BMCCロードテスト③:ノイズへの対処

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BMCC

▊ BMCCはあらゆる意味で HDSLRとは違う
BMCCは色々な意味で従来の HDSLR(一眼動画)とは違います。…というか、本当は一眼で撮る動画が特殊過ぎたワケですけれども。集光効率の高いラージセンサーによって実現された高感度特性などは、その最たるものと云えるでしょう。昨年出た 5D MarkIIIなんて、ISO16000などという “非常識な感度” で撮った動画でも、編集時に軽くノイズリダクションをかければ普通に使えるレベルでビックリしました。

5D3_HighISO

さて。翻って我らが BMCCですが、用意されている ISO設定は 200、400、800、1600。…以上、おしまい(え? ( ゚∀゚))。

EOS_Kiss上で挙げた EOSを例にとれば、2003年秋に出た初代 EOS Kiss Digitalの ISO上限値が1600だったようで、単純にセンサー感度を比較したら、BMCCは丁度 10年前に出たデジタル一眼と同等のスペックということになりましょうか。
と書くと「えぇ〜?」ですが(笑)、これはボク的には別にガッカリするポイントではなく、単に『使い方を考えておかんとね』ということです。どの程度の暗さで、どの程度の品質の絵が撮れるのか?

また、BMCCは収録フォーマットが Cinema DNG RAWあるいは ProRes422(HQ)ということで、5D MarkIIでは悩みの種だった= H.264の圧縮に起因する “手に負えない” 類のノイズは、そもそも出ないのでは?
…という期待のもと、ちょっとしたテストを考えました。

ISOをベース感度である 800にセットし、わざと少々暗めに RAWで撮影。これを Resolve上で強制的に明るくして暗部に潜むノイズを引きずり出し、ノイズがザワザワした状態で ProRes422データとして書き出します。これを FCP-Xに読み込み、勝手知ったる NeatVideoで処理し、どんな絵になるか?見てみようという趣向です。

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▊ BMCCで収録したデータの品格
ちょっと暗いとすぐにチラチラ目障りなノイズが乗る 5D MarkIIと過ごしている間に、いったい何種類のノイズ除去ソフトに手を出したんですか? …と問われれば、ボクの場合「5種類!」と即答できます。約2年前に自ら記事を書いていますので確実です(笑)。
最適なノイズリダクション・ソフトはどれだ?

今、久しぶりに読み返し、当時の自分が「NeatVideo」と「VideoPurifier」をお勧めしたことを思い出しましたが、驚くなかれ!ボクは今でもこの二つのお世話になっています。

内容が全く古びていないことに、我ながら驚きを禁じ得ません。この千曲川の急流の如き激動の時代にあって、2年もの長きに亘り唯一の真実であり続けるソフトが存在するだなんて! いったいその間に何種類のカメラたちが登場しては消えていったと云うのか。ここにボクは… (´¬`)ノ(もういいって!)

※ フルスクリーン表示にしないとチリチリしたノイズが見えないかも?知れません。

途中に入っている微速度映像は、先日のファームウェア・アップデートで追加された、撮影間隔を指定するだけの簡易タイムラプス機能を「使ってみた」系のアレですが、これがけっこう便利で、嬉しいオマケでした〜。

…って、そんなことよりノイズだ、ノイズ。やはり BMCCのデータは NeatVideoの効きがすこぶる良いです。おかしな残りカスの類も発生しないし、のっぺりし過ぎることもなし。非常に好ましい感じでチラチラ成分だけが消えてくれるのがお解りになるかと思います。
またそれ以前に、超暗いカメラ出し素材をここまでプッシュしてなお破綻しないところに “素材としての素性の良さ” を感じました。

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▊ NeatVideoは CUDAにフル対応していた
…ところで以下は余談ですが、NeatVideoって実は CUDAアクセラレーションに対応していて、しかも DaVinci Resolveと同じように、内蔵している複数枚の GPUをすべてキチンと認識して高速化のために利用できる!って知ってましたか?(笑)

NeatVideo_CUDA
※ NeatVideoの初期設定:ノイズ除去の計算に「CPUだけを使う」「GPUだけを使う」「CPUとGPUを両方使う」という選択オプションが、またCPUに関しては「幾つのコアを割り当てるか?」が指定できるようになっています。

…惜しむらくは、CUDAアクセラレーションを駆使してもなお、膨大な時間がかかるノイズ除去作業自体の “重さ” でしょうか(笑)。
そして、これまた二年前の記事のままでビックリしたのですが、やはりノイズリダクションを実行すると、OSのメモリ管理がおかしくなるのでした。当時使っていた FinalCut Pro7は 32bitアプリだったので、複数のクリップに NeatVideoを続けてかけていると「メモリが足りません」とエラーが出てソフトが固まることがよくありました。

Memory

現在使っている FCP-Xは 64bitアプリなので、1ソフトが使用できるメモリ量= 4GBという制約はなくなっている筈です。それでもやはり、タイムライン上のクリップすべてに NeatVideoをかけた状態からレンダリングが始まると、ボクのMacProに入っている 16GBのシステムメモリから、使用可能残量がみるみる減っていきます。そして 1GBを切ったあたりで上手くパージできない場合、二年前と同じように FCP-Xが固まります。

…そう。すべてが “あいかわらず” なのです。この千曲川の急流の如き激動の時代にあって、2年もの長きに亘… (´¬`)ノ(だから、もういいってば)

