出しては、趣味でいじってます。仰る通り、フォーカスもなにも、あまいんですよね。で、それが最近のカメラの、キリキリと解像した絵を見馴れた目には新鮮! …なんだかんだ、DoFアダプタは不滅かも?ですね〜。

    • K.U
      Posted 2013/05/30 at 01:12 | Permalink

      詳細な回答ありがとうございます!トライしてみたいと思います。

      いやあdofはいいですよね。最近のカメラはどれも高精細だけど、似たり寄ったりでちょっとつまらない。技術者からしたらお前バカかと言われるかもしれませんが、最初からdof的な構造のカメラを作ってほしいとさえ思います。

      一度、dofの甘さと感度がもう少しましにならないかと思って、DSLRにDOFをつけようとしたんですが、グランドグラスにピントが合うレンズがなくて断念しました。映画学校にいた時にREDONEに装着してやろうと本気で考えていた頃もあったんですが、「レッドフ」(笑)は実現せず。。

      しかしワンマン運用のビデオグラファーに音は悩みのタネですね。BMCCのレポートを読んでも、いろいろ難ありなようで。。

      とにかく、ありがとうございました!

    • Posted 2013/05/30 at 13:26 | Permalink

      RED ONEに DoFアダプターで、REDof!! これは、実現されたら世界中で大ウケすること間違いないですね!(笑) ( ゚∀゚) ボクもかなり DoFアダプタ好きですが、いやあ、K.U.さんの足下にも及びませんです。なにかそうした DoF表現の新機軸を開発された暁には、是非ご一報ください!ご相伴に預からせて頂きたく(笑)。宜しくお願い致します。< (_ _)>

  2. Oritogalis
    Posted 2012/06/05 at 08:00 | Permalink

    はじめまして。
    もう、かなり古いでしょう記事にコメント申し訳ありません。
    しかし楽しかったので、長文ですが書かせて下さい。

    以前からたのしく拝見していますし、ボクも1年ほどDSLR&リグってる人間です。
    で、最近もう、「CMOSのブレニョキニョキ」がホント生理的にいやになり、
    12年度春夏のカメラ発表も出揃い、そして、萎え。 こうなったらもう!
    先祖帰りでココは一発「3CCD」だろ!と、色々シミュレート(妄想)中、
    あらためて、Mission DOFを拝読しました。 いやー面白いです!

    トルコ・カディール氏との「待ってろ」トークに笑い、
    そして突然訪れる同氏の敗北宣言は(こころの)涙なくしては読むことができません。
    愛がふかいっすわ。。。上手く言えませんが。 使用上の注意も実に懇切丁寧です。
    とにかくRaitankさんがココから始まっているという事実が、
    のちのちの機材選びに効いてくるのだと再認識しながら読ませて頂きました。
    (たとえばレンズは絞り環つきが未だに結局有益だったりしますもんね。。。)

    さて。もう少し書きますと、妄想の内訳です。
    グローバルシャッターのCCDに先祖返りし、DOFアダプター駆使は今としてアリか?
    という命題です。 というのも今はレッドロックのM3も、Letusも
    40%ー50%OFFの投げ売りが始まっている現状が、ひとつあります。
    そして3CCDを見つめると、たぶん、もっとも最終で有力な機種が、
    Panaの「AG-HMC155」なわけです。これが最後の3CCD1/3である、と。
    これも中古ならかなり値ごろになっています。(みんな知ってかあまり出ないですが)
    で、そんなこんなを掻き合わせれば、イイ具合にCMOS越えができるのでは!?
    という妄想だったのです。

    もちろん今となっては、この段、とくに使用上の注意エントリーにもふれると
    「な、ナイかぁー…そりゃナイょなぁ…」とも思わざるをえず。。。
    つまりDOFアダプタは、「光源ひたすら確保!」であり、
    「ビデオ側ピントシビア!」であり、とにかく長ーくなる全長とか、そもそも
    重かろうなぁ、とウィーク過ぎるポイントに妄想は良い意味で打ち砕かれるわけで、
    文明を戻すことの困難さに、改めて途方が暮れました。(←誇張表現)


    CMOSセンサー。 低電圧低コスト&高集光の便利テクノロジーを謳いながらも
    時として画作りに重大な致命傷をあたえるローリングシャッターちゃんは
    今後どうなっていくのでしょうね。
    電力喰って調達高価なCCD。 されどグローバルシャッター大先生の再評価が
    はじまってしかるべきだ、と個人的には思っております。 長文失礼しました。

    • Posted 2012/06/05 at 11:41 | Permalink

      Oritogalisさん、初めまして。もうかなり古い記事にコメントありがとうございます。あの… 初めてでアレですが、文章お上手ですねぇ(笑)。思わずニヤニヤしながら読み込んでしまいました。(^_^)v

      使ったことがある人ならわかる “良くも悪くも甘〜い、あの画質” が、今もときどき懐かしく思い出されます。仰る通り、投げ売り状態になっている Letusのアダプタなどを見ると、今や全く用がないのに、当時は意味がよくわかっていなかった「高級機能」付きの高いモデルをついつい買いそうになったりします(笑)。

      とか云いつつ、実は近々、某ビデオカム+往年の Letus DoFアダプタで実験君しようかな〜?と思っているプロジェクトがあったりします(まだ妄想中の段階なので詳細は明かせませんが)。低電圧、低コスト、高集光などの特性的利便性はわかるのですが、絵的には、やっぱり CMOSより CCDのほうが良かったですよね…(泣)。

      あ、ちなみに。DoFアダプタ時代にボクが度々お世話になった handy35の頼れるトルコ人ことカディールさん。彼がその後に立ち上げたブランドこそ、今をときめく(?)Edelkroneだって、お気づきでしたか?(笑) すでにお気づきでしたら野暮な種明かしですが、最近は彼が元々は “DoFアダプタ野郎” だったことを知らない人が多いんですよねぇ〜。
      Edelkrone

    • Oritogalis
      Posted 2012/06/05 at 21:37 | Permalink

      すみません、わざわざ返信ありがとうございます!

      頼れるトルコ人カディールさんがその後Edelkroneを立ち上げてたことは知りませんでした。このブランドはもちろんチェックしたことはあったのですがそうでしたか。。。
      あの両肩ガンダムはかなり安定しそうですが、すごいですよね。
      たしかインドにもレッドロックの模倣ブランドがあったり、まさにこの業界モンドで眺めるだけでもホント楽しいですよね。出揃った感があって、最近は少し小康状態なのが少し残念ですが!笑

      Raitankさんの妄想DOF実験プロジェクト、とてもいいですね!
      慎ましくもその実現を祈っております!

      しかしあらためてですが、ZacutoのShootoutでもCCDの威力は顕在してるわけで、なんとかならんものか、と思いますよ。一番大事なチップのことなのでアレですが、たとえば株価千円切ってしまったSとか、ワンコイン(…血涙)のPとか、ここで一発「CCD復活!」とかして頂けたら、少なくともボクはエレクトもので目を瞠るのですが。。。

      ごめんなさい。これも長文になりそうで。。。笑
      これからも楽しみにしております!ありがとうございました

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