13 Comments

  1. 55catcatcat
    Posted 2013/02/25 at 12:05 | Permalink

    またまた、耳寄りな情報をありがとうございます。
    私も、りきさん同様にBMCCのグレインは好きです。早く取り上げてください。
    珍しく忙しくて全然BMCCで遊んでないのですがそのうち『リグ見せ会』やりましょうww

    話変わりますがタラちゃんの新作『ジャンゴ』(3月1日~)は4K上映のようです。すべての劇場では無さそうですけど。4K上映館がわかったらお伝えします。

    • Posted 2013/02/25 at 16:09 | Permalink

      わ〜お、55catcatcatさんこそ、耳寄りな情報をありがとうございます。タラちゃん「ジャンゴ」は 4K上映で決まり!ですね〜。(^_^)v あと「リグ見せ会」、早くやりたいなぁと思いつつ、まだ寒いんですよねー(爆)。来月末くらいっすかねぇ? 花見と兼ねれば被写体にも困りませんし、とか(笑)。

  2. tedukakaz
    Posted 2013/02/25 at 07:50 | Permalink

     うちはDenoiserが上手く動く環境なので、専らDenoiseです。

     しかし、NeatVideo綺麗ですね!
     メモリー漏れが引っかかりますが(^^;

    • Posted 2013/02/25 at 08:28 | Permalink

      うちはダメなんですよねー、Denoiser。ホントはこれが一番簡単で効果テキメンなんですけどね。もう諦めました(爆)。(^_^;) でも、NeatVideoのほうがDenoiserよりもユーザーインターフェイス的に優れているので、微調整はやりやすいです。

    • tedukakaz
      Posted 2013/02/26 at 08:40 | Permalink

       ああ!意味がわかりました!
       AfterEffects以外にインストールするとずっこけますね!>Denoiser2

       ずっとAEでしか使ってなかったのでなんでみんな文句ばっかりなんだろうと疑問でした。Premiereでもダメでした。(1度落ちて、その後はエフェクトフォルダ自体が開かなくなる(^^;)

    • Posted 2013/02/26 at 09:15 | Permalink

      あちゃー、そういう事なんですか?(笑) Denoiser作った RedGiantの Stu Maschwitzさん、AfterEffectsファンクラブの代表みたいな人ですもんね。先日来、フォーラムのほうで議論しております Colorista IIも、同じ理由で AfterEffectsではキチンと動くんですが、FinalCut Pro上ではカラーホイールが半分隠れたりします(笑)。(←って、笑い事じゃないんだけど (^_^;))

    • tedukakaz
      Posted 2013/02/26 at 09:47 | Permalink

       あ、ほんとだ(笑)Coloristaも怪しいですね(^^;
       でも、カラーグレーディングは、Adobe系使っている人ならAEのColor Finesseか、さらにやりたければSpeedGradeもあるので、そっちでしょう。
       ただ、ご存じのように現行のSpeedGradeは非常に使いづらく、SpeedGrade上での編集や仕上げなどは困難で、事実上Premiereのオフライン出力プラグイン的な使い方になってしまいますよね。
      http://tv.adobe.com/jp/watch/learn-speedgrade-cs6-jp/13804/

    • Posted 2013/02/26 at 10:12 | Permalink

      いやそれが、ちっとも「ご存知」じゃないんですよ(笑)。映像関連ソフトに関しては Adobe製品を一つもインストールしていないもので、ぜ〜んぜん知らないのです(これ以上、覚えなくてはならないソフトを増やすのがイヤで)。なるほd、そうなんですか。SpeedGradeって、まだまだそういう段階なんですね…。

    • tedukakaz
      Posted 2013/02/26 at 11:54 | Permalink

       操作が独特でボタンが小さいのも厄介なんですが、オンラインクオリティ、例えば4Kとかだと、PremiereからSpeedGradeにうつすだけで莫大な時間がかかるんです。
       あとは、まだカラースペースなどがCanon Log系に対応してないのも痛いです。なぜかCinemaDNGには対応してるんですが(笑)

       なんだかんだ言ってAfterEffectsのColor Finesseの出来が良いので、Adobe系ユーザーではあれを各レイヤーごとに使うスタイルが一般的になっちゃってますよね。

    • Posted 2013/02/26 at 12:54 | Permalink

      Cinema DNGへの対応ってやっぱし、新規の開発とサポートはもうやらないことに決めた後の、最後の意地みたいなもんですかね?(笑) あれ?でも Speed Gradeは開発元が Adobeさんじゃないか…。

  3. りき
    Posted 2013/02/25 at 07:18 | Permalink

    検証ビデオを見た瞬間、間違ってスベー!って言っちゃいました(笑)
    まあこれはどうでも良くてw

    塗りつぶし感が全くなくシャープなままで素晴らしいですね
    静止状態のみならず動いていてもばっちり効いていていいですね
    ただ、BMCCの高感度ノイズ、僕はフィルムグレインで好きですよ

    • Posted 2013/02/25 at 07:26 | Permalink

      スベー! っていいっすね〜(笑)。最高の賛辞。ありがとうございます。で、そっちのグレインの話は、またいつか別の回で表現にからめて採り上げるつもりだったですよ。先取りして口にしてはイケマセン。(´¬`)ノ

    • りき
      Posted 2013/02/25 at 08:18 | Permalink

      お口チャック(´¬`)ノ
      楽しみにしてます!

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